上 下
28 / 53

■一緒の部屋で眠る夜

しおりを挟む
■一緒の部屋で眠る夜

 無事に紙も切り終り、早めに街を後にして。何とかソラとも合流し帰って来たソラの家。今では、俺たちの家と言っても良いのでは? と思うが、一応そこは住まわせて貰っている身なので、控えておく。
お互いに今日一日、不安を抱えて過ごしていたと分かって安心したり。お互いに、もう一人にはなりたくないと気持ちを吐露し。疲れた身体に襲ってくる睡魔にウトウトしながら、ポツリと出た言葉。

「……今日、何だかソラと一緒に寝たい」

その言葉に、ソラが今までで一番面白い驚き方をしつつも、俺の願望は叶い。一緒に寝ようとソラが準備を始めてくれた。

「駄目じゃないよ。嬉しい。なら、僕が寝てるベッドの側に、高見のベッドを置いて寝る?」

「そうする!」

ちょっとした引っ越し気分で、俺はソラがベッドを持って行くのを見つめた。
それはすぐに終わり、ソラがどこか緊張した様子でソワッと眼を泳がせて言った。
「僕、もう寝ようと思うんだけど」

「あ、ああ! そうだな。今日はソラも疲れてるし早く寝ようぜ」

ソラの声も、俺の声もどこか上擦ったような声で、何か演技でもしているのかと思うくらい大袈裟だった。

「高見。乗って」

「うん」

部屋の移動もあり、ソラの手の平に乗る。さっきまで眠たかったのに、緊張で眠気が遠くに行ってしまったかのように、俺の頭はスッキリしていた。逆に寝れるのか? と思うくらい、冴えている部分すらある。

(そういえば、ソラの寝室に入るのも、側で寝るの初めてだな)

今までは、「おやすみ」と言って互いに別々の部屋へ。俺は小さな家のフカフカのベッドで眠り、ソラは奥にある部屋へという生活だった。人の寝室に入るっていうのは……そのっ……俺とソラは、そういう関係じゃないがやっぱりその……な? と、また誰に向かっての心の中で話しかける。

(う、うわぁぁああ)

ドキドキドキ。

妙な緊張感のまま、ソラがドアをギィッと開けば、俺と大して変わらず。ただ巨人用の大きなベッドがそこにはあった。

「高見のベッドは、ココに置いたから」

「おう、有難う」

ベッドの上に、俺からしたら山のように見える枕が一つ。そのベッドサイドにミニチュアのように置かれている俺のベッド。ソラが近くに下してくれて、いつも通り寝るだけ。

「じゃあ、おやすみ。ソラ」

「うん、高見もおやすみ」

ニコリと微笑んだソラに、また胸がドキンと鳴りながら毛布を捲り。静かにベッドに入り込んだ俺。ベッドに入り込めば、俺の気持ちとは反対に疲れた身体は、だんだんとベッドの中で休もうと瞼が重くなってゆき────。



(って!!!!! 寝れるか!!!!!!)


今度は身体とは反対に、冴えた頭は寝れないと訴えていた。


*********ここまで投稿した20230409
このシリーズで、Rのような需要はありますかね……?
次温いないようをするか、1つぬるい内容を入れるか迷い中です>< 

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

【R18】素直になれない白雪姫には、特別甘い毒りんごを。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:674pt お気に入り:63

最初に私を蔑ろにしたのは殿下の方でしょう?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:6,830pt お気に入り:1,959

【完結】王弟殿下と赤痣の闘士

BL / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:133

BLSS、その他まとめ

BL / 連載中 24h.ポイント:28pt お気に入り:8

冷たい婚約者に不貞を疑いをかけられ確かめられる話

恋愛 / 完結 24h.ポイント:127pt お気に入り:33

貧乏子爵令息のオメガは王弟殿下に溺愛されているようです

BL / 連載中 24h.ポイント:7,462pt お気に入り:3,307

[ R-18 ]息子に女の悦びを教え込まれた母の日常

大衆娯楽 / 連載中 24h.ポイント:2,847pt お気に入り:76

処理中です...