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■一緒の部屋で眠った次の朝

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■一緒の部屋で眠った次の朝

 「んっ……んん……」

ウトウトとしている頭の中で、意識が浮上を始めている。ただ、何となく瞼に感じる光が眩しい。

「んんっ……?」

(あれ? いつもはこんな感じだったけ?)

ん~……と、まだ寝ていたい身体が光から逃れるように毛布の中へ。モゾモゾと動く俺の頭上でクスクスと笑い声がして、頭が冴えてきた。

「高見は、毎朝こういう感じなんだね」

俺を高見というこの声は、俺の好きな巨人の声。

「ソラ!」

そうだった! 昨日はソラの寝室で一緒に寝たんだったと、浅く潜った頭をバッ! と上げる。クスクスと笑うソラにつられて笑いそうになる俺。

「おはよう、ソラ」

「おはよう、高見」

「俺の事を笑ってるけど、ソラ。お前、寝ぐせが付いてるぞ」

「寝ぐせ?」

「ココだよ、ココ」

ん? と首を傾げたソラにジェスチャー。片方の髪が、クリンと跳ねて波打ったようになっている。


「俺のことを、こういう風なんだっていうけどさ。ソラもこういう風なんだな。いつも俺と顔を合わせる時は、寝ぐせも無かったから気づかなかったぜ」

「それは……! 今日たまたま寝ぐせが……」

「たまたま?」

「…………寝癖がついてたら、整えてから高見のところに行ってたよ」

「素直でよろしい」

少しだけ間を置いたあとに、二人で顔を合わせて笑った。
その時だ。ソラがスンッ、と鼻を鳴らした。

「ん?」

「どうしたんだ、ソラ」

スンッ、スンッ。

何かを訝しがるように、首を傾げながら。何だろう? という表情でキョロキョロを左右を見渡す。俺の問いに、ソラが答えを見つけられないまま言った。

「ん~。何だか、ちょっといつもと違う匂いがする? いつも臭わないような匂いがするっていうか……よく分からない匂いがするんだ」

「なっ……!」

その一言に、ボッ! と自分の顔が熱くなるのが分かった。一気に思い出すのは、昨日のこと。一人でわざわざベッドを抜け出してソラに口づけし。更にはベッドの中で自慰をした。

「そ、そうかぁ~~?」

あからさまに何か知っているような声が出てしまったが、知らないと素振りへと変わる。その間もソラがスンスンと鼻を鳴らしている光景を見るのは、心臓に悪かった。

(ああ゛~~! や、止めてくれ~! 気づかないでくれ~~!!)

俺とソラの身体の違いは一目瞭然なのに、それでも匂いが分かるとは。変な感心をしながら、俺はソラが匂いから興味を無くすのを待った。

「俺には何にも匂わないけどな? それよりソラ。寝ぐせを直して来たらどうだ?」

「高見は?」

「俺は……もう少し寝る!」

そう言ってもう一度ベッドに潜り込み。自身の下半身は乾いているかを確認したのだった。


「気のせいかなぁ……?」

スン、とまた外から聞こえる音に早く羞恥が身体を襲った。

*******
ネタ切れなので、次回更新未定かもです><
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