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男は今日も従順な肉便器へと陥落させられる

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指先から腕の付け根付近までを隙間無くぴっちりと覆う指の使用を禁じる機構を有した黒革製のグローブは、そのグローブの表面にあてがわれた幾本もの革ベルトを締めることによって自力では脱ぎたくても脱げないよう男の左右の腕へと厳重に装着されてしまった。
そんな拘束のみを目的として作成されたグローブに取り付けられている十数個の金具同士を執拗に結合された男の腕は、背中で左右の肘から手首までの部分を密着させた状態から離れられないよう動きを完全に制限されてしまった。
指を使い物にならなくさせるグローブを嵌められ、仮に指の機能を没取されていなかったとしても振り払えない追い打ちの縛めを腕にもたらされた哀れな男はもう、自分を拉致した組織が所有する建物の一室で裸体を惨めに悶えさせることしか出来ない。黒革の目隠しによって視界を閉ざされ、黒色をした棒状の口枷で言葉を取り上げられた男は、外そうと試みることすらもままならない頭部の拘束の下で苦しげに眉根を寄せ唾液と共に悶絶の呻きをだらしなく垂れ流しながら、無防備な恥部に固定された淫具が作り出す辱めにただただ心と身体を辱められるしか無い。
腕を使うことに加え、見ることとしゃべることを不可能にされた無様な男は今日も、腕を覆うグローブに結合された鎖と一体化しているフック状の器具に貫かれた尻穴を為す術無く小刻みな振動でいたぶられ、捕らわれた日から雌の至福を仕込まれた尻穴を意に染まぬ悦楽に襲われながら、どうすることも出来ずに触られてもいない男根から精液を何度も何度も放出させられる情けない絶頂地獄へと突き落とされ続けていた。

「んむっ、むぁっ……ぶむぁぁっ! むー、ふうぅ! むぎゅぅぅぅっ!」

目隠しの内側で涙に潤んだ目を見開き、口枷に歯を立てながら湧き上がる欲望を堪えようと頑張っても、非道な調教で淫らな器官へと躾けられた尻穴を嬲るフックは男の頑張りを嘲笑うように淡々と同じ強さの振動を無意味な忍耐が瓦解するまで叩き込んでくる。萎える暇も認められずに尻穴だけでの絶頂を延々と強要されている男根を苛むじくじくとした疼くような痛みに悶え苦しむ男が言葉にならぬ悲鳴をみっともなく発しながら甘い拷問の終わりを願っても、無感情なフックは忍耐を擦り減らされ正確な回数さえももはや分からない絶頂に達した尻穴をわずかな休憩さえも許さずに震わせ、悲痛に淫獄の終わりを望む男に更なる淫獄を、より深く辛い絶頂を迎えさせる淫猥な拷問を味わわせていく。

「うぐっ、むぎゅぅぅぅんっ! あぶっ、むあぁ、ふむぅぅぅ……んっ!」

幾ら極めても、容赦無く快楽を極めさせられる。ベッドの上に転がされた裸体が痙攣を抑えられなくなり、本来淫らな弱点では無い箇所をシーツに擦られる刺激に鮮烈な快楽を覚えてしまうくらいに感度が高まりきった状況に陥っても、まだ射精を要求される。
たった一人きりの空間で、断続的にイかされる。それは、間違い無く残忍な責め苦だ。
しかし、その残忍な責めに狂わされている男は、これ以上の責めを抗えぬ肉体に刻み込まれてしまっている。限界を越えた絶頂に翻弄されている思考の中でもはっきりとすぐさま想起出来てしまうくらいの責めを教え込まれてしまっている。
そんな責めから逃れたい一心で、男はイきまくらされながら必死で拘束との格闘を繰り返した。視界と言葉を遮る拘束をシーツに擦り付けて外そうと足掻き、無我夢中の足掻きに伴って生まれる過敏になった裸体をシーツが撫でる強烈な快感という追撃に鳴き喚きながら、男は淫具を与えて部屋を去った無慈悲な敵達が帰還する前の脱出を求め続けた。
だが、頑丈な拘束を鳴らし軋ませながらの努力は全て無駄で、男は今日も真の淫獄が始まる敵達の帰還の時刻を、肛虐の中で置き去りにされていた方が遥かに有情だと思える恥辱と屈辱に満ちている爛れた宴の時間を、迎えさせられてしまった。

「ただいまー、今日も良い子にイきまくってたか?」
「一人で寂しくさせたお詫びに、今から俺達全員でたっぷり犯しまくってやるぜ? 嬉しいだろ、肉便器さん?」
「むぐっ!? んまぁ! むぶぁぁぁっ!」

部屋の扉が数時間ぶりに開かれると同時に一方的な凌辱の宣告を行った男達が、拒絶の絶叫を放った男が汗塗れの裸体をよじらせていたベットへと歩み寄り逆らえぬ裸体に嬉々として手を這わせ始める。
左半身を下にして痛々しく跳ねていた裸体を無理矢理に起こして膝を立たせ上半身をベッドと平行にさせた男達は、半狂乱になって暴れる男の滑稽な抵抗を無視しつつ口枷と尻穴のフックを外し、イき地獄で熟し切った男に何の躊躇いも見せること無く自分達の性処理係という役割を持たせた都合の良い肉便器に荒々しい欲望を露わにした責めを注ぎ出す。

「ぷぁっ! むぁ、はあぁんっ! おにぇが、もぉ、ゆるじでぇ! ゆる、んんっ!? んぶぅぅぅんっ!!」
「んー? こいつ何か言ってたか?」
「ひっでーなお前、ちゃんと聞いといてやれよ。早くおチ○ポ入れて、いつもみたいにお口とケツマ○コをめちゃくちゃにほじくってって一生懸命おねだりしてただ……ろっ!」
「んみゅぅぅぅぅっ!? おぐっ、むぶぁぁぁんっ!」
「あーそう言ってたのか、わりぃな聞き取れてなくて。お望み通り気絶するまで上と下の口をほじくり回してやるから許してくれよ? 俺達全員で両方の穴をチ○コで嬲り倒しながら、玩具よりも激しくイき狂わせてやるから、機嫌直していつものように最高の悲鳴を聞かせてくれよ? 肉便器さん?」
「むごっ、ぶむぁっ! んー! んむっ、びゅぅぅぅっ!!」

長時間の快楽漬けで噛み付く力も失った口を男根で征服され、淫らなフックによる絶頂地獄がもたらされる前から異物を拒む手段を忘れさせられていた尻穴を男根で蹂躙され、凌辱の順番を待っている男達の手で無防備な乳首と男根を弄り倒され上乗せの快感に翻弄されながら、性欲の捌け口という立場に据えられた男は物扱いされる悔しさはおろか男達が戻ってくる前に膨らませていた暴力的な快楽に対する恐怖すらも溶かし尽くされつつ、自らの意思で上下の口を前後する男根へと吸い付かせる淫乱へと、敵達を視覚と聴覚と触覚で愉しませる従順な肉便器へと今日も陥落し、人間としての自覚と理性を昨日以上に消失させられていくのだった。
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