とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛

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美術教師の美山先生

第9話 お互い様どうし

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 すごく困った顔が印象的だった。そっちから来たというのに、まるで詰問される犬のようにシュンとしてこちらをチラチラと見てくる。実に嗜虐心がくすぐられる光景ではあるけれど、それは一旦後回し。
「でそれ、どこで撮ったんですか?」
「あ、あの部屋の掃除箱の中から・・・」
確かにそんなものもあったけど、問題はなんでそんなところにいたのかだ。というかなんで教師なのにこんなに私に弱気なのだろうか。
もう一度彼女が見せてきた動画を見る。私が彼女に覆いかぶさって必死に唇を食べているときの映像。まるで獣だ。私はもっとプラトニックで心を触るようなやり方が好きなのに、よく我を忘れてやりすぎる。
なんだか見てたら、興奮してきた。生理が終わるといつも我慢できなくなる。別にいつもそこまで我慢してるわけじゃないけど、この時期はもっとひどくなる。この先生だってそんなに好みなわけじゃないのに、すごく抱きしめたくなる。
無意識に、たぶん無意識に、彼女に手を伸ばす。
「え、ちょっとなに!?」
先生の彼女の声がどこか遠く聞こえる。
うるさい口だ。聞き分けのない悪い口は塞がなきゃ。
無理やり開いた口の中に自分の舌をねじ込む。いつでも誰でも口の中は熱くて、火傷しそう。絡めた舌がびくびくと痙攣する。先生の体も一緒に跳ねる。
「ねぇ、なんであんなところにいたの?」
「それは・・・」

「もっと」
彼女の耳で囁く。彼女の手に伸ばした指は私に呼応するように向こうから絡めてくる。木に絡みつくツタみたいにしっかりとくっついて離れない。
「気持ちいいこと」
彼女の息遣いが私にも届く。熱くて荒い息は彼女の葛藤で荒れ狂う心を示しているみたいだ。私の足が這わせた太腿がピクリと揺れる。
「してあげるから」

一言彼女の耳に流すたびに、彼女の体温が上がって、私も身体が熱くなる。それでも葛藤する姿は教師として立派な姿なのだろう。深夜に学校で自慰に耽る教師を立派というのかは議論の余地があると思うが。
「ねぇ、見て?」
顔の前に昨日撮った動画を見せる。それは昨日の先生の姿。誰もいない部屋で自慰を思う存分に楽しむ姿。
「教えてもらえますか?先生」
動画が最後の彼女の躊躇を蹴り飛ばしたらしい。
「はぁ」
諦めたかのようにため息をついて彼女は語り始めた。
「学校で淫行をしている教師がいるらしいって聞いたの」
「それであそこに?」
「ええ、あそこは人もあんまり行かないし、窓の鍵が壊れていることは教師なら知っていることだから。人目を避けて会うなら最適でしょ?」
「まあ、確かに」
彼女の言葉が真実だとしても私ではないし、あの感じだと蜜柑さんも違うだろう。じゃあ、他にあんなことをしている教師がいるってこと?自分で言うのもあれだけど、この学校は大丈夫なのだろうか。
「ま、おかけで誰かはわかったけど」
「私達じゃないですよ?」
「は?」
「だって私はみか、蜜島先生と初めてあんなことしたし」
「・・・。他にもあんな教師がいるってこと?」
「まあ、そうですね」
「この学校大丈夫なのかしら」
「真実がわかってよかったじゃないですか」
「別に何も解決してないけど」
「そうだね、じゃ、はじめますか」
「何で服を脱いでいるの?」
「聞かなくてもわかるんじゃないですか?淫行教師が二人から三人に増えるんです」
「は!?巻き込まないでもらえる!?」
「動画」
「む」
動画は彼女のアキレス腱だ。動画を撮られているのは私も同じだけど、同じ穴の貉にしてしまえば話はずっと簡単になる。
みたところ、ほとんど経験ないみたいだし。女相手なら猶更だろう。


「ちょっ」
未だ抵抗をする構えの彼女の口を再度私の口で塞ぐ。さっきみたいな酩酊じみた状態じゃない、ちゃんと私の意思で彼女と肌を重ねる。
私を止めようとする手もことここに至っては何の意味もない。指を絡めながら、彼女の舌を吸う。手を繋いでいる分、彼女の反応がわかりやすい。指が絡まったり、舌を緩めればちょっと抵抗してみたりと忙しい。彼女の手を握りながらも、口は離さない。たっぷり五分も経ったころ、こちらから口を離す。
口と口の間に出来た橋が落ちる頃、やっと先生は言葉を発する。
「さいっていね、あなた」
「人の下着でオナニーしてる人に言われても」
恥ずかしそうに顔を逸らすあたり、罪悪感はちゃんとあったらしい。よだれ塗れの顔で恥ずかしそうな顔をされると、なんだか興奮してくる。
「・・・」
もう服に手を掛けられても何も言わない。黙って私に服を脱がされている。
「あら」
地味、というか普通の服の下からは黒くて、随分アダルティな下着が顔を出す。あまり大きくない胸を補って余りあるほどの色気を下着が出している。いや、身体がそうでもないから下着のギャップがあるのか。
「ちょっと、なにか言いなさいよ」
思わず黙ってしまった私に文句ありげな顔を向けてくる先生の顔はさっきとは違う赤さを頬に差していた。
「いや、思ったよりもエロいなと思って」
「そ、そう、なら、いいんだけど」
「もしかして何か予定ありました?」
「いや?何となく気合入れただけ」
どれだけエッチでも、じゃまなので最終的には脱がすんだけど。これだと脱がしていても興奮してくる。脱がしていくたびに私の下半身も濡れていく。やっと全部脱ぎ終わるころには、新しい下着が欲しくなる程度には下着がぐしょ濡れだった。

そこでなったチャイムは無情にも私たちの時間が終わったことを示す。
「じゃあ」
続きは放課後にでも、なんて言葉は彼女が掴んだ手がかき消す。
「私、このあと時間あるから」
潤んだ目が私の足をこの場に縫い留める。
「もう」
私は我慢できずに先生を押し倒した。

先生の突起はもうすでに天を衝いていて、触ってほしいと私に強請っているようだ。その願いに答えて、その突起を私の舌で転がす。
「んぅ」
誰もいない部屋に先生の声が溶けて消える。
チャイムで終わった昼休みは、学校中の喧騒も終わらせる。どこからもほとんど音が聞こえてこない、私達しかいないと錯覚しそうな場所。
下に伸ばした手が先生の裂け目に当たる。あまり手入れをされていないであろう、ちょっともさっとした毛の奥からぐっちょりと濡れた指を引き抜く。
「すごい、濡れてますね」
「それはあなたもでしょ?」
先生の手が私の濡れた下着をなぞる。
「ん」
「可愛い声だすのね」
「先生は私に抱かれていればいいんですって」
「はいはい」
そんな照れ隠しの言葉はきっと見透かされていて、抱っこをせがむ子供のように私に向かって手を伸ばす。
「む」
先生を私の腕で抱きしめる。私と同じぐらい細い体はぎゅっと抱きしめたら折れてしまいそうでなんとなく力を緩める。
お互いの心臓の音を聞きながらまたキスをする。キスするほど自分の足元にある水たまりが大きくなっていく。もうこれではどちらが抱いているのかよくわからない。
それが何となく気に入らなくて、彼女の膣中に指を滑り込ませる。これだけ濡れていれば、中指の一本ぐらい簡単に呑み込んでしまう。
先生の中に入れた指をゆっくりと動かすと、反応するようにきゅっと締め付けてくる。中のヒダで私の指を食べようとしているかのように蠢く。
「んん」
私の下で息を漏らす先生の顔を見ていると何となくキスしたくなってまたキスをする。たぶん、三度目のキス。もうあんまり覚えていないけど。
キスすると急に先生の締め付けが強くなって、蠢くのが減っていく。先生の絶頂に合わせて舌を絡ませる。舌と膣が連動しているように私の舌を吸い取ろうとしているかのように絡めて来る。
「んんーーーーっ」
キスした口の中で先生の絶頂の声が爆発する。まるで学校全体に響くような声が私たちの口の中で跳ね返る。

お互いの脳内でやっと声の反響が収まったころ、五時間目終了のチャイムが鳴る。流石にこれ以上サボるのが良くないというのはどっちもわかっているからこそ迅速に着替えた。
「ああ、これあげる」
そういって差し出されたのは先生の下着。
「え?」
「ああ、違うからね、これは替えのやつ。いつも一応持ち歩いてるから」
「・・・ありがとうございます。洗って返しますね」
「ええ、よろしく」
「あ、洗わない方がいいですか?」
「うるさい、ばか」
追い出されるように部屋を出て教室に帰る。さてどうやって言い訳したものか。
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