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14話
触るな⚠ 危険!!
しおりを挟むしばらくは友達んちで遅れた分の?勉強、教えてもらうからの体で泊まるってことで、母さんには連絡を入れた。
(ごめん、母さん・・・嘘言って・・・)
それもこれも、全部、咲弥の言い付けだ。納得いかねぇけど、そうするしかないし。
いつもの部活上がりの格好で、ま、時間あるし、咲弥のマンションまでは行き道も知らないわけじゃなかったから、電車乗って、そっから歩いて行こ。気分転換に。
夕立上がり、アスファルトからの熱が噎せ返ってくる。少しは雨で暑さも和らいで、歩くのも苦にはならない。学校出て、いつものように携帯弄りながら近くの駅まで歩いた。
(・・・やべ、ギガ使い過ぎだ・・・)
あいにく、ギガ無制限の契約じゃなかったし、母さんの契約で家族割で入ってるから、上限超えると料金加算されて、バイト代から引く!って約束。母さんの収入で家のことやりくりしてもらってるから、苦労掛けちゃ悪ィしな。大事なバイト代も無駄にはできないし・・・。
『帰る前には連絡ください』
って言われてんだけど、たまにはいっか。四六時中、監視されてるようなもんだからさ。
こっから三つ目の駅までの切符を買って、電車を待ってた。
時刻は十八時を回って、少しずつ帰宅する人たちも増えていた。
夕方の街並み――
割りと中は空いてて、出入り口付近の座席に荷物を置いて座った。また、直ぐに携帯を弄り始める。
もう半分、依存症。こればかりは勘弁してぇ!ゲームや色んなアプリ始めると、面白くて没頭してしまう。それに情報社会の今の世の中、刺激だらけの中で自分が求めているもの、自分を見つけられる気持ちになる。ギガを気にしながらも携帯ゲームに熱中する。
そんなこんなで、危なく目的の駅を通り過ぎそうになって、慌ててバックバッグ持って電車から降りた。改札口を出ると、バスターミナルになっていて、出発のバスを待つ人の列ができている。
確か・・・バスで乗り継いで、歩きで十五分くらいのとこらへんだったような。咲弥のマンションがある町は、何度か部活の練習試合なんかで行き来してる町だったから、気分的にはわりと楽かな。
後部座席の窓側に座って流れてく外の景色をぼんやりと眺めてた。
頭の中ではあの時のことが浮かんできて、躰の中から熱くなる。
初めての感覚と羞恥心で俺の平常心、ズタズタ・・・。
(・・・くそぉ・・・ファーストキスに初めてのDをだぜ・・・っ、しかも同性の奴に!)
俺の理想の恋愛なんて、あったもんじゃねぇ。咲弥・・・絶対!許さんっ!
アナウンスが流れて、俺はバスを降りた。
行きかう人たちのにぎやかな声が俺には遠くにしか聞こえなかった。
グー〇ルマップで目的地を確認してから俺はゆっくり歩き始める――
たまには・・・散歩みたいな感じでいいかもな。いつも、あくせくした毎日で、自分に余裕がない。
夏の夜風を全身で感じながら、ちょっと俺は楽しかった。
マンションの周囲には洒落た庭木が均等に植えてあって、それがライトアップされてる。外観からも高級そうな雰囲気が漂ってた。マンションの敷地に入って行くと駐車場があって、数台、車が止まってる。見渡す感じ、咲弥の車はないような・・・
「まだ、仕事中・・・かな?」
留守中に勝手に入るのも気が引ける。
ま、俺が勝手に連絡もしないで来たのも悪かったし。部屋の前でとりあえず待つことにしよう。って、マンション玄関の自動ドアを入った。右手にはエレベーターが設置されていて、咲弥の部屋の階まで上がる。
五階――ボタンを押してエレベーターに乗り込んだ。
スムーズにドアが開いて下りようとした時、
「・・・あっ・・・と・・・すみません」
丁度、この階から乗り込もうとした人とぶつかりそうになってしまった。
相手も人が下りてくるとは思ってなかったんだろうな、不意を突かれた声で、
「・・・あ・・・ごめんなさい・・・・」
―――ん・・・?
―――あれ・・・この匂い・・・
すれ違いざまで、俺は何となく覚えのあるような匂いに気づいた。
エレベーターの方を振り返ると、閉まりかけたドアから見えた。
俺よりちょっと年上くらい?さらっとした茶色の少し長めの髪に、目鼻立ちのはっきりとした男だった。
眼が合った。
少し、笑ってた――?
仕事中だったら悪いな。けど、連絡だけは入れとこう・・・で、咲弥の部屋の前でその壁に凭れながらコールする。
直ぐだった。
「あ・・・っと・・・俺、だけど・・・・」
『保さん?・・・今、どこですか?』
って、俺の方が聞きたい。
「え・・・今、お前の部屋の前・・・」
なんか、俺の方が気まずくなった。ちょっと声を詰まらせる。
『連絡入れて・・・って言ってましたよね?』
あ・・・少し機嫌悪い?声のトーンで分かる。
そうだよな・・・人には都合ってもんがある。連絡も入れないで勝手に来てしまった俺が悪い。そこはちゃんと謝る。
「・・・悪い。なんか、あれだったら・・・俺、帰るから・・・・・」
『・・・今、部屋に居ますから、入って下さい』
なんか、なんか、調子狂う。
でも、元々は・・・“私のマンションに泊って下さい”って言ったの、お前の方だからな。お前の指示に従ってやってんの!
俺も、逆に腑に落ちない感じで中へ入った。
ドアが重々しい音でゆっくりと閉まる。
慣れたわけじゃないけど、咲弥の姿を探してリビングに足を進めた。
「・・・・・・・」
そこには・・・上半身、裸で。
部屋の電気も付いてないから、薄暗い部屋の中、多分、ベージュ系の色だと思う。イージーパンツ姿の咲弥がソファに座ってた。
いつもと様子が違うのは何となく分かったけど。
何かありました――?
俺、変に気ィ使ってしまった。
「・・・駐車場に車なかったから・・・居ないかと思った・・・急に、来ちゃって悪ィ・・・」
「車は――、いつも地下の駐車場に停めてます」
「・・・あ・・・そぉ。なんか、都合悪かったら・・・俺、帰るわ」
気まずい雰囲気ぃ。
「おじゃましましたぁ――」って、後ずさり気味でそぉぉっと出てくつもりだった。
「何か――・・・・だったんじゃないですか?」
ソファに背凭れながら目線だけこっちに向けて低い声が届く。
その声に、一瞬、ビクッてなりながら、
「あ・・・いや・・・そのぉ・・・パソコン・・・貸してもらえるか・・・なぁって」
あ・・・笑った?
俺のしどろもどろになってんのが面白いかっ?ほんと、ムカつく奴だっ!
「・・・パソコン・・・何、するんですか?」
聞かれて、またしどろもどろの俺。
「あ・・・ちょっ、ちょっと調べたいことがあって・・・俺、パソコン持ってねぇし・・・携帯は・・・ギガ使い過ぎてオーバー状態で・・・自業自得なんだけどさ・・・・」
そんな俺を見ながら、また――笑いやがった。
「パソコンは、書斎にあります・・・・」
案内するように言いながらゆっくりと立ち上がった。
リビングを出て左手奥へ進んで行く。
高級マンション、一人暮らしには広すぎるだろぉ的な間取りに、ため息が出る。
解かれた長い髪の隙間から、以外にも?筋肉質なその背中が見え隠れしてる。よくよく目を凝らして見れば、この前の事故の疵痕が見えた。
部屋が二つ並んだ左側のドアを開けて、
「ここが書斎です。パソコン、使いたいときはいつでも使って下さい」
中へ入って部屋の照明スイッチを点ける。
「・・・・どうぞ――」
部屋へ入るよう促されて、俺らしくもない、恐縮しながら入ってく。
「あ・・・すみません、本、出しっぱなしですね」
って、PCが置かれてる机の上に医療関係の本かな?開かれたままになっているのを片付けてる。
「・・・悪ぃな。仕事の邪魔しちゃって・・・・」
遠慮しながらも机の前のデスクチェアにとりあえず荷物を置いた。
「大丈夫です。気にせず、使って下さい」
振り返って笑う咲弥の肩から流れる髪の一筋が、キラって光ったように・・・・?
あれ―――・・・?
茶色の髪――?
思わず手を伸ばしてしまった。
「私に、触らないで下さい・・・・」
俺の手を避けるように、咲弥は軽く躰を逸らしたんだ。
え――――・・・・・
それから、
「部屋は自由に使って下さい」
ふ・・・っと、俺の横を過ぎて部屋を出て行った。
この匂い――・・・?
さっき・・・・?
その言い方に腹立った。
「触らないで・・・・」だと?
あんなことしときながら、今度は触るな!ってか!
そっとドアを閉めて、それに軽く凭れていた。
(すみません・・・保さん・・・ひどい言い方だ・・・・)
要の体液が躰を廻っている間は、たとえ微かでも触れることはできない。
こんなにも近くに居るのに。
今すぐにでも貴方を抱き締めたいのに・・・・
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