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47】ふと鏡を見て気づいてしまった
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47】ふと鏡を見て気づいてしまった
私の名前はアラン。この国の騎士団長を務めている。自身の職務に対しては、勿論責任を持って職務を全うしている。王に忠誠を誓い、国民のためにこの身を捧げ騎士団長として過ごしているが、最近自身の身体に変化を感じ始めていた。
今日は天気も良く、書類業務は早々に切り上げた。朝から文官殿たちの場所でレオ殿に会うことなく、失礼ながらホッとしつつ。訓練場に顔を出し、定期的に防具を付けての模擬試合をしていた時だった。
「そこ! 空いているぞ!」
「うわっ……!」
ガキィィン────!
木製ではない。本物の剣を思い切り相手の腕下から振り上げ、相手の剣を手から離すように飛ばした。金属の響く音に周囲は耳を塞ぎながら、弧を描いで砂の上に刺さることはなく。ガチャンと飛ばした剣が落ちるのを確認。
「攻めの姿勢は良かったが、油断があった。注意をするように。次の者、前へ!」
「はい! 宜しくお願いします!」
頭を下げる団員に、疲れこそあれ。強くあって欲しいと訓練を続けようとした時だった。
ムワァッ……さわっ♡ さわっ……♡
快晴の空の下、鎧は思いの外熱が籠る。熱い鎧の下に着ている素肌の上にタラリと汗が流れ。風呂にでも入っているかのように蒸れていた。それから次が問題だった。鎧を固定するために着けている衣服が汗で素肌にくっ付き。動いたことで、貼り付いた布地がよりにもよって胸部を擦るようになってしまった。突然走った微弱な刺激に、騎士団長として出してはならない声が漏れてしまった。
「んっ……♡」
(あ……、ち、乳首が……!?)
他の者には。レオ殿以外に聞かれては不味い声に、咄嗟に口元を押さえれば、次の訓練相手の騎士団員が私の方へ駆け寄ってきた。
「アラン様、大丈夫ですか?」
(聞かれてしまったか……!?)
「急に口元を押さえになって。体調が悪いのでは? この炎天下の中、ずっと俺たちに訓練をつけてくれているんです。熱中症では?」
「ああ、失礼。何でもないんだ。ちょっと喉に誇りが入ったのか、違和感があって思わず」
「そうですか。ですが、流石に俺達一人一人の訓練を付けてくださるのは、アラン様のお体に障りますよ。休んで下さい」
大丈夫だと言いたかったが、つい先日も似たようなことあったばかり。流石に訓練場には姿を現さないだろうと思ったが、レオ殿のことだ。どうなるか分からない。
「そうだな。素直に今日は休むとしよう。私の代わりに皆で交互に模擬戦を一周したら、今日の訓練は終わりにしていてくれ」
「分かりました!」
「アラン様も、お疲れなので無理しないで下さいね!」
「今日は訓練つけてくれて、有難うございました!」
素直に私の指示に従ってくれ、慕ってくれる団員達ほど有り難いものはない。私は訓練場を後にする前にもう一度振り返り、私に向かって手を振り続ける団員たちに手を振り返して部屋へと戻って行った。
(それなのに、私ときたら……!)
ガチャンガチャンと廊下に私の鎧の音が響く。道中、文官殿たちや、他の方々に挨拶をしながら速足で自室へ。人の気配が無くなり、ギィィィッ……と私だけの城へ脚を踏み入れた瞬間急いで着ている鎧を脱ぎ去った。恐らく今までで一番早く着脱が出来ただろう。
「はぁっ、はぁっ……はぁっ……!♡」
部屋が、私の汗の臭いに包まれる。それから湯気でも見えるような気がした。変わらず汗をかいたままの素肌に衣服は貼り付いていて気持ちが悪い。鏡で見えた自身の姿は厭らしく……。
(これが、私だと……?)
熱いと顔が火照るのは仕方ないにしても、胸元だ。白い薄いシャツの上に二つ。ツン……♡とオレンジがかったピンク色がうっすらと透けながら、布を持ち上げていた。
(たった数日で、身体がこんなに……?)
いや、きっとレオ殿に弄られ過ぎて、まだ胸部が腫れているだけだ。きっとそうだ。自分にそう言い聞かせながら、この場に居ないレオ殿に悪態をついた。
「全部レオ殿のせいだ……!」
私の身体が、こんなに変わってしまうなんて。知らなかった刺激を教えたせいだ。
*********
詰んだので、シリーズ完結の方にしようか迷い中です
私の名前はアラン。この国の騎士団長を務めている。自身の職務に対しては、勿論責任を持って職務を全うしている。王に忠誠を誓い、国民のためにこの身を捧げ騎士団長として過ごしているが、最近自身の身体に変化を感じ始めていた。
今日は天気も良く、書類業務は早々に切り上げた。朝から文官殿たちの場所でレオ殿に会うことなく、失礼ながらホッとしつつ。訓練場に顔を出し、定期的に防具を付けての模擬試合をしていた時だった。
「そこ! 空いているぞ!」
「うわっ……!」
ガキィィン────!
木製ではない。本物の剣を思い切り相手の腕下から振り上げ、相手の剣を手から離すように飛ばした。金属の響く音に周囲は耳を塞ぎながら、弧を描いで砂の上に刺さることはなく。ガチャンと飛ばした剣が落ちるのを確認。
「攻めの姿勢は良かったが、油断があった。注意をするように。次の者、前へ!」
「はい! 宜しくお願いします!」
頭を下げる団員に、疲れこそあれ。強くあって欲しいと訓練を続けようとした時だった。
ムワァッ……さわっ♡ さわっ……♡
快晴の空の下、鎧は思いの外熱が籠る。熱い鎧の下に着ている素肌の上にタラリと汗が流れ。風呂にでも入っているかのように蒸れていた。それから次が問題だった。鎧を固定するために着けている衣服が汗で素肌にくっ付き。動いたことで、貼り付いた布地がよりにもよって胸部を擦るようになってしまった。突然走った微弱な刺激に、騎士団長として出してはならない声が漏れてしまった。
「んっ……♡」
(あ……、ち、乳首が……!?)
他の者には。レオ殿以外に聞かれては不味い声に、咄嗟に口元を押さえれば、次の訓練相手の騎士団員が私の方へ駆け寄ってきた。
「アラン様、大丈夫ですか?」
(聞かれてしまったか……!?)
「急に口元を押さえになって。体調が悪いのでは? この炎天下の中、ずっと俺たちに訓練をつけてくれているんです。熱中症では?」
「ああ、失礼。何でもないんだ。ちょっと喉に誇りが入ったのか、違和感があって思わず」
「そうですか。ですが、流石に俺達一人一人の訓練を付けてくださるのは、アラン様のお体に障りますよ。休んで下さい」
大丈夫だと言いたかったが、つい先日も似たようなことあったばかり。流石に訓練場には姿を現さないだろうと思ったが、レオ殿のことだ。どうなるか分からない。
「そうだな。素直に今日は休むとしよう。私の代わりに皆で交互に模擬戦を一周したら、今日の訓練は終わりにしていてくれ」
「分かりました!」
「アラン様も、お疲れなので無理しないで下さいね!」
「今日は訓練つけてくれて、有難うございました!」
素直に私の指示に従ってくれ、慕ってくれる団員達ほど有り難いものはない。私は訓練場を後にする前にもう一度振り返り、私に向かって手を振り続ける団員たちに手を振り返して部屋へと戻って行った。
(それなのに、私ときたら……!)
ガチャンガチャンと廊下に私の鎧の音が響く。道中、文官殿たちや、他の方々に挨拶をしながら速足で自室へ。人の気配が無くなり、ギィィィッ……と私だけの城へ脚を踏み入れた瞬間急いで着ている鎧を脱ぎ去った。恐らく今までで一番早く着脱が出来ただろう。
「はぁっ、はぁっ……はぁっ……!♡」
部屋が、私の汗の臭いに包まれる。それから湯気でも見えるような気がした。変わらず汗をかいたままの素肌に衣服は貼り付いていて気持ちが悪い。鏡で見えた自身の姿は厭らしく……。
(これが、私だと……?)
熱いと顔が火照るのは仕方ないにしても、胸元だ。白い薄いシャツの上に二つ。ツン……♡とオレンジがかったピンク色がうっすらと透けながら、布を持ち上げていた。
(たった数日で、身体がこんなに……?)
いや、きっとレオ殿に弄られ過ぎて、まだ胸部が腫れているだけだ。きっとそうだ。自分にそう言い聞かせながら、この場に居ないレオ殿に悪態をついた。
「全部レオ殿のせいだ……!」
私の身体が、こんなに変わってしまうなんて。知らなかった刺激を教えたせいだ。
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