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03.妖刀ゲット
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俺、松代《まつしろ》 才賀《さいが》は、ダンジョンに捨てられた。
ヒドラと遭遇し絶望するも、スキル【無】の秘めたる力に気づき……。
見事、ヒドラに勝利したのだった。
『おい、起きろ。小僧。起きろといってるのだ』
……誰だ?
男とも、女とも捉えられるような声。
『死んではおらんのだろう? 起きろ、小僧』
……ゆっくりと目を開ける。
体を起こす。……生きてる。そうだよな、生きてるよな……。
『小僧。こっちだ』
「え……?」
声のする方を見やるも、誰もいない。
ヒドラの死体があったところには……。
「宝箱……?」
大きめの宝箱が、鎮座してる。
俺は気になって、宝箱を開けてみた……。
「なんだこれ……? コートに……剣?」
『妖刀だ』
!?
声がまたした。
まさか……まさかだが……。
「この声……おまえか? 妖刀」
『然り。どうやら貴様は、我を使う資格を持ってるようだな』
まじか……。しゃべる刀なんてあるんだな。
いや、あるか。異世界だしな。
「おまえは……なんなんだよ? 」
『我は妖刀【七福塵《しちふくじん》】』
「妖刀……しちふくじん?」
なんかめでたい名前だな。
『我は元は刀鍛冶だった。この妖刀を完成させた瞬間、我の魂をこいつに食われてしまってな。今はごらんの有様だ』
自分の作った妖刀に、魂を食われた……?
やばい刀じゃないか、これ……。
置いておこう……。
『まあ待て。小僧。貴様ならこの妖刀を扱えるだろう。貴様はヒドラの毒を受け付けなかった。ならば、この妖刀の発する呪毒も効かぬだろう』
「……根拠は?」
『ヒドラの毒は、この我、七福塵《しちふくじん》が分泌していた毒だからな』
七福塵《しちふくじん》曰く、どうやらこのアイテムは、ヒドラからドロップした品物らしい。
『魔物は核となるものに、魔素《マナ》とよばれるガスがくっつくことで肉体を得る。ヒドラは、この妖刀【七福塵《しちふくじん》】、および外套【夜笠】を核として形成されておったのだ。魔物は核の特性を引き継いで生まれる』
つまりヒドラの毒は、七福塵《しちふくじん》由来だったってことか。
『小僧。我を手に取り、抜け。きっと役に立つぞ』
「…………」
なんだこいつ?
やけにフレンドリーすぎないか? 妖しすぎるだろ。
『そう警戒するな。我は小僧の持つ、その【無】っていうスキルに興味がある』
「…………」
『近くで貴様のその【無】スキルの、可能性を見てみたい。それだけだ。我をそばにおくなら、いろいろと教えてやってもいい。話し相手にもなるぞ? こんな地下でひとりぼっちはさみしいだろう? ん?』
……別に一人はなれてるが……。
この世界のことについて、知ってるやつがそばにいた方がいい……か。
「……わかった」
【無】を無毒に進化させて、妖刀を手に取る。
『きひひっ! やはりそうだ! 我の毒も効かない! 世界最強の毒たる、この妖刀の毒が効かない生物がよもやいるとは! 面白い! 実に面白いぞ!』
「うるさいな……七福塵《しちふくじん》……この夜笠ってのはなんだ?」
『それは布型の鎧だな』
「鎧……これが……?」
持ってみたが、全然重さを感じない。
普通のコートみたいだ。
『外見はただの黒いコートだが、その頑丈さは折り紙付きだ。鎧の効果をもち、敵の攻撃を防ぐ力がある。まあ、もっとも夜笠は呪物だ。無毒を持たぬものが着れば、呪いの影響で体が締め付けられて死ぬがな』
……ぶっ。
なんだよそれ、やばすぎだろ!
「というか……呪物ってなんだよ?」
『文字通り、呪われたアイテムだ。強大な力を持つ反面、使用することによるデメリットが存在する……が! 貴様はスキル【無】のおかげで、呪いのデメリットを一切受けない!』
……なんだ、それ。
こんなの……反則じゃ無いか……。
『この我、妖刀【七福塵《しちふくじん》】も、あらゆる毒を生成できる。溶解毒、麻痺毒、睡眠毒……あらゆる毒や薬を作れる。一方で、装備するとこの我に肉体を乗っ取られてしまう』
「……そんなデメリットがあったのかよ」
早く言えよ……。
『きひひっ! 面白い! 貴様は呪いへの強い耐性を持つようだ! 貴様に呪いの道具をたくさん装備させれば、いずれ最強……いや、現時点で最強か! あらゆる毒、あらゆる攻撃を無効化できるうえ、スキル【無】にはすごい使い道もある!』
「へえ……たとえば……?」
『相手の存在を消し飛ばす……無かったことにする、とかな。そうだな……【虚無】とか使ってみろ』
「…………」
存在を、無かったことにする?
そんなのが出来たら……。すごすぎるだろ。
できるのか?
『スキル【無】を【虚無】に進化させますか?』
……出来た。
『ものは試しだ。やってみろよ』
「………………」
こいつに命令されるのは非常にしゃくだし、あんまり信用におけないやつだ。
が、新しい力を試したいって気持ちはある。
俺は手を前に出して、スキルを発動させる。
「【虚無】!」
ぼっ……!
……目の前の壁に、大穴があいた。
まるで最初から、壁なんて無かったかのように……。
『きひひひ! 確定だ! 貴様はすごい……世界最強のスキル使いとなるぞ!』
呪物装備し放題。
攻撃も毒もきかず、俺の手には最強の妖刀がある。
そして……無限の可能性を秘めたスキル【無】。
これらが合わされば、俺は……。
「なあ、七福塵《しちふくじん》? 俺は……神を殺せるか?」
俺を理不尽に追放し、こんなところへ廃棄した……あのくそ女神。
あいつを……ぶっ殺す。
俺の中にあるのは、その強い思いだ。
『ああ、出来る。貴様にはそれだけの力がある』
「そうか……」
俺は呪物、夜笠を羽織り、妖刀【七福塵《しちふくじん》】を装備する。
「いくぞ」
『応。神殺しの旅か。きひひ! 面白くなりそうだ!』
こうして、俺、松代《まつしろ》 才賀《さいが》は異世界に廃棄させられた。
その元凶たるくそ女神を殺すために、旅に出たのだった。
ヒドラと遭遇し絶望するも、スキル【無】の秘めたる力に気づき……。
見事、ヒドラに勝利したのだった。
『おい、起きろ。小僧。起きろといってるのだ』
……誰だ?
男とも、女とも捉えられるような声。
『死んではおらんのだろう? 起きろ、小僧』
……ゆっくりと目を開ける。
体を起こす。……生きてる。そうだよな、生きてるよな……。
『小僧。こっちだ』
「え……?」
声のする方を見やるも、誰もいない。
ヒドラの死体があったところには……。
「宝箱……?」
大きめの宝箱が、鎮座してる。
俺は気になって、宝箱を開けてみた……。
「なんだこれ……? コートに……剣?」
『妖刀だ』
!?
声がまたした。
まさか……まさかだが……。
「この声……おまえか? 妖刀」
『然り。どうやら貴様は、我を使う資格を持ってるようだな』
まじか……。しゃべる刀なんてあるんだな。
いや、あるか。異世界だしな。
「おまえは……なんなんだよ? 」
『我は妖刀【七福塵《しちふくじん》】』
「妖刀……しちふくじん?」
なんかめでたい名前だな。
『我は元は刀鍛冶だった。この妖刀を完成させた瞬間、我の魂をこいつに食われてしまってな。今はごらんの有様だ』
自分の作った妖刀に、魂を食われた……?
やばい刀じゃないか、これ……。
置いておこう……。
『まあ待て。小僧。貴様ならこの妖刀を扱えるだろう。貴様はヒドラの毒を受け付けなかった。ならば、この妖刀の発する呪毒も効かぬだろう』
「……根拠は?」
『ヒドラの毒は、この我、七福塵《しちふくじん》が分泌していた毒だからな』
七福塵《しちふくじん》曰く、どうやらこのアイテムは、ヒドラからドロップした品物らしい。
『魔物は核となるものに、魔素《マナ》とよばれるガスがくっつくことで肉体を得る。ヒドラは、この妖刀【七福塵《しちふくじん》】、および外套【夜笠】を核として形成されておったのだ。魔物は核の特性を引き継いで生まれる』
つまりヒドラの毒は、七福塵《しちふくじん》由来だったってことか。
『小僧。我を手に取り、抜け。きっと役に立つぞ』
「…………」
なんだこいつ?
やけにフレンドリーすぎないか? 妖しすぎるだろ。
『そう警戒するな。我は小僧の持つ、その【無】っていうスキルに興味がある』
「…………」
『近くで貴様のその【無】スキルの、可能性を見てみたい。それだけだ。我をそばにおくなら、いろいろと教えてやってもいい。話し相手にもなるぞ? こんな地下でひとりぼっちはさみしいだろう? ん?』
……別に一人はなれてるが……。
この世界のことについて、知ってるやつがそばにいた方がいい……か。
「……わかった」
【無】を無毒に進化させて、妖刀を手に取る。
『きひひっ! やはりそうだ! 我の毒も効かない! 世界最強の毒たる、この妖刀の毒が効かない生物がよもやいるとは! 面白い! 実に面白いぞ!』
「うるさいな……七福塵《しちふくじん》……この夜笠ってのはなんだ?」
『それは布型の鎧だな』
「鎧……これが……?」
持ってみたが、全然重さを感じない。
普通のコートみたいだ。
『外見はただの黒いコートだが、その頑丈さは折り紙付きだ。鎧の効果をもち、敵の攻撃を防ぐ力がある。まあ、もっとも夜笠は呪物だ。無毒を持たぬものが着れば、呪いの影響で体が締め付けられて死ぬがな』
……ぶっ。
なんだよそれ、やばすぎだろ!
「というか……呪物ってなんだよ?」
『文字通り、呪われたアイテムだ。強大な力を持つ反面、使用することによるデメリットが存在する……が! 貴様はスキル【無】のおかげで、呪いのデメリットを一切受けない!』
……なんだ、それ。
こんなの……反則じゃ無いか……。
『この我、妖刀【七福塵《しちふくじん》】も、あらゆる毒を生成できる。溶解毒、麻痺毒、睡眠毒……あらゆる毒や薬を作れる。一方で、装備するとこの我に肉体を乗っ取られてしまう』
「……そんなデメリットがあったのかよ」
早く言えよ……。
『きひひっ! 面白い! 貴様は呪いへの強い耐性を持つようだ! 貴様に呪いの道具をたくさん装備させれば、いずれ最強……いや、現時点で最強か! あらゆる毒、あらゆる攻撃を無効化できるうえ、スキル【無】にはすごい使い道もある!』
「へえ……たとえば……?」
『相手の存在を消し飛ばす……無かったことにする、とかな。そうだな……【虚無】とか使ってみろ』
「…………」
存在を、無かったことにする?
そんなのが出来たら……。すごすぎるだろ。
できるのか?
『スキル【無】を【虚無】に進化させますか?』
……出来た。
『ものは試しだ。やってみろよ』
「………………」
こいつに命令されるのは非常にしゃくだし、あんまり信用におけないやつだ。
が、新しい力を試したいって気持ちはある。
俺は手を前に出して、スキルを発動させる。
「【虚無】!」
ぼっ……!
……目の前の壁に、大穴があいた。
まるで最初から、壁なんて無かったかのように……。
『きひひひ! 確定だ! 貴様はすごい……世界最強のスキル使いとなるぞ!』
呪物装備し放題。
攻撃も毒もきかず、俺の手には最強の妖刀がある。
そして……無限の可能性を秘めたスキル【無】。
これらが合わされば、俺は……。
「なあ、七福塵《しちふくじん》? 俺は……神を殺せるか?」
俺を理不尽に追放し、こんなところへ廃棄した……あのくそ女神。
あいつを……ぶっ殺す。
俺の中にあるのは、その強い思いだ。
『ああ、出来る。貴様にはそれだけの力がある』
「そうか……」
俺は呪物、夜笠を羽織り、妖刀【七福塵《しちふくじん》】を装備する。
「いくぞ」
『応。神殺しの旅か。きひひ! 面白くなりそうだ!』
こうして、俺、松代《まつしろ》 才賀《さいが》は異世界に廃棄させられた。
その元凶たるくそ女神を殺すために、旅に出たのだった。
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