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国語教師の蜜島先生

第5話 蜜柑の咲く頃に

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 悶々とした気分のまま朝日に起こされる。アラームもまだなっていない時間に起きたというのに、眠気もなにもない。むしろさっぱりとした、気持ちのいい寝起きだったと言える。寝起きだけを見れば、だが。
時間が気になって、携帯を開く。まだ六時前だ。家を出るのが七時半、いつも起きるのが七時十五分であることを考えると信じられないぐらい早起きだ。外からも何も聞こえてこない静かな時間。もうすでに蒸し暑くなろうとしているこの時期でもこの時間は流石に涼しめだ。比較的マシ、というだけだが。
寝起きが良かっただけに下半身の不快さが際立つ。じくじくと疼く下腹部は昨日の不満が結局埋まらなかったことを如実に示す。
今だって、何もしていないのにも関わらず先生のことを考えるだけで湿っていくのを感じる。正直、先生で濡れているのか、先生を通してあの人を見ているのか、わからない。でも、今のこの疼きは確実に存在するし、あまりに疼くのもなんだか不快だ。
「どこだっけ」
面倒なので手だけをベッドの下に放り込んで、お気に入りのアレを探す。この前、整理したはずなのにもう少し汚れ始めている。掃除は得意じゃない、というか好きじゃない。一つ片づける度に何も無いことが浮き彫りになっていくことが見せつけられている気分になって、どこまでも気持ちが沈んでいく。
「あ」
ちょっとイライラし始めた頃、やっとお気に入りのおもちゃが見つかる。この前、水瀬にあげたのとはまた違うタイプのもの。大きくて、震えるし、うねるやつ。値は張ったけど、かなり良いモノなのでお買い得だったと言える。

 既に染みが出来つつある下着を脱ぎ捨てる。もうアレを今日は学校に着ていけないので後で新しいのを出さなきゃ。めんどくさい。いっそ履かないで行ってみるのも一興だけど。まあ、そんなのは後で考えればいいことだ。
電源を入れることなく、ゆっくりと自分の中に沈めていく。ローションなんていらないぐらいにまで濡れている私の膣は割かし大きいソレを止めることなく呑み込んでいく。ゆっくりと、ゆっくりと私の中に入ってくる無機質な相方は久方ぶりに入る私の中を躊躇なく広げていく。
「んん」
流石に久しぶりに入れると少しキツイ。でも自分で自分を開発するような感覚がまた気持ちいい。無意識のうちに止まっていた呼吸を再開して、抽送を始める。前後のぞりぞりとした快感が下腹部にじっとりとした熱を広げていく。
動かすごとに自分の中とマッチしていく感じがする。愛液でどんどんと滑りがよくなっていく。私の体が久しぶりの相棒を快く迎え入れているなか、心臓は緊張で爆発しそうになっていたけど。
動かすほどに中が形に添って広がっていく。時間が経つと処女に戻るなんて噂を聞いたことがあったけど、そんなことはないらしい。まあ、時間が足りないだけかもしれないけど。それにあの時はそれなりに痛かったし、また体験したいなんて思わないけど。
「ふーっ」
動かしていくうちに玩具は全部入っていた。もう痛みも不快感も無い。
そのまま、電源を入れる。まずは「弱」にして、じっくりと振動するのを楽しむ。さっき動かしていたので弱では物足りなさがあるけど、この強すぎない振動がまた愛液を出していく。
「あー」
振動はすぐに慣れて、思考する余裕が生まれてしまう。むしろ振動がちょうどいい感じの気持ちよさでまったりとした気分になってくる。
「あの人」がどうしてもちらつく。私をこんなにしたあの人。中学生の時にあった彼女は紛れもなく、私がこうなった原因で未だに忘れられない、忘れることが出来ない人だ。
あの人のことを考えると、下半身に力が入り始める。膣がどんどん締めつけていくのを感じる。無意識に締め付けていくのはもう自分でも止めようがない。
そのまま振動を「強」にする。
「う”っ」
流石にもう余裕とはいかない。思わず漏れた大きめの声に咄嗟に口を押さえる。朝からこんなことしてるところ見られたら恥ずかしすぎて死ねる。
声が漏れないように口を押さえるほど、快感が増幅するのは何かの業なのか。溢れる快感と声を必死に押さえながら、私はまだ玩具を動かしていた。
手元を見る余裕もないまま、動かしていれば、いずれは予想外の事態も起きる。起きないこともあるけど、残念ながら、今回は起こった。
手が今日は使う予定の無かった「うねる」ボタンを押しこむ。
ヴヴヴヴヴヴヴヴ。
予想外のタイミングで私の中で暴れる相棒に私の壁はあっさりと崩壊の一途を辿る。
「ん”ん”う”ん”」
必死に押さえた口からはそれなりの大きさの声が漏れ出ることとなる。無理に押し込めた快楽は外に出て行かないまま、脳内を蹂躙する。目の前が真っ白に明滅して呼吸すらうまくいかない。
跳ねまわる心臓がやっと落ち着いてきても、立ち上がる気力も未だにうねる玩具を出す元気もないまま、呆然と座る。
口の端からだらしなく零れる涎をふき取る元気もないし、なんだか生温かい下半身を見る勇気もない。


「先輩?」
後ろから聞こえてきた声に心臓が止まりそうになる。
最悪だ。
こうなりたくないから必死に声を押し殺していたのに、私は攻めるのが好きなのであって、攻められるのは趣味じゃない。
「おはよう、優里」
一糸まとわぬ姿の後輩にどう言い訳をするか私は必死に考え始めた。
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