【完結】太っちょ悪役令嬢に転生しちゃったけど今日も推しを見守っています!

くま

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番外編 おまけ

その後のヒロイン

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私はただ幸せになりたかっただけ…楽しいゲームをしていただけ。それなのに何を間違えたのだろうか?国に帰ると、お母様は贅沢し放題と男遊びをしている事がバレて、事実上部屋から一歩も出れなくなった。私のほうは体が病弱と診断され、城から遠く離れた暗い塔に隔離されるとこととなった。
暗い塔の一番上に私は閉じ込められ、毎食護衛の者が私にパンとスープを持ってきてくれるだけ。

ある日、カツンカツンと誰かがやってきた。私と同じオレンジ色の髪の青年であり、ゲームではすぐにいなくなっているはずのモブですらない腹違いで、私をこんな薄汚ない場所へ入れた兄ヘンリーだわ。

「……何しにきたの?」

そう固いパンを食べながら話すと、何故かヘンリーは悲しそうな表情をしていた。

「ディール君は庶民へと降格したよ。もう貴族でもなんでもないよ」

「あら、そう。それで私が悲しむと?」

「アンナ…ディール君は自業自得だけど、君が巻きこんだんだよ」

知らない、私には関係がない。勝手にキャラクターが動いただけ。だって私はヒロインだもの。ヒロインの為に動いてくれるのが攻略対象者達の役目だもの。私はまた一口パンを食べているとヘンリーはただ溜め息だけを吐いた。

「…黒の一族であるジオルド・クロだけど…」

「…え?ジオルド?ジオルドが何よ?」

「死刑判決が下されたよ。明日だ」

「…ジオルドは関係ないわよ」

彼はゲーム攻略対象者であるクラウドの兄というだけで、キャラクターでもなんでもない。

ただの私の…そう友と呼べる人物。

「っそんなの!許さない!私はヒロインでなくてもいいから!ジオルドを自由にしてよ!彼はただ…縛られず自由に生きたいだけ!少しおふざけが好きなだけなんだから!」

「……君とあのジオルドは不思議な関係だね。恋人とかでないのに…なんでそんな必死に…
その気持ちをもっとみんなに分けて欲しかったかな。それじゃあ、僕はもう出るよ。二度と顔を見せないし、来ない」

「誰も、会いに来てと頼んでないけど!そんな事よりジオルドを解放しなさいよ!なんなの!許さない!」

どんなに喚いても、ヘンリーは振り向かず下へ降りて行った。


何処で何の選択肢を間違えたのだろうか?
ジオルドは明日死刑になる…

「……もう誰も私の味方なんて…いないんだ」

前世でも親に愛されず、今世でも誰からも必要とされてない。ボーと何も考えることができず、真夜中になり、窓から外を眺めていた。

「…ジオルド…もう会えないの?あんた…死ぬタマじゃないでしょ…っ…うっ…ひっく…」


「あははは☆何泣いてるの?らしくないじゃん」

バッと声をする方へ振り向くと……ジオルドがいた。何人かの護衛を倒してやってきた。

「…えっ、ジオルド?」

「えーそうに決まってるじゃん!なに?泣いてた?」

「泣いてるわけないわよ!それよりも怪我のほうは…」

ジオルドは牢を壊して私に手を差し伸べ笑った。

「アンナ、君がいないのは退屈だよ☆別なゲームをしてまた楽しもう!まずはここからの
《脱出ゲーム》だね☆」

私はホッとして、ジオルドの手を取り、塔から抜け出した。ジオルドと共に歩こうと決意した瞬間、すぐに国の兵達が追いかけてきた。

「奴は危険だ!追え!アンナもだ!」

ふと後ろの方からは、ヘンリーの声が聞こえた。

「あはは☆昔、アンナに教えてもらった
《オニゴッコ》してるみたいだね☆」

「ハァハァ!なに呑気な事言ってんのよ!!ほら走るわよ!」

「アンナ、たくましいー☆」

この瞬間だけ、子供の頃に戻った気分だった。ジオルドとふざけて、遊んで……そっか。私…

「ヒロインじゃなくてよかったんだ…」

そう呟いた瞬間沢山の矢の攻撃がきて、ジオルドは私を庇いその攻撃を交わす。だけど…走った先は…ただの崖だった。この先道はない。

「……ハァハァハァ…崖よ。ジオルド…」

「あはは☆だねえ」


多分…私もジオルドも…わかっている。わかってるんだ。この先なんてない。私は…ヒロインでもない。ただジオルドは…いつまでも笑ってるだけ。だから…私も笑った。

「ジオルド、ゲームをしましょう。この先どちらが地獄へ逝くか」

自信満々に私はそう言うとジオルドは私の手を取り

「アンナはそうでなくちゃね!ジゴクって面白そうだわ!」

私達はただ見つめあった。その時

「…アンナ!!!はやまった事はやめろ!」

ヘンリーが私達の後を追ってきた。何故青ざめた顔をするのかしら?私はただ、ニコッと笑いかけ
お辞儀をした。

私とジオルドは

「「さあゲームをはじめよう」」
そう言って一緒に崖から飛び降りた。



「ねえ、なんだか今日のジオルドは、王子様みたいでかっこよくて、最高に面白いシナリオになったわ」


そう呟くと、彼はギュッと私を抱きしめた。

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