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プロローグ】王子の我が儘
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プロローグ】王子の我が儘
穏やかで、誰の手も煩わせたことのないアーサー様。
俺自身、騎士団長であるのとは別に、俺はアーサー様だけの騎士でもある。俺との年の差は12歳、一回り年の違う。そんなアーサー様が、成人の儀を終えた夜。二人だけでお祝いがしたいと呼ばれたアーサー様の部屋で、ポツリとアーサー様が俺に言った。
『ギルベルト。私の我が儘を一つ、聞いて欲しいのだけれど』
どうしようかと迷ったような視線。王子なのだから、命令だって出来るのに、そんなことはしない。
『我が儘? アーサー様が? まさか。今まで我が儘らしい我が儘なんて、聞いたことがありませんよ』
本音だった。幼少期より仕えているが、今まで我が儘らしい我が儘を聞いたことがない。お願いがあると言われたことはあれど、聞いてみれば可愛らしい願いばかりだった。
『まぁ、今日は成人の儀のお祝いです。俺で叶えられそうなことなら、何でも言って下さい』
『本当かい?』
『ええ』
『嬉しい……! 実は、ずっと欲しかったものがあったんだ』
『欲しい物? 欲しい物とは、一体?』
アーサー様が何かを欲しいというのも珍しい。アーサー様のことだ。何か珍しい書物や絵画などだろうか。そう思った俺に、続けて聞こえた言葉は意外なもので。
『うん。愛玩動物が欲しくね』
『愛玩動物? 馬……とかじゃないですね』
『馬や鳥なんかの動物じゃないよ。ギルベルト。私はね、ずっとギルベルトが欲しかったんだ』
『俺……?』
はて、と思わず首を傾げる。そんな俺の傾けた頬に、そっとアーサー様の手が触れる。
『私は、私しか知らないギルベルトを、うんと可愛がりたいんだけれど』
ひそりと、そのまま耳元で囁いた。
『ギルベルト。私の我が儘を聞いてくれるかい?』
ドキリと胸の高鳴りと、急にのどが渇いた。ヒュッ……と息を飲んで、ドキドキと速く鳴る心臓に頭で考えるよりも早く口が動いていた。
『勿論です……俺を、アーサー様の愛玩動物にして下さい』
ちゅっ、とそのまま頬にキスをされた。続いて聞こえた言葉に、俺の身体が震えた。
『じゃあ、ギルベルト。動物に服は要らないね。脱いで……?』
『……え?』
聞こえた言葉と、再び合った視線。
『ギルベルト。さぁ、服を脱いでお座りして?』
『わ……分かりました』
これが俺とアーサー様の夜の関係の始まり。俺は、この日の夜からアーサー様だけの愛玩動物になった。
**********
新しく始めてみました。
お読み頂けると嬉しいです。そこまで連載せず単発の予定です。お気軽にコメント頂けると嬉しいです
※タイトル迷っているため、変更するかもしれません
穏やかで、誰の手も煩わせたことのないアーサー様。
俺自身、騎士団長であるのとは別に、俺はアーサー様だけの騎士でもある。俺との年の差は12歳、一回り年の違う。そんなアーサー様が、成人の儀を終えた夜。二人だけでお祝いがしたいと呼ばれたアーサー様の部屋で、ポツリとアーサー様が俺に言った。
『ギルベルト。私の我が儘を一つ、聞いて欲しいのだけれど』
どうしようかと迷ったような視線。王子なのだから、命令だって出来るのに、そんなことはしない。
『我が儘? アーサー様が? まさか。今まで我が儘らしい我が儘なんて、聞いたことがありませんよ』
本音だった。幼少期より仕えているが、今まで我が儘らしい我が儘を聞いたことがない。お願いがあると言われたことはあれど、聞いてみれば可愛らしい願いばかりだった。
『まぁ、今日は成人の儀のお祝いです。俺で叶えられそうなことなら、何でも言って下さい』
『本当かい?』
『ええ』
『嬉しい……! 実は、ずっと欲しかったものがあったんだ』
『欲しい物? 欲しい物とは、一体?』
アーサー様が何かを欲しいというのも珍しい。アーサー様のことだ。何か珍しい書物や絵画などだろうか。そう思った俺に、続けて聞こえた言葉は意外なもので。
『うん。愛玩動物が欲しくね』
『愛玩動物? 馬……とかじゃないですね』
『馬や鳥なんかの動物じゃないよ。ギルベルト。私はね、ずっとギルベルトが欲しかったんだ』
『俺……?』
はて、と思わず首を傾げる。そんな俺の傾けた頬に、そっとアーサー様の手が触れる。
『私は、私しか知らないギルベルトを、うんと可愛がりたいんだけれど』
ひそりと、そのまま耳元で囁いた。
『ギルベルト。私の我が儘を聞いてくれるかい?』
ドキリと胸の高鳴りと、急にのどが渇いた。ヒュッ……と息を飲んで、ドキドキと速く鳴る心臓に頭で考えるよりも早く口が動いていた。
『勿論です……俺を、アーサー様の愛玩動物にして下さい』
ちゅっ、とそのまま頬にキスをされた。続いて聞こえた言葉に、俺の身体が震えた。
『じゃあ、ギルベルト。動物に服は要らないね。脱いで……?』
『……え?』
聞こえた言葉と、再び合った視線。
『ギルベルト。さぁ、服を脱いでお座りして?』
『わ……分かりました』
これが俺とアーサー様の夜の関係の始まり。俺は、この日の夜からアーサー様だけの愛玩動物になった。
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お読み頂けると嬉しいです。そこまで連載せず単発の予定です。お気軽にコメント頂けると嬉しいです
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