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■連れて行く気はあったらしい■

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■連れて行く気はあったらしい■

 「分かりましたよ。俺も、すみません。俺がまだ子供だったんです。明日……は休みか。来週から、ちゃんとするんで。大人らしい対応をするんで」

元通りになりましょう?

互いに白旗を上げれば、引き分けで終わるだろうと提案してみた。きっと先輩の事だ、分かったと首を縦に振ってくれるはず。(先輩も俺と話したいでしょう? と思うのは、これまた俺の我儘。)
今こそ、先輩を見返すために鍛えてきた「可愛い」の効果を発揮するべき! と「ね?」と小首を傾げれば、先輩は黙ったまま。これは効いているのでは? と俺は押し切ろうと、また「先輩」と言葉を続けた。

「先輩?」

「……」
おかしい。
何で、そうだなって言ってくれないですか? と疑問に思っていれば、握った手はそのままに。先輩の指先が伸びて、俺の指に絡んできた。

ツーッ……スリッ。

「うぁ……っ!?」

ビクンと強張った俺のことなど気にすることなく。だんまりだった先輩の口が開いたかと思えば、聞こえた声は随分と楽しそうな声だった。

「叱ったのは建前。ここからは、俺の本音」

「はぁ……?」

ニヤリと笑った表情は、昔図書室で自信がある時に浮かべていた笑みに似ていた。これは何か予想外の事を言い出すかもしれない。平常心、平常心と心の中で言いながらも、聞こえた言葉に平常心を保っていることは出来なかった。

「水野の希望通り、俺の家に招待しよう」

それはそれ、これはこれだと言われた言葉に、俺の心臓が速くなる。

「そ……れは……!」

(急すぎないか?!?!?!?)

突然の言葉に、頭の中が沸騰し。一気に酔いが醒めてしまった。
俺の心の準備は、当然ながら出来てない。好きになったのを謝るなと言ったが、順番が早い。いきなり先輩の家だとか。……え、先輩の家?(今も、頭の中が混乱している)

「いやいや、待って下さい。待って下さい!先輩」

好きだと言っている先輩と、言われている俺が! 先輩の家に! 俗に言う、一つ屋根の下状態!?


(色々とヤバクないか??????)

「何だ、水野。酔いが醒めたのか?」

「はい! 醒めました! だから帰れます! 先輩、離して下さい!」

グググッと手を引いて繋いだ手を離そうとしたが、意味は無かった。
それどころか、一気に機嫌が良くなった先輩が繋いだまま手を引っ張って前を歩き出す始末。

「さぁ、行くぞ。安心しろ。ココからだと、そんなに遠くない」

「先輩! 先輩ってば!」

「部屋は綺麗にしてるから、安心して良いぞ」

「俺の話を聞いて下さい!」

ギャアギャアと人の目を気にすることなく叫んだが、手が離されることはなく。居酒屋の次に向かったのは、先輩の家だった。

■連れて行く気はあったらしい■

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次で終わらせるか、迷い中です。また、健全で終わらせるか、軽度な表現を入れるかも迷い中です>< 難しい~。
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