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12】クリスマス会で③
12】クリスマス会で③
まぁ、何だ。色々あったが、ひとまず圭介の酔いも醒めたようで良かった。洗面台に向かうのを途中でやめて、二人で並んでシンクで歯磨きをする。
(小学生の時も、こんな感じだったな)
シャコシャコと一定のリズムで歯を磨いていれば、先に口をすすいだ圭介が言った。
「小学生の頃も、こんなんだったよな。俺の隣は、いつも葵」
同じことを考えていたのか。確かに、俺の隣は圭介が多かった。だがそれには、理由がある。記憶を思い出しながら、俺も口をすすぐ。スッキリした口内で、小学生の圭介を思い出しながら言った。
「俺がいない方の圭介の隣は、だれが圭介の隣になるかで女子が良くケンカしてたけどな。ていうか、俺の隣にたまに別のクラスの奴がいたら、変わって! って言ってたのは誰だよ」
「あ~……俺」
偶然隣が多かったわけではなく、俺の隣を圭介が常にキープしていた。
「だろ」
へへっ、と笑った圭介の顔が、不覚にも可愛いと思えてしまった。(これだから、アイドル顔は)気が緩めば、また眠気が顔を出して欠伸を一つ。
「ふぁっ……ねむ」
「そうだね、早く寝ようか。葵、壁側で寝て良いよ。俺、その隣に寝るから」
「いい加減、俺を床で寝かせても良いんだぞ?」
泊る時は、大体こう。圭介のベッドで、男二人で寝る。何度か適当に床で寝ると言ったが、圭介が引かなかった。
「そんなことしたら、俺うっかり朝に葵の事踏んじゃうと思うよ? 朝一、腹とか踏まれたら絶対痛いよ?」
「何で踏むこと前提何だよ」
「寝ぼけて踏んじゃうと思うなぁ……」
「絶対?」
「絶対」
「「……」」
二人で沈黙。こんな脅し文句を言われてしまうのだ。俺だって、腹痛で目覚めるのはごめんだから、圭介の隣で泊まる時は寝ている。そして今日も。
「さー、葵もベッドに寝て。これ、クッション」
「サンキュ」
「葵、おやすみ」
「おやすみ」
片づけと歯磨きを終え。俺は大人しく圭介の隣で眠ろうとしたのだが……。
「……圭介。本当に彼女いたことないのか?」
「どうしたの、葵? 葵が一番俺の事知ってるんじゃない?」
「お前は結構隠し事してることあるから、分からん」
「たは~。俺、信用ないな? 彼女はいたことないのは本当だから。俺も葵と同じ童貞ってやつ。このまま二人で一緒に魔法使いになるかもね」
「笑えないぞ」
「まぁまぁ」
「悪い、変な事聞いたな。今度こそ寝る。おやすみ」
「いいよ。おやすみ」
(彼女いないのに、圭介の奴やっぱりキス上手過ぎじゃないか??)
そんな下世話なことを思いながら、俺は壁の側の方を向いて。今度こそ眠るのだった。
******
まぁ、何だ。色々あったが、ひとまず圭介の酔いも醒めたようで良かった。洗面台に向かうのを途中でやめて、二人で並んでシンクで歯磨きをする。
(小学生の時も、こんな感じだったな)
シャコシャコと一定のリズムで歯を磨いていれば、先に口をすすいだ圭介が言った。
「小学生の頃も、こんなんだったよな。俺の隣は、いつも葵」
同じことを考えていたのか。確かに、俺の隣は圭介が多かった。だがそれには、理由がある。記憶を思い出しながら、俺も口をすすぐ。スッキリした口内で、小学生の圭介を思い出しながら言った。
「俺がいない方の圭介の隣は、だれが圭介の隣になるかで女子が良くケンカしてたけどな。ていうか、俺の隣にたまに別のクラスの奴がいたら、変わって! って言ってたのは誰だよ」
「あ~……俺」
偶然隣が多かったわけではなく、俺の隣を圭介が常にキープしていた。
「だろ」
へへっ、と笑った圭介の顔が、不覚にも可愛いと思えてしまった。(これだから、アイドル顔は)気が緩めば、また眠気が顔を出して欠伸を一つ。
「ふぁっ……ねむ」
「そうだね、早く寝ようか。葵、壁側で寝て良いよ。俺、その隣に寝るから」
「いい加減、俺を床で寝かせても良いんだぞ?」
泊る時は、大体こう。圭介のベッドで、男二人で寝る。何度か適当に床で寝ると言ったが、圭介が引かなかった。
「そんなことしたら、俺うっかり朝に葵の事踏んじゃうと思うよ? 朝一、腹とか踏まれたら絶対痛いよ?」
「何で踏むこと前提何だよ」
「寝ぼけて踏んじゃうと思うなぁ……」
「絶対?」
「絶対」
「「……」」
二人で沈黙。こんな脅し文句を言われてしまうのだ。俺だって、腹痛で目覚めるのはごめんだから、圭介の隣で泊まる時は寝ている。そして今日も。
「さー、葵もベッドに寝て。これ、クッション」
「サンキュ」
「葵、おやすみ」
「おやすみ」
片づけと歯磨きを終え。俺は大人しく圭介の隣で眠ろうとしたのだが……。
「……圭介。本当に彼女いたことないのか?」
「どうしたの、葵? 葵が一番俺の事知ってるんじゃない?」
「お前は結構隠し事してることあるから、分からん」
「たは~。俺、信用ないな? 彼女はいたことないのは本当だから。俺も葵と同じ童貞ってやつ。このまま二人で一緒に魔法使いになるかもね」
「笑えないぞ」
「まぁまぁ」
「悪い、変な事聞いたな。今度こそ寝る。おやすみ」
「いいよ。おやすみ」
(彼女いないのに、圭介の奴やっぱりキス上手過ぎじゃないか??)
そんな下世話なことを思いながら、俺は壁の側の方を向いて。今度こそ眠るのだった。
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