抑えきれぬ興奮に屈し男は情けない勃起を披露する

五月雨時雨

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抑えきれぬ興奮に屈し男は情けない勃起を披露する

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怒りを乗せた唸り声を口を塞ぐ黒いギャグボール越しに発しながら拘束と格闘する。そんな気力は、悪趣味な責め苦がもたらした憔悴によって跡形も無く削ぎ落とされてしまった。
視界を閉ざす黒革の目隠しの下で悔しげに眉根を寄せながら、自由を奪われた裸体をひたすらに暴れさせる。必死に積み重ねた無駄な試行錯誤の果てに、男は身悶えることすら叶わない程の疲弊と、これだけ努力しても逃げられないという絶望を自らの動きで手繰り寄せてしまった。

「ふうぅ……んぐうぅ……っ!」

左右の足首とすね、そして太もも同士を縄にきつく括られているつま先立ちを強いられた足を痙攣させながら、男は床に作られた汗の水溜まりをじょじょに広げていく。
二の腕と胴体を繋ぎ、背面で交差させた手首をその位置に緩み無く固定させ、腕を縛める縄と天井のフックを繋ぐ縄によって高さを無理矢理に維持させられた上半身を弱々しくくねらせながら、男は縄を解こうと頑張っていた時の面影を欠片も感じさせない脱力状態を披露している。
だが、疲れ切った肉体とは裏腹に男の心は鋭い反抗を未だ強く保っている。自分を辱めた存在達を決して許さないという意思を、男は激しく滾らせている。
故に男は、数時間ぶりに部屋へと戻ってきた敵達を扉を開ける音と気配で認識した途端、塞がれた口で喉が破れんばかりの叫びを放ち始めた。

「っ! むぎゅぅぅぅっ!! あぉぉ! うぶぁぁぁっ!!」

今すぐ解放しろ。当然の要求を込めたなりふり構わぬ絶叫。早くこの縄を解け。乱れた呼吸を交えつつ行われる怒気を多く含んだ絶叫。
だがもちろん、その声に男が望んだ効果は一切無い。言葉になっていない怒声を浴びた憎き敵達は涼しい顔で立場を考えない強気な態度を嘲笑いながら、汗に濡れた丸出しの男根を揺らめかせつつもがく裸体を、ギャグボールの穴から唾液を噴き出させつつ無意味に喚いている惨めな男との距離を悠然と詰めていく。

「はあおぉ! うぁおぉぉっ!!」

無言で近付く気配達に更なる悪意を察し拒絶を示してもやはり無駄で。縄と汗に塗れつま先立ちを維持させられている何処にも移動出来ぬ裸体に接近した敵達は、諦め悪く離れようと身をよじる男を背後と両脇の三方向から抑え込みつつ、男により濃い絶望を味わわせる器具を与えてしまった。
それは、周囲の音を遮断する機構を備えた両耳を覆う器具。頭部から外れないよう自身を固定する仕掛けを搭載された、ヘッドホンを改造した器具。離れた場所で捕らわれている仲間が発する淫らに歪んだ絶叫が生中継されている、残忍な事実を嫌でも思い知らせてくる器具だ。

『んもぉぉぉんっ! んぶっ、んみゅぅぅ! ふむぁぁぁぁっ!!』
「も、あぁ……!?」

声だけだが、はっきりと分かる。これはあいつだ。
声しか聞こえていないが理解出来てしまう。この声は、あいつが快楽に翻弄させられている時の声だ。
仲間であり、相棒でもあり、秘密の恋人でもある。そんな存在が自分以外の手で淫らに追い詰められよがり狂わされている悲鳴を聞き続けるしか無い状況へと追いやられた男は目隠しの向こうにまだいるはずの敵達に怒りの意思表示を継続させることも忘れて放心し、最愛の存在がくぐもった声で紡ぐ甘い喘ぎが誘発させた興奮に耐えきれず敵達の前で自身の男根をじょじょに、理性の制止を振り切りながら情けなく勃起させていくのだった。
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