狼と青年はあらゆる壁を越え幸せな夫婦となる

五月雨時雨

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狼と青年はあらゆる壁を越え幸せな夫婦となる

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多額の給金に惹かれ、三食付き住み込みという条件に魅力を感じた多数の応募者の中からたった一人だけの採用となった青年は今日も、慣れない家事に悪戦苦闘しながら使用人としての仕事をこなしている。
料理が得意じゃなくても良い。掃除が上手くなくても良い。狼獣人の中でも特に嗅覚が過敏な体質を持つ自分に匂いでのストレスを与えないというだけで君は得がたい存在だ。そう告げながら応募に深い感謝を伝えた雇い主である初老の狼獣人の役に立ちたいという願いを抱きながら、青年は日々家事の勉強を行いつつ狼の世話に勤しんでいた。
この屋敷に来た当初は上手く淹れられなかった狼好みのハーブティーも、学んだ今ならそれなりの味に仕上げられる。狼の夜の楽しみであるお茶の一時を、しっかりと手伝える。その喜びを募らせながら、青年はいつもと同じ夜十時にハーブティーを用意して狼の私室に訪れた。

「旦那様、夜のお茶をお持ち致しました」

小さくノックを行い、青年は扉ごしに室内に向かって言葉を掛ける。だが、返事は無い。普段なら言葉を掛けずとも足音とハーブティーの香りで自分に気付き、笑顔を浮かべながらノックの直後に出迎えてくれるというのに、狼からの反応は全く無い。
もしかして寝ているのだろうか。そう思いながら再度声を発そうとした青年の耳に、部屋の中から狼の声が聞こえてきた。
それは、明らかにいつもとは違う、苦しげに歪んだ声だった。

「う、あぁ……く、はぁ……○○君っ……!」

異変を察知した青年は、血相を変えて扉を勢いよく開いた。雇い主以上の親しみと敬愛を向けている狼が自分に助けを求めながら苦しんでいる。そう認識して、青年は狼の部屋へと踏み込んだ。

「旦那様っ! 大丈夫ですか!?」

しかし、青年の目に映ったのは想像とは異なる光景だった。
狼の呻きの原因は、他ならぬ狼自身で。一人掛けのソファーに深く座った狼は逞しく膨張した自身の男根を手で扱き、お茶の時間という日課も忘れて性欲を発散するための自慰に耽っていたのだ。

「え? な、○○君……!?」
「っ……!? す、すみません! 旦那様が体調を崩されたのかと勘違いを……!」

突然の青年の到来に驚愕し、男根を刺激していた右手と表情を強ばらせる狼。自身の勘違いから生まれた無礼を恥じ入り、狼と狼の男根から目を背けることも忘れて謝罪を口にする青年。そんな事態の最中に有りながらも、絶頂直前だった狼の男根は予約された射精へと抗えずに上り詰めてしまう。狼狽しながら狼が心で制止を叫んでも、湧き上がる淫らな流れは塞き止められない。

「う、あぁ……っ、はぁ、くあぁぁっ……!」

自身の男根を見つめ、打ちひしがれた表情を浮かべながら、狼の男根が数回に分けて白く濁った体液を放出する。人間のそれとは比べ物にならない量の白濁が男根から噴き出され、狼自身の右手と腹部を濡らしていく。
けれど、狼の男根は萎まない。大量の吐精を経たというのに、狼の男根は萎えるどころか体積を逆に増していく。
その様子を呆然と見つめている青年に、大きな恥を晒し全てを諦めた狼は乱れた呼吸を整えつつ、哀しげに一方的な別れを口にした。

「すま、ない……一年分の給料を渡すから、この屋敷を去ってくれ、○○君。最近の私はおかしいんだ……君の匂いを嗅ぐと、もう十数年も無かった発情が刺激されて抑えられなくなる。身体が君を欲しがって、男同士で種族も違うというのに、年甲斐も無く君との性交を望んでしまうんだ。このままだと……いつか君を不幸にしてしまう。だから、頼む……ここを去ってくれ、○○君……」

自虐に満ちた狼の言葉。心から慕う狼が、自分を想って別れを求める言葉。それに対し、青年は使用人の立場を捨てて反抗を示した。狼の本心を知り、逞しい男根を目にしたことで自らの奥底に眠っていた本心に気付いた青年は主である狼の要求を無言で聞き流すと緩い拒絶を示す狼へと歩み寄り、近くの丸テーブルにハーブティーのセットを置きながら狼の前に座り込み、狼狽える狼を無視しつつ悦楽をねだって震えている狼の男根に自身の手を伸ばし、唇を寄せた。

「うぁっ!? ○○、君……何を……っ!?」

青年は問い掛けに応えない。応える代わりに狼の男根を左右の手で挟んで擦り、人間の物と形の違う男根を恐る恐る丁寧に舐めしゃぶる。すでに発情しきり、絶頂の直後で感度の高まりきっていた狼は青年の奉仕によってあっという間にまた絶頂へと追い詰められ、二回目とは思えないくらいに濃く量の多い精液を青年の口内へと撒き散らした。

「うぁ、あぁっ! 出る、出てしまう……○○、君、やめっ……うぁぁぁぁっ!」
「んぐっ!? ぶ、ぐふっ、んぐ、むぐっ……!」

口に広がる強烈な雄の匂いに目を剥きつつも、青年は口を離さない。むしろ青年は一生懸命に男根へと吸い付き、精液を飲み干していく。
生まれて初めての男根への奉仕に耽り、多くを自身の衣服と床に零しながらも可能な限り精液を胃袋へと納めた青年は呆けた顔で自分を眺めている狼の視線を浴びつつ男根から口を遠ざけると、淫猥に濡れた唇で自分を拒もうとした狼の意思に拒絶を返した。

「絶対にここから出て行きませんからね、旦那様。どんなにお金を積まれても、旦那様が俺を傷付けたくないって気遣ってくれてても……俺は、絶対に、大好きな旦那様のお側から離れませんからね」

切羽詰まった声音で身体が自分を欲しがっていると口にした狼に対し、嫌じゃない、嬉しい、その意味で旦那様に欲しがられたいという本心に気付かされた。どんな大金を得ても、それは愛しい旦那様を失う哀しみと寂しさを埋められる物ではないという事実に恐怖を募らされた。そんな青年は、これまで一度も見せなかった反抗の態度を狼に取りつつ、一緒にいたいと、愛していると想いをぶつけた。狼の男根を舐め精液を飲んだことで興奮した自身の男根を上体を反らせて腰を突き出しジーンズごしに見せ付けながら、青年は自らの身体も狼を欲しがっている事実を知らせた。
ここまでして青年の思考が読み取れないほど、狼は愚かではない。それでも狼は同性であること、種族の壁があること、年齢の差があることを気にして目の前の状況を信じ切れず、不安げな声で青年に尋ねた。

「本当に……良いのかい? 私で……良いのかい?」
「旦那様が、良いんです。旦那様無しの日々なんて、もう考えられないんですっ。どうかこれからも、俺と一緒にいてください。俺を、旦那様の……お嫁さんにしてくださいっ」

恥じらいながら行われた熱烈な告白は狼の迷いを跡形も無く砕くには十分すぎる物で。狼は幸福色の笑みを見せながらゆっくりとソファーから立ち上がると、独占出来るなどと夢にも思っていなかった愛しい青年を衣服の汚れも気にせずに優しく抱き締めながら口付けを仕掛け、青年は重ねられた唇の優しさと口内をくすぐってくる狼の分厚く長い舌が作り出す心地良さに打ち震えながら自らも狼に抱き付いて無意識に腰を振り、先程よりもまた体液を増した狼の男根に自身の男根を無我夢中で擦り付け、大好きな旦那様である狼を穏やかに微笑ませていた。
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