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■補修を受けたいワケがある①
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■補修を受けたいワケがある①
俺の名前は近藤。新選組の近藤勇で覚えて下さい! と自己紹介したのは去年のこと。
(実際、名前は勇じゃない)
高校デビューも特になく。ピカピカの一年生の時期はあっと言う間に過ぎて、今は二年生になった。部活では、もう先輩だ。
そんな学校生活を謳歌する中。
この前の中間テストの答案が、続々と戻ってきている。今日戻って来るのは英語。実は結構自信があったりする。俺、単語覚えるのとか得意だし。なんなら、歴史も良い点数だったし。うん、多分よく出来たと思う。俺の予想通りなら。フンフンと謎の自信が俺にはあった。
「なぁ、近藤。お前、もしかしてまた学園1位なんじゃね?」
「さぁ? どうだろうな」
「くぁ~、絶対良い点数だろ~」
「良いから。先生来るぞ」
自慢するわけでもないが、俺は意外と勉強が出来る方だと思う。勿論。努力しての結果だが、それなりに良い成績をテストのたびに取って来た。
「はぁ~。戻って来るの緊張する! 英語の点数どうかなぁ……」
「でも今回、英語優しくなかった?」
「分かる! 長文は自信ないけど、他は点数取れてると思う」
「私も!」
「「ね~!!」」
教室の空気は暗くもなく、明るい。ああ、確かにテストは優しかった。単語も難しいものは無かったし、長文はイラスト付き。イラストの雰囲気である程度答えが導き出せるほどの優しさだった。そんな明るい声が、教室に聞こえ始める頃。すぅっ……、と教壇に立っている橘先生が口を開いた。
「皆、今回のテストよく勉強したんだね。平均点も75点だったよ」
ニコリと嬉しそうに笑った先生。
(可愛い)
そう思いながら、俺の頬は緩んだ。先生────橘先生。
去年。俺たちが入学した年に、この学校に橘先生はやって来た。年は俺たちよりも少し上。学校の先生の中で一番若い。黒髪と同じ、黒縁の眼鏡。おっとりとした性格で、皆の人気者。女子たちも、よく橘先生と駆け寄ってお菓子を渡しているのを見かける。
おっと、いけない。先生の話が続く。ちゃんと聞かなきゃな。
「それと、平均点が高くても今回のテスト結果で40点以下の人は、放課後に補習授業です。今回は該当者は一人だけだけど、逃げないでね? ちゃんと来るように」
「はーい。先生、誰? 補習受けるの誰!?」
「秘密です」
ふふっ、と笑った顔がまた可愛くて。それから、少しエッチ。
(あー……。やっぱり、好きなんだよなぁ……)
と、女子のような丸みのない平らな胸をした先生を見ながら思った。────橘先生は、男。
「次、近藤君」
「はい」
ガタン、と自身の席を立ち、先生の方へと向かう。
平常心、平常心と自分に言い聞かせ。静かに渡された答案を受け取って席に戻った。そっと裏返して机で一人点数を確認。
「え゛……」
返ってきたテスト用紙は、確かに……これは補修だわという点数。
『さんじゅう……ろく……』
小さく心の中で呟きながら、俺は別段取ってしまった点数にショックを受けることは無かった。
(計画通り、俺一人が補習だな)
俺の名前は近藤。新選組の近藤勇で覚えて下さい! と自己紹介したのは去年のこと。
(実際、名前は勇じゃない)
高校デビューも特になく。ピカピカの一年生の時期はあっと言う間に過ぎて、今は二年生になった。部活では、もう先輩だ。
そんな学校生活を謳歌する中。
この前の中間テストの答案が、続々と戻ってきている。今日戻って来るのは英語。実は結構自信があったりする。俺、単語覚えるのとか得意だし。なんなら、歴史も良い点数だったし。うん、多分よく出来たと思う。俺の予想通りなら。フンフンと謎の自信が俺にはあった。
「なぁ、近藤。お前、もしかしてまた学園1位なんじゃね?」
「さぁ? どうだろうな」
「くぁ~、絶対良い点数だろ~」
「良いから。先生来るぞ」
自慢するわけでもないが、俺は意外と勉強が出来る方だと思う。勿論。努力しての結果だが、それなりに良い成績をテストのたびに取って来た。
「はぁ~。戻って来るの緊張する! 英語の点数どうかなぁ……」
「でも今回、英語優しくなかった?」
「分かる! 長文は自信ないけど、他は点数取れてると思う」
「私も!」
「「ね~!!」」
教室の空気は暗くもなく、明るい。ああ、確かにテストは優しかった。単語も難しいものは無かったし、長文はイラスト付き。イラストの雰囲気である程度答えが導き出せるほどの優しさだった。そんな明るい声が、教室に聞こえ始める頃。すぅっ……、と教壇に立っている橘先生が口を開いた。
「皆、今回のテストよく勉強したんだね。平均点も75点だったよ」
ニコリと嬉しそうに笑った先生。
(可愛い)
そう思いながら、俺の頬は緩んだ。先生────橘先生。
去年。俺たちが入学した年に、この学校に橘先生はやって来た。年は俺たちよりも少し上。学校の先生の中で一番若い。黒髪と同じ、黒縁の眼鏡。おっとりとした性格で、皆の人気者。女子たちも、よく橘先生と駆け寄ってお菓子を渡しているのを見かける。
おっと、いけない。先生の話が続く。ちゃんと聞かなきゃな。
「それと、平均点が高くても今回のテスト結果で40点以下の人は、放課後に補習授業です。今回は該当者は一人だけだけど、逃げないでね? ちゃんと来るように」
「はーい。先生、誰? 補習受けるの誰!?」
「秘密です」
ふふっ、と笑った顔がまた可愛くて。それから、少しエッチ。
(あー……。やっぱり、好きなんだよなぁ……)
と、女子のような丸みのない平らな胸をした先生を見ながら思った。────橘先生は、男。
「次、近藤君」
「はい」
ガタン、と自身の席を立ち、先生の方へと向かう。
平常心、平常心と自分に言い聞かせ。静かに渡された答案を受け取って席に戻った。そっと裏返して机で一人点数を確認。
「え゛……」
返ってきたテスト用紙は、確かに……これは補修だわという点数。
『さんじゅう……ろく……』
小さく心の中で呟きながら、俺は別段取ってしまった点数にショックを受けることは無かった。
(計画通り、俺一人が補習だな)
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