バッドエンドを回避したい男装令嬢の奮闘記!

くま

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令嬢は男装して騎士団へ

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「ベクシュン!!あー、風邪か?エマの野郎、急に旅行行くとかわけわからんやつだな」

ギルバートはポケットからハンカチを取り出し、自分の顔を拭こうとした時、ギルバートの近くにいた中年のメイドがクスッと笑いながら話しかける。

「あら、ギルバート様。そのハンカチ動物模様は懐かしいございますね。幼かったころ、エマ様がギルバート様にあげたものですね、確かその動物はーー犬でしょうか」

ギルバートはハンカチの動物模様を見つめて話す。

「いや、これうさぎだ。うさぎ」

ハアとため息を出した後、ギルバートの背筋は何故か冷たく感じた。

「どうなさいましたか?ギルバート様」

「……なんか嫌な予感しかないのは気のせいか?」

そう呟く、モブのギルバートだった。





強者揃いの青年達が黒い門を通り、試験会場へと足を運ぶ。

「1番出世するならホワイト騎士団だが、あそこは貴族のお坊ちゃんしかいけないからなあー」

「実力でいえば、やっぱりブラック騎士団だろ!俺はここの騎士になって成り上がるぜ!」

「定期的に募集してるけど、年に一人、二人ぐらいしか入れない厳しいとこだけどな…」

そう緊張した顔をして話してい
る青年達を私は無視して、足早に会場へと着く。

面接官達は順番に紙を渡していた。私は38番かー。
ブラック騎士団は実力主義だと聞いている。
ギルバートの父でシーモア公爵は、エメラルド騎士団を統括し、私のお師匠様でもあるし、剣術なら私は負けないわ!

「それにしても…やはり太公様の屋敷内にある騎士団の訓練会場はお師匠様のエメラルド騎士団とは全然違う!広い!」

周りにいる黒い制服を着ている騎士団達も、オーラが違うわ。試験を受けにきた私達を殺気立って見ているもの。

何人かは怖気づけついて、辞退もしていた。

ポン!と背中がぶつかり、私が謝る前にそばかす顔の青年が私に謝ってきた。

「す、すすいません!めちゃくちゃ緊張して!!周り見てなかったっす!」

「いや、僕も周りを見てなかったんだ。ごめんね」

「いやあ、それにしても、やっぱ広いっすね!えーと、あ、オイラはレイモンドっす!宜しく!」

「僕はーーえーと、エル!よろしく」

偽名はエルにして、とにかく早く入団してアレクと会わないとね!!

私達を見てクスクスと小馬鹿に笑っていた青年が声をかけてきた。

「ぶは!やはりブラック騎士団は、平民あがりの奴らも混ざってるんだな。質が下がるから帰ったらどうだ?」

なんだか、腹が立つ男ね…ぶん殴ったほうよいかしら?レイモンドは自分が平民が故に、何も言えず笑って誤魔化していた。
多分…この腹立つ男は貴族出身なんだろうけど……

「なあ、平民とか関係なくないか?実力があれば平民も貴族も関係ないだろう」

そう私が話すと、男は私を睨んでからまた笑い出す。

「俺はお前よりは強いから大丈夫だよ!!…にしても、あー、お前達の身なりをみると、まあ、平民で田舎丸出しなのはわかってる。まあ、このブラック騎士団でも平民出身の隊長もいるみたいだけどなー、確か【アレク】だっけか。大した実力もなく、どうせ体でも売ってーーーがびゅふあ!!?!」

見事なストレートパンチを出し、男を気絶させたレティシア…いやエルに、面接官である騎士達はエルの腕をとりあげた。

「38番!勝手な行動は、騎士団でも乱す!!よって、不合格!!!」

「な、なんで!?嫌!絶対いやです!」

「いや、不合格……」

「絶対ここから離れぬ!!」













「……なんだ?やけに会場が騒がしいな」

「あぁ、今日は騎士の入団試験日でしたね。太公?どちらへ?」

黒いマントと制服を身に着けていた男性は、やたらと騒がしい会場が気になり足を運ぶ。




「だから!このピンク頭チビ!お前は不合格だ!試験前にこんな騒ぎを起こして!」

「おじさん!こんな理不尽な審査結果はわたーー僕は大反対です!これは未来ある若い騎士に対する、冒涜です!」

「おま、おじさんだとい!?少しはおとなしくーー」


会場がピリッと静かになり、冷たい空気が流れてきた。
私が後ろを振り向くと、黒い髪に赤い瞳色と、黒い制服を着ている男性が私を見下ろしていた。

ギルバートと違くイケメンさんだわ。
吸い込まれそうな瞳……。


「…お前か騒がしい原因を作っているのは」

「ち、違います!僕は試験をしてからきちんと実力を見てもらいたいだけです!」

「……ほぉ?強いと自信があるのか?」

「もちろんです!このブラック騎士団を率いる太公様よりもね!」


そう私が自信満々に話すと、レイモンドも含め周りは何故か青ざめていた。
先程私を不合格にした騎士の人は、慌てて何かを言い始めた時。

「……ならば、私が相手をしてやろう。お前の実力見てやる」

「お兄さん……ブラック騎士団の人?ありがとうございます!!」

そう私は剣を貰い、ブラック騎士団の人イケメン黒髪男性と剣を交える事になった。





















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