【完結・BL】マンネリ化を解消したかっただけなのに!【店員×社〇人】

彩華

文字の大きさ
43 / 78

42】気になっているってこと?

しおりを挟む
42】気になっているってこと?

 仕事に集中しながら、パソコンと向かい合う。カタカタとキーボードを打つことに集中していれば、あっという間に午前中が過ぎていた。頭を使ったせいか、お腹が減っている。また持参した量多めの大きなおにぎりとカップスープを準備して、休憩を取ることにした。


(あ、まずいな)

集中していた方が、余計なことを考えなくて済んだのに。ズズッ……と甘いコーンスープを飲んでいると、この前見た回答を思い出してしまった。

『一人でイケないなら、好きな人に抜いて貰えば? ドキドキしてすぐイクじゃない? 知らんけど』

あの寝る前に見かけた意見が、未だに気になっている。知らんけどは困るが、ドキドキしてすぐにイクと思った時。俺は中村さんを思い出してしまったわけで。何なら、まだ二回しか試していない、オナホと手袋のことも思い出してしまったわけで。

ドキドキドキ。

「……!?」

スープを置いて、思わず心臓を押さえた。不整脈かと思いたいが、これは違う気がする。というか、気づいたら不味いような気がする。

ドキドキドキ。

(いやいやいや、待て。冷静になれ、俺)

(あれだ。中村さんのテクニックが凄いだけで)



「佐藤君。何難しい顔してるの?」

「工藤さん……!」

俺の様子を見て、楽しそうに笑っている工藤さんに声をかけられた。こういう時、いつもタイミングが良いなと思う。

「恋に悩んでいる顔だねぇ?」


「だから、俺は恋をしているわけじゃ……」

よいしょ、と俺の隣に座る工藤さん。またニコニコと俺に笑顔を向けた。

「楽しんでますよね?」

「いや~。初恋なのかなぁと思って」

「だから俺は別に恋だとかは……」

「本当に?」

「……実は、少し悩んでいることがあって。ちょっと検索してみたら、好きな人に協力して貰えれば解決するかもって回答を見ちゃって」

「うんうん」

「そしたら、何だか意外な人の顔を思い出しちゃって」

「うんうんうん……!」

「だから、俺なんでその人のこと思い出したんだろうって思ってて」

「ちょっと、そこまできて、答え出ないの!?」

ニコニコと笑顔だったのに、急に工藤さんが前のめりで言った。そこ表情に笑顔は無い。なんで!? と少し俺の方が怯む。こう……俺が弟で、お姉ちゃんに叱られたらこんな感じなんだろうなって感じの。

「何で!? あっ、駄目だ。こういうの、自分で気づかなきゃいけないやつだけど……! だけどさぁっ……!」

「俺も、何だか気づいたらいけない気がして」

「気づいたらいけないって何?」

いつもの工藤さんと違う。表情がコロコロと変わりつつ、俺に大事なことを教えてくれようとしているのは分かった。

「気づいたら不味いって、自分でブレーキかけてるってことでしょ?」

「多分」

「佐藤君」

「はい」

「ブレーキ壊そうね?」

「ハ……ハハ」

「ブレーキ壊して考えてね? 好きな人にって言葉に対して、その人のことを思い出したんでしょ?」

「はい」

「それってつまり……?」

「俺は、その人のことが気になっているってこと……!?」

パシャッ、と小さなシャッター音が鳴ったと思えば、また俺の携帯に通知がなった。

「良い表情だよ。相手に送ってみたら? 佐藤君、また恋に悩んだら、この工藤お姉ちゃんに相談してね」

「有難うございます」

気づいた駄目だと背けていたことを、見ろ! と考えさせられてしまった。

(俺、もしかして中村さんのこと好きなの……!?)

*******
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

冴えないおじさんが雌になっちゃうお話。

丸井まー(旧:まー)
BL
馴染みの居酒屋で冴えないおじさんが雌オチしちゃうお話。 イケメン青年×オッサン。 リクエストをくださった棗様に捧げます! 【リクエスト】冴えないおじさんリーマンの雌オチ。 楽しいリクエストをありがとうございました! ※ムーンライトノベルズさんでも公開しております。

竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜

レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」 魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。 彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました! 最終17位でした!応援ありがとうございます! あらすじ 魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

大学一軍イケメンにいちご狩りに誘われた陰キャの俺、なぜかいちごじゃなくて俺が喰われたんだが(?)

子犬一 はぁて
BL
大学一軍イケメン×大学九軍陰キャ 喰われるなんて聞いてないんだが(?) 俺はただ、 いちご狩りに誘われただけだが。 なのに── 誘ってきた大学一軍イケメンの海皇(21)に なぜか俺が捕まって食われる展開に? ちょっと待てい。 意味がわからないんだが! いちご狩りから始まる ケンカップルいちゃらぶBL ※大人描写のある話はタイトルに『※』あり

【BL】SNSで出会ったイケメンに捕まるまで

久遠院 純
BL
タイトル通りの内容です。 自称平凡モブ顔の主人公が、イケメンに捕まるまでのお話。 他サイトでも公開しています。

処理中です...