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25】何かが分かった
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25】何かが分かった
「止めろ、その瞳で私を見るな」
何もない質素な部屋で、魔王様が少し気弱に見えた。
俺を見下ろす冷たい瞳に、戸惑いと冷徹になり切れない何かを感じる。その何かに反応するように、俺の中にある何かの存在が大きくなって、魔王様が俺から顔を背ける。まるで逃げるかのように部屋の奥へ行こうとする細い手首を掴んで、「ハデス」と名前を呼んだ時。雷に打たれたような衝撃。時針、分針、秒針がピタリと合致するかのように全てを思い出した。
(────────!?)
頭の中に浮かんだ。知らなかった光景が、俺の物だというように何かかが重なっていく。目を見開く俺に気付かない魔王様が、俺の手を変わらず振り払おうとしているのを制止しようと名前を呼んだ。
「ハデス」
「また……! その名前で呼ぶな。貴様に呼ばれるための名前ではない!」
その言葉の意味が、今なら分かる。更には嬉しくなる俺がいるわけで。
俺って本当にお調子者だと思うが、今くらいはちょっと良い気分に浸らせて欲しい。それから、魔王様に対しても無礼講ということで。
「そんなこと言うなよ。お前の名前は、俺に呼ばれるためにあるんだから」
ちょっと俺、凄く雄っぽいことを言ってないか? インキュバスとしての才能爆発してないか? 対して魔王様は、弱気の様子が薄れ。口調は穏やかだが、白い肌のこめかみに、ビキビキと怒りで血管が浮かんでしまいそう。
「不敬極まりないな。淫魔、今度は羽を無くして飛べなくしてやろうか?」
「ハデス。怒るなって、俺だ」
「淫魔のことなど知らぬと言っているだろう」
「ハデス。嘘じゃない、俺だ。ナイトだ」
「貴様の名前など知らぬ! 私が知っているナイトは一人だけ。貴様ではな……んぅ゛……っ!」
一向に怒りが収まる様子がないので、これまた無礼講だと爪先立って魔王様の唇に口づけた。柔らかな唇に自身の唇を押し当てて、閉じた唇を開けようと舌を押し込む。意志の強い魔王様の唇は強情で、スルリと掴んでいた手首を離し手首の腕あたり。裾口から手を忍び込ませ素肌を撫でれば、「ふぅっ……」と鼻を抜けるような甘い声が漏れる。今がチャンスと魔王様の口内へ舌を押し込み。真っすぐに伸ばした舌先で刺激に慣れていない上顎裏を撫でれば、また鼻を抜けるような声がした。
********
もうすぐ終わらせる予定ですが、R的な部分を少し入れるか迷いどころです
「止めろ、その瞳で私を見るな」
何もない質素な部屋で、魔王様が少し気弱に見えた。
俺を見下ろす冷たい瞳に、戸惑いと冷徹になり切れない何かを感じる。その何かに反応するように、俺の中にある何かの存在が大きくなって、魔王様が俺から顔を背ける。まるで逃げるかのように部屋の奥へ行こうとする細い手首を掴んで、「ハデス」と名前を呼んだ時。雷に打たれたような衝撃。時針、分針、秒針がピタリと合致するかのように全てを思い出した。
(────────!?)
頭の中に浮かんだ。知らなかった光景が、俺の物だというように何かかが重なっていく。目を見開く俺に気付かない魔王様が、俺の手を変わらず振り払おうとしているのを制止しようと名前を呼んだ。
「ハデス」
「また……! その名前で呼ぶな。貴様に呼ばれるための名前ではない!」
その言葉の意味が、今なら分かる。更には嬉しくなる俺がいるわけで。
俺って本当にお調子者だと思うが、今くらいはちょっと良い気分に浸らせて欲しい。それから、魔王様に対しても無礼講ということで。
「そんなこと言うなよ。お前の名前は、俺に呼ばれるためにあるんだから」
ちょっと俺、凄く雄っぽいことを言ってないか? インキュバスとしての才能爆発してないか? 対して魔王様は、弱気の様子が薄れ。口調は穏やかだが、白い肌のこめかみに、ビキビキと怒りで血管が浮かんでしまいそう。
「不敬極まりないな。淫魔、今度は羽を無くして飛べなくしてやろうか?」
「ハデス。怒るなって、俺だ」
「淫魔のことなど知らぬと言っているだろう」
「ハデス。嘘じゃない、俺だ。ナイトだ」
「貴様の名前など知らぬ! 私が知っているナイトは一人だけ。貴様ではな……んぅ゛……っ!」
一向に怒りが収まる様子がないので、これまた無礼講だと爪先立って魔王様の唇に口づけた。柔らかな唇に自身の唇を押し当てて、閉じた唇を開けようと舌を押し込む。意志の強い魔王様の唇は強情で、スルリと掴んでいた手首を離し手首の腕あたり。裾口から手を忍び込ませ素肌を撫でれば、「ふぅっ……」と鼻を抜けるような甘い声が漏れる。今がチャンスと魔王様の口内へ舌を押し込み。真っすぐに伸ばした舌先で刺激に慣れていない上顎裏を撫でれば、また鼻を抜けるような声がした。
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もうすぐ終わらせる予定ですが、R的な部分を少し入れるか迷いどころです
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