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18】休憩時間
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18】休憩時間
差し上げ。もといお土産に買ってきたクッキーを食べながら、皆で休憩を取った。仕事はさておきと、コミュニケーションを交えた他愛のない話をする。堅苦しい雰囲気は無い。女性が多いからか、差しさわりの無い程度の恋バナが話題になることが多いわけで。
「恋したいなぁ」
「彼氏がいても、良いってもんじゃないわよ」
「でも彼氏が欲しいですよ……」
最近の恋愛の状況だとか、彼氏が欲しいだとか。たまに彼氏の愚痴だとか。そんな話に花が咲いた。俺自身、恋愛が嫌いというわけじゃない。だが特別したいと積極的に行く方ではない。そもそも、「好き」という気持ちがイマイチよく分からないんだ。
何かボーダーラインがあったりするんだろうか? こうなれば好き、と判定が出れば分かりやすいだろうが、俺には全然分からない。その甲斐あって、今もこうして恋愛経験が0のまま。
「差し支えなければ、水野君はどう?」
「え、俺ですか……?俺はイマイチそういうの、よく分からなくて。それに会社と家の行き来で、出会いとかも無いですし」
「ええ~~。水野君も恋愛しようよ~」
「そうだそうだ~。もっと遊びなよ」
「でも水野君は、弟ポジだからなぁ……」
「言いながら、皆さん俺を恋愛対象に見てくれないじゃないですか」
それもそうだと、また笑い声がした。だが別段怒ることはなく、いつもの弟のような感じ。
(皆、恋愛してるんだなぁ……)
と呑気に思っていると、休憩は終わった。開始の掛け声と同じように、田中さんの一言で仕事が再開される。
「さ! クッキーも美味しかったし、飲み物も美味しかったことだし。残りの後半戦も頑張りましょう」
「「「お~!」」」
俺も席に戻り、残りの仕事を片づける。
貰って来た注文の手配に、書類の作成。かかって来る電話対応。やることは沢山だ。それを一つ一つ片づけていけば、時間はあっという間に過ぎて行った。つまり、今日も定時の時間。いつもであれば、この時間には腹が空いたなぁ……となるはずだが如何せん。今日は結構、食べ過ぎてしまった気がする。
(絶妙に腹が減ってないな)
幸せなことだが、これでは弁当を選ぶにも迷いが出る。だが、変わらないのは今日もまた海野食堂へ向かうということ。
「……」
誰かが留守番電話に切り替えてくれたので、もう電話がかかってくることは無い。パソコンも、もうすぐ電源が切れる頃。プッ、と色の消えたスイッチを確認し、パソコンを片付け。
「お先に失礼します」
「お疲れ様~」
「また明日ね」
いつもよりは少し落ち着いて会社を後にしたのだった。
******
差し上げ。もといお土産に買ってきたクッキーを食べながら、皆で休憩を取った。仕事はさておきと、コミュニケーションを交えた他愛のない話をする。堅苦しい雰囲気は無い。女性が多いからか、差しさわりの無い程度の恋バナが話題になることが多いわけで。
「恋したいなぁ」
「彼氏がいても、良いってもんじゃないわよ」
「でも彼氏が欲しいですよ……」
最近の恋愛の状況だとか、彼氏が欲しいだとか。たまに彼氏の愚痴だとか。そんな話に花が咲いた。俺自身、恋愛が嫌いというわけじゃない。だが特別したいと積極的に行く方ではない。そもそも、「好き」という気持ちがイマイチよく分からないんだ。
何かボーダーラインがあったりするんだろうか? こうなれば好き、と判定が出れば分かりやすいだろうが、俺には全然分からない。その甲斐あって、今もこうして恋愛経験が0のまま。
「差し支えなければ、水野君はどう?」
「え、俺ですか……?俺はイマイチそういうの、よく分からなくて。それに会社と家の行き来で、出会いとかも無いですし」
「ええ~~。水野君も恋愛しようよ~」
「そうだそうだ~。もっと遊びなよ」
「でも水野君は、弟ポジだからなぁ……」
「言いながら、皆さん俺を恋愛対象に見てくれないじゃないですか」
それもそうだと、また笑い声がした。だが別段怒ることはなく、いつもの弟のような感じ。
(皆、恋愛してるんだなぁ……)
と呑気に思っていると、休憩は終わった。開始の掛け声と同じように、田中さんの一言で仕事が再開される。
「さ! クッキーも美味しかったし、飲み物も美味しかったことだし。残りの後半戦も頑張りましょう」
「「「お~!」」」
俺も席に戻り、残りの仕事を片づける。
貰って来た注文の手配に、書類の作成。かかって来る電話対応。やることは沢山だ。それを一つ一つ片づけていけば、時間はあっという間に過ぎて行った。つまり、今日も定時の時間。いつもであれば、この時間には腹が空いたなぁ……となるはずだが如何せん。今日は結構、食べ過ぎてしまった気がする。
(絶妙に腹が減ってないな)
幸せなことだが、これでは弁当を選ぶにも迷いが出る。だが、変わらないのは今日もまた海野食堂へ向かうということ。
「……」
誰かが留守番電話に切り替えてくれたので、もう電話がかかってくることは無い。パソコンも、もうすぐ電源が切れる頃。プッ、と色の消えたスイッチを確認し、パソコンを片付け。
「お先に失礼します」
「お疲れ様~」
「また明日ね」
いつもよりは少し落ち着いて会社を後にしたのだった。
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