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美術教師の美山先生

第11話 竜胆の蜜柑漬け ~一欠片の優しさを添えて~

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 目の前にあるのは予想だにしていない光景だ。というか、掃除箱の中に教師が縛られてバイブを突っ込まれて光景を想像したことがあるのはたぶん少数派だろう。
「えーっと、これは?」
「美山先生ね」
「それは見ればわかりますけど・・・」
「じゃあ、いいじゃない」
「いい、んですかね」
「いいのよ」
「そっか、じゃあ、いいのか?」
「ンンーッ」
縛られてる先生が見捨てないでと言うかのように呻く。顔は真っ赤だし、よく見れば掃除箱の下には水たまりが出来ている。匂いがしないのでたぶん漏らしたわけじゃないんだろうけど、漏らしてないのにこれだけ液体を出して無事でいられるのだろうか。
「ン!ンン!ンッ!ンーーッ!」
何を言っているかはわからないけど何をしてほしいのかはわかる。正直かなり良い光景なので写真を撮ってしまいたいぐらいなのだが。可哀そうと犯したいがギリギリでせめぎあって、可哀そうが勝っている。命拾いしたわね、なんて思いながら蜜柑に聞く。もうすっかり蜜柑と呼び捨てることに違和感がなくなった。
「蜜柑、解いていい?」
「えー?」
「いや、これ脱水とかにならないんですか?」
「それもそっか、じゃ、解いてあげて」
「あ、私なんだ」
どのみち掃除箱に詰まっている先生の紐を解くのに二人いたら邪魔だろう。妙にきっちりと縛られている紐を解いていく。一本づつ解かないと余計にこんがらがってしまいそうなので多少時間がかかってもゆっくりと解いた方がいいだろう。先生にはもうしばし我慢してもらおう。
やっと解き終わったころにはもう先生は言葉を発する元気もなくぐったりとしていた。まぁ縛られて、暴れてもいれば動けなくもなるだろう。
「・・・一応礼を言ったほうがいいのかしら。命拾いしたわ」
「もっと崇め奉ってもいいですよ?」
「調子に乗らないの」
「それで、なんでこんな場所で縛られてたんですか?」
「それはそっちに聞いてもらえる?」
恨みがましい目を私の背後に向ける。向けられた方は知らん顔をして顔を逸らしていたけど。
「・・・私の優子に手を出したからちょっとお仕置きしたのよ」
「それで監禁したんですか。というか、私は蜜柑のモノじゃない」
「わたしの」
「違います」
ちょっとむっとした顔で私の顔を見ているけど、結局また顔を逸らした。意外とこどもっぽい所がある。
「嫉妬したみたい。子供っぽいのよね、蜜柑」
「え?」
「うるさい、正子」
「え?」
「どうしたの?」
「二人って知り合いなんですか?」
「高校が同じなの」
「そう、いろいろあったわね。懐かしい」
「まぁ、そうね」
「いろいろ、ですか?」
「そう、いろいろ」
「いろいろって?」
「それは今日のあなたの頑張り次第ね」

「それで正子、私はまだ優子に手を出したこと許してないからね」
「そもそも生徒に手を出すんじゃないわよ」
「最初は私じゃないし」
「うそ」
「ほんと、あなたもどうせ優子に押し倒された口でしょ?」
「それはそうだけど」
「ほらやっぱり。優子もお仕置きがまだ必要よね」
「・・・確かに」
「生徒に手は出さないんじゃなかったの?」
「それはそれ、これはこれよ」
目の前でなにやら不穏な会話が広がっているし、なんだかとても私に不利な結論が近づいているのを感じる。
「よいしょっと」
逃げる隙もなく、後ろから蜜柑にしっかりと抱きしめられる。愛溢れる抱擁ではなくて、絶対に逃がさないという意思を強く感じる抱擁だった。
「もう、私今日はいいかなって・・・」
「ダメに決まってるでしょ。あなたが原因なんだから」
流石にこのまま帰らしてはくれないらしい。

右には蜜柑が、左には先生が、あまり大きくないソファーの上に三人で座っている。両手に花とは正にこのことだろう。私の手が二人の下着の中に入っていることを除けば、歳の離れた仲良し三人組に見えることだろう。
「さっきも、思ったけど、譲島さん、上手いわよね」
「そうなの、言っとくけど私が仕込んだわけじゃないからね」
「どうだか、ひゃっ」
余裕の顔で二人が会話しているのがなんだか悔しくて、軽くこするように擦り上げる。顔は平静を保っていても、やっぱり触っていればだんだんと濡れてくるもので、指の湿度が上がっていく。
「二人ともポーカーフェイス上手ですね」
「ま、まあね」
「教師だからね」
教師はポーカーフェイスが上手いらしい。なんだか嫌なことを聞いた。確かに二人とも多少顔は赤いけど、いつも通りの顔だ。
それにしても、こう、二人に両手を使っていると、自分のが触れない。さっきからずっと物足りない感じが全身にまとわりついている。さっきは先生のこともあって頭の中から無くなっていたけど、こうして二人のを触っているとまたムクムクと欲望が首をもたげてくる。
「譲島さん?大丈夫?」
隣の先生が心配そうな顔でこちらを覗き込んでくる。
「大丈夫、じゃないです。さっきからずっと焦らされてたから」
「え?じゃあ、一回変わる?」
「いいんですか?」
「ダメに決まってるでしょ」
まとまりかけてた相談を壊したのは横から入ってきたのは蜜柑だった。
「お仕置きだって言ったでしょ?何を気持ちよくなろうとしてるの」
「うー、でも」
「ダメなものはダメ」
そう言って私の腕を蜜柑の胸の間に挟む。しっかりと腕を握られてはそうそう振り払いにくい。
「ほら、正子も」
「はいはい」
先生も促されるままに私の腕をしっかりと握って胸の間に挟む。
「ほらほら、指が止まってる」
さっきよりもだいぶ近い耳元で蜜柑の声が聞こえる。腕を押さえてるとどうしても姿勢が私の方にもたれかかってくることになる。
「大丈夫?」
心配そうな声がまた耳元で聞こえる。さっきとは違って反対方向からだけど。心配してくれてるのは嬉しいけど、そんなに囁かれると逆効果でだ。右も左も逃げ場のない声の波が私の脳を犯す。優しい声と、いじわるそうな声が両サイドから囁いてくる。もうこのまま何も触らないまま、イけてしまいそうですらある。
もう足を動かして我慢するのも限界を感じる。触っていないのに達するなんて変な感じだけどこのままイってしまえるのか、なんて考えていた。
「よいしょっと。ほら、正子もこっち」
急にソファーから降りた二人は私の前に跪くようにしゃがみ込む。私についていれば、そのまま咥えることすらできそうな位置関係。
「何を?」
「・・・」
何も答えることなく無言で私のスカートとパンツを獲る。せめて何か言ってほしいんだけど・・・。
「蜜柑?」
何をされるのかは何となく察しはついているけど、それでも聞かずにはいられなかった。
「そんなにイきたいなら、イかせてあげようと思って。ね、正子」
「ええ?まぁ、いいけど」
「それじゃ、お仕置きの仕上げといきましょうか」
蜜柑の口が私の足の間に挟まる。そしてそのまま彼女の舌が私の中に入ってくる。まるで容赦のない攻めに耐えられるほど、今の私に余裕はない。
「ン、イくっ」
なんとも情けなく達した私の中に舌はまだ入ったままで。
「蜜柑?」
「いっぱいイっていいよ」
満面の笑で恐ろしいことを言ってくる。
一回イってしまった体ではあまり力が入らない。私は二人にどれだけイかされるのかを考ようとして、やっぱりやめることにした。
どうせ二人の気の済むまで終わらないだろうし。


結局解放されたのはとっぷりと日が暮れた後だった。
「そういえば、もう一人の淫行教師って誰なんですかね」
「確かに、というか私はそれが誰かを突き止めたかったのに・・・」
「まぁ、そのうちわかるでしょ」
「なんで蜜柑はそんなに楽観的なのよ」
「ほら、同じ穴の狢って言うし」
「・・・最悪だわ」
先生の顔は割と後悔している顔だった。
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