49 / 175
48】近況報告のつもりが、別の話になっていた
しおりを挟む
48】近況報告のつもりが、別の話になっていた
暫くレオ殿に会う機会が無く。
気にしていた胸部の腫れも引き、以前のような身体に戻った。ホッと胸を撫で下ろし、安心しながら日々を過ごしていた頃、王様に呼ばれた。
一体何だろう? と気になりつつ、王の間へと向かう。警備の扉は重々ながら、部屋に入れば王様一人。以前伺った際はレオ殿がいたので、ついどこかに隠れていないか探してしまった。
(今日は、来ていらっしゃらないようだな)
残念なような、安堵したような。不思議な感じを抱えつつ、私は王様へ謁見した。
「王様、お呼びでしょうか?」
「おぉ、アランよ。常日頃、変わらず我が国のため、民のため。責務を果たしてくれ有難う」
「いえ、恐れ多きお言葉。私はただ、騎士団長として当然のことをしているまでですので」
「変わらず義理堅く、礼儀正しい奴じゃ。ところでアランよ、顔を見せよ」
「はっ!」
深々と上げていた顔を上げれば、王様と目が合った。穏やかそうに微笑む王様は、嬉しそうにしている。
「お主の顔が、以前よりもほころんで見えるのぅ」
「ほころんで……?」
「ああ。最初悩みの噂が流れた時は、どうしたものかと思ったがアヤツ。レオに任せて良かったようじゃの。じゃがレオの奴め、お主に失礼なことばかりしておらぬか? 一応、城内では見かけは賢者らしいのじゃが、あの様子じゃろう……?」
「確かに……最初は驚きましたが、私には新鮮なタイプで新たな発見があります。それに、流石賢者様です。私が知らないことを、沢山教えて下さいます」
「そうじゃの。そこは賢者らしく、知識は豊富だとワシも認めておる」
嘘は言っていない。本当に私は嘘を言っていない。
「じゃが……お主の悩みは解決していないと聞く。難儀よのぅ」
「せっかくお気遣い頂いたのに、申し訳ありません」
「いや、良いのじゃ。レオの奴も、ワシの嬉しそうに話しておったからの。お主の悩みを解決は絶対に自分がすると言って聞かぬは」
ははっ、と笑った王様。
「それから……そうじゃの。ワシがレオを案内しておいてなんじゃが、アランよ。気をつけるんじゃぞ?」
「気を付ける? とは……?」
レオ殿は、一部を除けば紳士的だと思う。一部、というのは私が指南・指導をして貰っている自慰に関してはその……っ意地悪だと思うが、危険ということはないだろう。だが、王様自身が「気をつけろ」と一体?
「レオ殿は、別段危険な様子はございませんが? もしや……何かの疑いが?」
もしそうであれば、レオ殿を信じたいのは山々だが私は騎士団長だ。躊躇することなく、剣を振るうまで。一気に空気がピリッとして、私自身も気が引き締まる思いになる。
「アランよ。そのような顔をするな。お主にそのような険しい顔をさせるような話ではない。安心せい。レオも立場は違えど、素直ではないがこの国を愛している男だとワシは知っておる」
「そうですか。私の剣で、レオ殿を傷つけることがないようで、安心致しました」
「ワシが心配しているのは、ああ見えてレオは子供っぽくてな。そういったところを気をつるんじゃという意味だったのだ」
「そうなんですね。ふふっ、確かに。王様がおっしゃる通り、レオ殿は子供っぽいところがありますね」
「そうじゃろう?」
「あ! 王様。私が話したことは、レオ殿には秘密でお願いしますね?」
「……善処しよう」
善処、というのは恐らくレオ殿が何かを聞きつけて王様へ聞いてくることがあるんだろうなぁと推測出来てしまった。この場にいなくても、その存在の大きさに改めにレオ殿の存在感を確認したのだった。
*********
お気軽に感想など頂けると嬉しいです><
暫くレオ殿に会う機会が無く。
気にしていた胸部の腫れも引き、以前のような身体に戻った。ホッと胸を撫で下ろし、安心しながら日々を過ごしていた頃、王様に呼ばれた。
一体何だろう? と気になりつつ、王の間へと向かう。警備の扉は重々ながら、部屋に入れば王様一人。以前伺った際はレオ殿がいたので、ついどこかに隠れていないか探してしまった。
(今日は、来ていらっしゃらないようだな)
残念なような、安堵したような。不思議な感じを抱えつつ、私は王様へ謁見した。
「王様、お呼びでしょうか?」
「おぉ、アランよ。常日頃、変わらず我が国のため、民のため。責務を果たしてくれ有難う」
「いえ、恐れ多きお言葉。私はただ、騎士団長として当然のことをしているまでですので」
「変わらず義理堅く、礼儀正しい奴じゃ。ところでアランよ、顔を見せよ」
「はっ!」
深々と上げていた顔を上げれば、王様と目が合った。穏やかそうに微笑む王様は、嬉しそうにしている。
「お主の顔が、以前よりもほころんで見えるのぅ」
「ほころんで……?」
「ああ。最初悩みの噂が流れた時は、どうしたものかと思ったがアヤツ。レオに任せて良かったようじゃの。じゃがレオの奴め、お主に失礼なことばかりしておらぬか? 一応、城内では見かけは賢者らしいのじゃが、あの様子じゃろう……?」
「確かに……最初は驚きましたが、私には新鮮なタイプで新たな発見があります。それに、流石賢者様です。私が知らないことを、沢山教えて下さいます」
「そうじゃの。そこは賢者らしく、知識は豊富だとワシも認めておる」
嘘は言っていない。本当に私は嘘を言っていない。
「じゃが……お主の悩みは解決していないと聞く。難儀よのぅ」
「せっかくお気遣い頂いたのに、申し訳ありません」
「いや、良いのじゃ。レオの奴も、ワシの嬉しそうに話しておったからの。お主の悩みを解決は絶対に自分がすると言って聞かぬは」
ははっ、と笑った王様。
「それから……そうじゃの。ワシがレオを案内しておいてなんじゃが、アランよ。気をつけるんじゃぞ?」
「気を付ける? とは……?」
レオ殿は、一部を除けば紳士的だと思う。一部、というのは私が指南・指導をして貰っている自慰に関してはその……っ意地悪だと思うが、危険ということはないだろう。だが、王様自身が「気をつけろ」と一体?
「レオ殿は、別段危険な様子はございませんが? もしや……何かの疑いが?」
もしそうであれば、レオ殿を信じたいのは山々だが私は騎士団長だ。躊躇することなく、剣を振るうまで。一気に空気がピリッとして、私自身も気が引き締まる思いになる。
「アランよ。そのような顔をするな。お主にそのような険しい顔をさせるような話ではない。安心せい。レオも立場は違えど、素直ではないがこの国を愛している男だとワシは知っておる」
「そうですか。私の剣で、レオ殿を傷つけることがないようで、安心致しました」
「ワシが心配しているのは、ああ見えてレオは子供っぽくてな。そういったところを気をつるんじゃという意味だったのだ」
「そうなんですね。ふふっ、確かに。王様がおっしゃる通り、レオ殿は子供っぽいところがありますね」
「そうじゃろう?」
「あ! 王様。私が話したことは、レオ殿には秘密でお願いしますね?」
「……善処しよう」
善処、というのは恐らくレオ殿が何かを聞きつけて王様へ聞いてくることがあるんだろうなぁと推測出来てしまった。この場にいなくても、その存在の大きさに改めにレオ殿の存在感を確認したのだった。
*********
お気軽に感想など頂けると嬉しいです><
10
あなたにおすすめの小説
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
宰相閣下の執愛は、平民の俺だけに向いている
飛鷹
BL
旧題:平民のはずの俺が、規格外の獣人に絡め取られて番になるまでの話
アホな貴族の両親から生まれた『俺』。色々あって、俺の身分は平民だけど、まぁそんな人生も悪くない。
無事に成長して、仕事に就くこともできたのに。
ここ最近、夢に魘されている。もう一ヶ月もの間、毎晩毎晩………。
朝起きたときには忘れてしまっている夢に疲弊している平民『レイ』と、彼を手に入れたくてウズウズしている獣人のお話。
連載の形にしていますが、攻め視点もUPするためなので、多分全2〜3話で完結予定です。
※6/20追記。
少しレイの過去と気持ちを追加したくて、『連載中』に戻しました。
今迄のお話で完結はしています。なので以降はレイの心情深堀の形となりますので、章を分けて表示します。
1話目はちょっと暗めですが………。
宜しかったらお付き合い下さいませ。
多分、10話前後で終わる予定。軽く読めるように、私としては1話ずつを短めにしております。
ストックが切れるまで、毎日更新予定です。
冷酷無慈悲なラスボス王子はモブの従者を逃がさない
北川晶
BL
冷徹王子に殺されるモブ従者の子供時代に転生したので、死亡回避に奔走するけど、なんでか婚約者になって執着溺愛王子から逃げられない話。
ノワールは四歳のときに乙女ゲーム『花びらを恋の数だけ抱きしめて』の世界に転生したと気づいた。自分の役どころは冷酷無慈悲なラスボス王子ネロディアスの従者。従者になってしまうと十八歳でラスボス王子に殺される運命だ。
四歳である今はまだ従者ではない。
死亡回避のためネロディアスにみつからぬようにしていたが、なぜかうまくいかないし、その上婚約することにもなってしまった??
十八歳で死にたくないので、婚約も従者もごめんです。だけど家の事情で断れない。
こうなったら婚約も従者契約も撤回するよう王子を説得しよう!
そう思ったノワールはなんとか策を練るのだが、ネロディアスは撤回どころかもっと執着してきてーー!?
クールで理論派、ラスボスからなんとか逃げたいモブ従者のノワールと、そんな従者を絶対逃がさない冷酷無慈悲?なラスボス王子ネロディアスの恋愛頭脳戦。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
悪役神官の俺が騎士団長に囚われるまで
二三@冷酷公爵発売中
BL
国教会の主教であるイヴォンは、ここが前世のBLゲームの世界だと気づいた。ゲームの内容は、浄化の力を持つ主人公が騎士団と共に国を旅し、魔物討伐をしながら攻略対象者と愛を深めていくというもの。自分は悪役神官であり、主人公が誰とも結ばれないノーマルルートを辿る場合に限り、破滅の道を逃れられる。そのためイヴォンは旅に同行し、主人公の恋路の邪魔を画策をする。以前からイヴォンを嫌っている団長も攻略対象者であり、気が進まないものの団長とも関わっていくうちに…。
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
【完結】お義父さんが、だいすきです
* ゆるゆ
BL
闇の髪に闇の瞳で、悪魔の子と生まれてすぐ捨てられた僕を拾ってくれたのは、月の精霊でした。
種族が違っても、僕は、おとうさんが、だいすきです。
ぜったいハッピーエンド保証な本編、おまけのお話、完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
トェルとリィフェルの動画つくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのWebサイトから、どちらにも飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる