【完結・BL】騎士団長様は「とある悩み」を解消したい!【賢者×騎士団長】

彩華

文字の大きさ
108 / 175

107】偶然、街中で見かけた②

しおりを挟む
107】偶然、街中で見かけた②

 今日は騎士団で街中の見回りの日。談笑を交えながら、時おり最近の私の様子をチクリと指摘される。心配されているのは有難いが、同時に心配させてしまっているということに、いけないなとも思う。

「そういえばアラン様。賢者様と最近ご一緒じゃないんですね」

「あー……そうだな」

そんな中、「賢者様」とレオ殿の名前を出されてしまった。
文官殿にも言われてしまったが、まさか団員たちにも言われてしまうとは。私は自分が思っている以上にレオ殿と一緒に過ごしていたようだ。

(確かに、よく家に行き来するほどだったしな。休みの日は、ほぼレオ殿と過ごしていたようなものだし……)

「レオ殿は、最近お忙しいようでな。何だ? 私と一緒にいるのは嫌なのか?」

コイツめ! と今度は私から団員を弄ってみれば、「そんなことないですよ~!」と返事がきた。

「おしゃべりは、ここまでにしよう。さて、見回り再開だ。とはいえ、我々が同じ場所に固まっていては、通行の妨げになってしまう。皆バラバラに見回るように。1時間後に城門前に集合だ」

「「「「「はい、分かりました!」」」」


私の言葉にキリッと顔つきが変わり、切り替えが出来る団員たち。指示を出して、私もフラリと街中へ。定期的に団員たちで見回るようにしているが、治安維持にも一役買っていると自信を持って言えるだろう。

「さて、私も見回りに集中するか」

グルリと団員たちに背を向けて、街中を歩き始める。そうすれば、穏やかない人々は私に声をかけてくれた。

「あら、アラン様」

「こんにちは、アラン様」

「アラン様、ごきげんよう」

「今日は見回りの日だったのかい。アラン様のお顔が見れて、良い日だわ」

「私の方こそ、皆に会えて嬉しい。ところで、何か困っていることなどは無いか?」

「アラン様たち、騎士団の人たちのおかげで特には。悪い奴とか、変な奴も国に入ったとは聞かないし、平和で何よりですよ」

「それは良かった」

こうして一人で歩いていても、声をかけてくれる民。天気が良い今日は、市場がいつも以上に賑わい、皆が作ったものを並べている。特に困っている様子も無く、治安が悪いという様子も無いようで一安心。

「……」

そんな中。不意にある人影が目に入った。
探していたわけじゃない。それは、何となく。ただ偶然見かけてしまったんだ。

(あ……)

スラリと伸びた身長に、筋肉質ではないが体格の良い身体。城の中であれば、ローブに隠されてはいるが、賢者らしからぬ体格をした人物を、私は一人知っている。

(レオ殿……?)

見間違えではない。珍しく買い物に来ているのだろうか? と思ったのは一瞬で、見つめている視線の先にもう一人。レオ殿の隣で、楽しそうに笑っている女性がいるのに気付いた。遠くで会話こそ聞こえないが、何か教えあっているようにも見える。薬草を買っているのだろうか。そういえば、レオ殿は薬草にも精通していたなぁと思いながら。

「…………」

(勝手に、レオ殿の隣は私だと思ってしまっていた────)

進んでいた足が立ち止まったまま。気づかないで欲しいと、気づいて欲しいと自分でも無茶苦茶だという気持ちのまま、レオ殿たちの姿を見つめ。何となくチクリと胸が痛んだ理由を、私は知らない。

*******
ひんっ……全然仲直りしないよぅ…どうしてぇ…(´;ω;`)ひんっ
次の話が白紙だよぅ…
宣伝】Pixiv更新しました!
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。 BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑) 本編完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 きーちゃんと皆の動画をつくりました! もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら! 本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新! Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新! プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました! 最終17位でした!応援ありがとうございます! あらすじ 魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

宰相閣下の執愛は、平民の俺だけに向いている

飛鷹
BL
旧題:平民のはずの俺が、規格外の獣人に絡め取られて番になるまでの話 アホな貴族の両親から生まれた『俺』。色々あって、俺の身分は平民だけど、まぁそんな人生も悪くない。 無事に成長して、仕事に就くこともできたのに。 ここ最近、夢に魘されている。もう一ヶ月もの間、毎晩毎晩………。 朝起きたときには忘れてしまっている夢に疲弊している平民『レイ』と、彼を手に入れたくてウズウズしている獣人のお話。 連載の形にしていますが、攻め視点もUPするためなので、多分全2〜3話で完結予定です。 ※6/20追記。 少しレイの過去と気持ちを追加したくて、『連載中』に戻しました。 今迄のお話で完結はしています。なので以降はレイの心情深堀の形となりますので、章を分けて表示します。 1話目はちょっと暗めですが………。 宜しかったらお付き合い下さいませ。 多分、10話前後で終わる予定。軽く読めるように、私としては1話ずつを短めにしております。 ストックが切れるまで、毎日更新予定です。

売れ残りオメガの従僕なる日々

灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才) ※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!  ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。  無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。

冷酷無慈悲なラスボス王子はモブの従者を逃がさない

北川晶
BL
冷徹王子に殺されるモブ従者の子供時代に転生したので、死亡回避に奔走するけど、なんでか婚約者になって執着溺愛王子から逃げられない話。 ノワールは四歳のときに乙女ゲーム『花びらを恋の数だけ抱きしめて』の世界に転生したと気づいた。自分の役どころは冷酷無慈悲なラスボス王子ネロディアスの従者。従者になってしまうと十八歳でラスボス王子に殺される運命だ。 四歳である今はまだ従者ではない。 死亡回避のためネロディアスにみつからぬようにしていたが、なぜかうまくいかないし、その上婚約することにもなってしまった?? 十八歳で死にたくないので、婚約も従者もごめんです。だけど家の事情で断れない。 こうなったら婚約も従者契約も撤回するよう王子を説得しよう! そう思ったノワールはなんとか策を練るのだが、ネロディアスは撤回どころかもっと執着してきてーー!? クールで理論派、ラスボスからなんとか逃げたいモブ従者のノワールと、そんな従者を絶対逃がさない冷酷無慈悲?なラスボス王子ネロディアスの恋愛頭脳戦。

妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。

藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。 妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、 彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。 だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、 なぜかアラン本人に興味を持ち始める。 「君は、なぜそこまで必死なんだ?」 「妹のためです!」 ……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。 妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。 ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。 そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。 断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。 誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。

処理中です...