【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

くま

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アデライト  逆行復讐編

お馬鹿な父と母にサヨナラ

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ちょうど騎士団がぞろぞろとやってきた。お父様は慌ててた様子で、お母様はプルプルと震えていた。

「ジェイソン・マカロン!その妻、カナリア・マカロン!人身売買及び不正取引などによってここで逮捕する!捕らえろ!」

「ちが!間違えてるぞ!やってない!私はマカロン家当主だぞ!国の為に、王の為に働いてる善良なる貴族だ!」

そう叫ぶお父様にシリウス伯父様は、お父様に当主権利書の紙を見せて話す。

「今、この時点でこのシリウス・マカロンがマカロン家の当主となったよ。権利書もあり、昨日国王陛下と話しをして、許可をいただいた。子供達は私が引き取るようになったから安心して牢獄へ行き罪を償うんだな。愚弟」

「ななななな、なん、なん‥‥」

お母様は涙目になりながら、アメリーの元へ駆け寄ろうとしたけれど、すぐに衛兵に捕まってしまった。


「‥離してちょうだい!私は全部愛する子供の為にしたことよ!何が悪いの!?アメリー!アメリーは生まれたばかりよ!母と子を引き離すなんて‥なんて酷い!」

涙を流すお母様に、シリウス伯父様はハァと溜め息を出した。

「その子供達に対する優しさがあるのならば、親ならば、何故病院の子供達の臓器を売買して私服を肥やしてたのか私には理解できんな」

そうシリウス伯父様が話すのを聞いてジェイコブお兄様とソフィアは顔を青ざめて驚いていた。
ソフィアは、お母様のそばへ近寄って話しかけていた。

「‥‥‥私は‥‥お母様に愛されてましたか?」

「貴女は何を言ってるの?ソフィア‥‥そんな事より、アメリーを‥‥まだ、私あの子にミルクをあげてないの。アメリー‥‥アデライト。アデライトはわかるでしょう?ジェイコブだってわかるはずよ。私はいい母親でしょう?離れたくないはずよ」

ソフィアの問いには答えず、私とアメリー、ジェイコブお兄様の名前を何度も呼ぶお母様にソフィアは涙目で笑いながら声をかけた。

「‥‥そっか。そうですよね。お母様、お父様‥‥罪を償ってください‥‥サヨナラ」

ジェイコブお兄様はソフィアの手をぎゅっと握ってお母様から離れてシリウス伯父様側へと寄るとお母様はショックだったのか、固まっていた。

お父様とお母様は呆気なく逮捕され、牢獄へと連れていかれた。洗いざらい色々と話してもらうため拷問もされるでしょうね。

連れていかれたお父様とお母様を見送り、私達はシリウス伯父様に応接間に集まれと言われた。アメリーはナタリアに任せて、私とジェイコブお兄様、ソフィアはシリウス伯父様に改めて挨拶をした。

挨拶をすると、シリウス伯父様は、ジッと私をみて質問をした。

「‥‥さて、マカロン家は私が当主となったが、今回君達の親が捕まり世間は、マカロン家を『悪』とみなすだろう。噂はすぐに広まる。事業も引き継ぎはするが、以前のように贅沢はできない」

「ふふ。あら、贅沢が出来ないなんて嫌ですわ」

「ちょ、アデライト!‥‥初めて会う伯父様だぞ!?」

そう私がキッパリと嫌がると、気に食わないのか眉を寄せるシリウス伯父様。ジェイコブお兄様は慌てて私を止めようとしたけれど、贅沢が出来ないって、意味がわからないもの。

「アデライト、君は自分の立場がわかってないように見えるな。マカロン家の今やっている事業は撤退する。お金はそんなにすぐ出来るものじゃーー」

「出来ると言いましたら?」

私は既に『用意』していた事業計画書をシリウス伯父様に見せて話す。

「もうすでに土地、人材も、確保いたしましたの。あぁ、あとその地図に印あるところは、必ず買うべきかと思い買いましたわ。金と銀が沢山あるんですもの」

そうニッコリ話すアデライトにシリウスは固まっていた。

「アデライト?そんな土地とか子供が買えるような事できないじゃないか!?」

「ふふ、ジェイコブお兄様。うるさいですわ。‥‥私は買い物をして、親におねだりしただけですわ。名義は勿論、私よ」

「アデライト姉様いつのまにそんな事を」

「ソフィア、貴女だって影で剣術の練習をしているのと一緒よ」

ジェイコブとソフィアは「いや、違うような‥‥」と思いつつも、ムチが出てきそうなのでとりあえず、黙った。

シリウスはハァとため息を出して

「下がりなさい。とりあえず今日はゆっくり休みなさい」

そう言い立ち上がって、すれ違いざまにナタリアの方を見て

「‥改めてだが、ナタリア。また世話になる」

「はい。シリウス様」

少しだけ挨拶を交わし部屋から出ていった。

シリウスは屋敷の廊下を歩きながら、自分の専属執事であるセバスチャンに話しかける。

「‥子供四人とはな。お前はどう思う?」

「シリウス様が一気に子持ちになり、私は嬉しゅうございますよ」

「ふざけるな。‥‥長男は剣術の天才と呼ばれていたが、甘い香りを漂わせていた。次女の方は‥‥手にかなりの剣タコが出来ていた。相当練習してるようだった‥」

そう話すシリウスにセバスチャンはニコニコしながら黙って話しを聞いていた。

「‥‥長女は‥‥少し危ういな」

「アデライトお嬢様ですかな?危うい、とは?」

「‥‥わからないが、何かのキッカケで、すぐに自滅しそうな危うさがある。それとあの我儘と態度は、少し‥‥あの弟いうより‥‥」

「昔のシリウス様に似てますなあ。あの、見下した目つきとか。懐かしゅうございますな、ナタリアさんもいるし」

そうセバスチャンが話すと、シリウスはコホンと咳払いをし、仕事をしに行った。


夜になり私は月を眺めていた。

「アデライトお嬢様、どうされましたか?もう夜は冷えますので寝ましょう」

ナタリアは私に温かいハチミツ入りのミルクをくれた。‥‥ワインが良いのだけど、今はお子様の私にはコレが良いのでしょうね。

本当はあの二人をこの手で殺したかったけれど、もう少し情報を引き出したいのよね。

色々と他の貴族達や知らない人達が関わっていたかもしれないもの。

コンコンとドアを叩く音がした。ジェイコブお兄様とモジモジと照れているソフィアだった。

「‥‥二人してなんですの」

「兄妹水入らず!仲良く寝よう!」

「は?嫌ですわ。ジェイコブお兄様は外で寝ててくださいませ」

「がーん!‥‥で、でも寂しがってると思って!ほら、今日色々あったし!寂しいだろう!?」

そうね、ジェイコブお兄様がね。ちゃっかり、枕を用意してるし‥‥

「私は一人で寝たーー」

ソフィアは素早く私のベットへと入り込み、ジェイコブお兄様も笑いながらベットへと潜りこんだ。

「ソフィア真ん中だ!僕は右に寝る」

「ハイッ」

‥‥‥二人‥‥邪魔だわ。なんで一緒に寝るのか意味がわからない。こんな時間は苦痛だし、無駄なのに。

「「へへへ」」

二人共、笑っているのが腹が立つので、ムチで叩こうとした時、無理やりナタリアにベットへと押し込まれた。

「ちょっ、私は寝ないわ。嫌。絶対嫌。死んでも嫌」

「いいじゃないですか。みなさんおやすみなさいませー!」



シンと暗がりのベットの中、グスッと鼻水の音をすするのが聞こえた。

「‥‥ぼ、僕、ぜったい、強くなる。父上や母上がいなくてもアデライトやソフィア、アメリーを守るからっ‥ぐす‥寂しかったらお菓子作ってあげる」

いらないわ。長男がこの先泣いてどうするのかしら。

「わ、私も強くなります!マカロン家は良い家だと名誉回復のためにも」

それ以上強くなるのはやめてもらいたいわね‥‥。

私は二人が色々と話しているのを聞いてると疲れるので、無視して目を瞑った。少し寝たふりしたら、そう、別の部屋へ行きましょう‥‥‥。

そう考えつつ、朝まで寝てしまったのが失態だったわ。最悪‥‥しかも、私は床で寝てる。
寝相が悪いのはジェイコブお兄様ね‥‥お仕置きと躾が必要ね。




早くルカに会いたいわ。

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