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22】【最終話】俺が心に決めている相手は
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22】【最終話】俺が心に決めている相手は
(ああ、言ってしまった)
あんなに墓場まで持って行くと誓っていたのに。それなのに、決めた相手がいると知っただけで決意も揺らいでしまった。
「ギルベルト。好きなんだ」
ごめん。君には決めた相手がいるのに。どうにか私のものに出来ないかなんて思ったりして。
「アーサー。お前のフェロモンの匂いが嫌いなんじゃない。お前のフェロモンに当てられて気を抜けば理性が飛びそうなんだよ……!」
「飛ばしてくれたら良いのに」
思わず自重気に笑った。アルファであるギルベルトに効果があるということは、やはり私はもうオメガなんだろう。近くに感じるギルベルトに、私の方も当てられてしまう。今まで溜めこんできた感情が溢れた。
「……ッ!」
ギルベルトが私の手を掴んで、私の部屋の中へ。バンッ! と強く扉を閉めて鍵を閉めた。変わらずギルベルトの眉間には皴が寄ったまま、険しい表情。振り返った私の肩に手を置いて、小さく舌打ちをした。苛立ちながら、普段見ない表情に、またクラリとしながら胸が高鳴る。これもきっと、私の身体がオメガになってヒートしているからだと都合よく考えた。
「お前は……!」
久しぶりにギルベルトと視線が合ったかと思えば、私の身体はギルベルトの胸の中へ。肩にあった手が、背中に回り。抱きしめられていると気付いた時には、鼻孔にギルベルトの匂いを感じで一層身体の熱が上がった。言ってしまえば、発情していた。
「ぁ……あ……っ♡」
フーッ……♡ フーッ……♡ ドクドクドクドク。
ドキドキと鳴っていた心臓が、まだ可愛く思えた。今ではドクドクと一拍が大きい。熱っぽい身体ながら、縋るように私もギルベルトの背中に腕を回した。
(こんなに抱き締められたのは、初めてだな)
「ギルベルト……」
「まだ気をやるなよ? さっき言ったことだが、俺が心に決めている相手は他でもない。アーサー、お前だ」
ギュゥッ、と一層腕に力が籠りながら、そんなことを言われた。
「え……?」
「俺は、お前のことが好きだ。アーサー」
再び耳元で囁かれた言葉に、身体が震えた。
「う……そだ……」
「嘘じゃない。互いにアルファ同士だし、俺はお前の騎士であることを誓った。だから、この気持ちは墓場まで持って行くつもりだったし、誰とも一緒にならずアーサーの傍にいることだけを考えてたんだ」
「……本当?」
顔が見たくて、身体を離した。見上げれば、ギルベルトが幾分柔らかく笑った。
ドキドキドキ。
「こんな時に嘘を言ってどうするんだ?」
「だって……私も、ずっとギルベルトが好きだったから。私も墓場まで持って行くつもりだったから」
「アーサー」
「ギルベルト、好き。私と番になって、ずっと傍にいて」
そっと頬に触れれば、ギルベルトの顔が近づいて来て目を閉じた。その刹那、唇に感じる柔らかな感触。
「アーサー。お前がそれを望んでくれるなら」
「嬉しい……」
夢みたいだと思いつつ、現実は意外と厳しいもので。
「だが、アーサー。続きは後だ。まずは、医者を呼んでくる。ヒートを抑えて、身体に負担をかけないようにするぞ」
先ほどまでの情緒も無く、私はすぐにベッドへと連行され。
「ちょっ……! そんなの、ギルベルトが私の項を噛んで番になってくれたらいいじゃないか」
「こんな流されるような形で、お前と番たくない」
「うわっ……!」
「良い子だから、大人しく寝てろ」
「……分かったよ。でも」
「安心しろ。さっきの言葉を違えたりはしないから」
「絶対だからね」
大事にされていると自惚れてしまう。だが、確かに。私の身体の方も、そろそろ限界らしい。安堵した気持ちと共に、またしても私の意識はプツリと切れた。
その後。
検査を改めてしてみると、完全にオメガへと私のバース性は変異していて医者や先生たち。城の者たちは驚いていたけれど、私としては何の問題も無く。
「ギルベルト。さぁ、約束通り私と番になってくれるね?」
■アルファの王子は幼馴染アルファの騎士と番になりたい■
さぁ噛んでくれと、自身の項を差し出したのだった。
******
有難うございました!
(ああ、言ってしまった)
あんなに墓場まで持って行くと誓っていたのに。それなのに、決めた相手がいると知っただけで決意も揺らいでしまった。
「ギルベルト。好きなんだ」
ごめん。君には決めた相手がいるのに。どうにか私のものに出来ないかなんて思ったりして。
「アーサー。お前のフェロモンの匂いが嫌いなんじゃない。お前のフェロモンに当てられて気を抜けば理性が飛びそうなんだよ……!」
「飛ばしてくれたら良いのに」
思わず自重気に笑った。アルファであるギルベルトに効果があるということは、やはり私はもうオメガなんだろう。近くに感じるギルベルトに、私の方も当てられてしまう。今まで溜めこんできた感情が溢れた。
「……ッ!」
ギルベルトが私の手を掴んで、私の部屋の中へ。バンッ! と強く扉を閉めて鍵を閉めた。変わらずギルベルトの眉間には皴が寄ったまま、険しい表情。振り返った私の肩に手を置いて、小さく舌打ちをした。苛立ちながら、普段見ない表情に、またクラリとしながら胸が高鳴る。これもきっと、私の身体がオメガになってヒートしているからだと都合よく考えた。
「お前は……!」
久しぶりにギルベルトと視線が合ったかと思えば、私の身体はギルベルトの胸の中へ。肩にあった手が、背中に回り。抱きしめられていると気付いた時には、鼻孔にギルベルトの匂いを感じで一層身体の熱が上がった。言ってしまえば、発情していた。
「ぁ……あ……っ♡」
フーッ……♡ フーッ……♡ ドクドクドクドク。
ドキドキと鳴っていた心臓が、まだ可愛く思えた。今ではドクドクと一拍が大きい。熱っぽい身体ながら、縋るように私もギルベルトの背中に腕を回した。
(こんなに抱き締められたのは、初めてだな)
「ギルベルト……」
「まだ気をやるなよ? さっき言ったことだが、俺が心に決めている相手は他でもない。アーサー、お前だ」
ギュゥッ、と一層腕に力が籠りながら、そんなことを言われた。
「え……?」
「俺は、お前のことが好きだ。アーサー」
再び耳元で囁かれた言葉に、身体が震えた。
「う……そだ……」
「嘘じゃない。互いにアルファ同士だし、俺はお前の騎士であることを誓った。だから、この気持ちは墓場まで持って行くつもりだったし、誰とも一緒にならずアーサーの傍にいることだけを考えてたんだ」
「……本当?」
顔が見たくて、身体を離した。見上げれば、ギルベルトが幾分柔らかく笑った。
ドキドキドキ。
「こんな時に嘘を言ってどうするんだ?」
「だって……私も、ずっとギルベルトが好きだったから。私も墓場まで持って行くつもりだったから」
「アーサー」
「ギルベルト、好き。私と番になって、ずっと傍にいて」
そっと頬に触れれば、ギルベルトの顔が近づいて来て目を閉じた。その刹那、唇に感じる柔らかな感触。
「アーサー。お前がそれを望んでくれるなら」
「嬉しい……」
夢みたいだと思いつつ、現実は意外と厳しいもので。
「だが、アーサー。続きは後だ。まずは、医者を呼んでくる。ヒートを抑えて、身体に負担をかけないようにするぞ」
先ほどまでの情緒も無く、私はすぐにベッドへと連行され。
「ちょっ……! そんなの、ギルベルトが私の項を噛んで番になってくれたらいいじゃないか」
「こんな流されるような形で、お前と番たくない」
「うわっ……!」
「良い子だから、大人しく寝てろ」
「……分かったよ。でも」
「安心しろ。さっきの言葉を違えたりはしないから」
「絶対だからね」
大事にされていると自惚れてしまう。だが、確かに。私の身体の方も、そろそろ限界らしい。安堵した気持ちと共に、またしても私の意識はプツリと切れた。
その後。
検査を改めてしてみると、完全にオメガへと私のバース性は変異していて医者や先生たち。城の者たちは驚いていたけれど、私としては何の問題も無く。
「ギルベルト。さぁ、約束通り私と番になってくれるね?」
■アルファの王子は幼馴染アルファの騎士と番になりたい■
さぁ噛んでくれと、自身の項を差し出したのだった。
******
有難うございました!
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