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第8節 フィリア騎士学園本校地下・世界の深奥編
第258話 約束を守るための力
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セイバー「はぁはぁ…まだまだ…もう一度お願いします…!」
エリシア(ふむ…セイバーもこの学園に入ってだいぶ成長したな…身体や技術もそうだが、特に精神力が見違えた。
今のセイバーなら…あの技を教えても正しく使えるだろう。)
個別の授業で私は、エリシア教官と実技の組手をし…その後、学科の授業へと移った。
エリシア「……さて、例外はあるが、魔法にはわかりやすく大まかに分けると2種類ある…それはなんだと思う?」
セイバー「魔法ですか? うーん…私はコトリさんほど魔法の知識はないですから…正直わからないですわ…。」
エリシア「ヒントは対象がどこかだ。」
セイバー「対象…あっ…自分と相手ですか?」
エリシア「ああ、そうだ。」
そのままエリシア教官は話を続けていく。
エリシア「大体の場合は相手に…外側に向けて魔法を放つ。
だが、これからお前に教える魔法は内側に…自身の肉体や武器に魔法を放ち、属性付与や身体強化をするものだ。」
セイバー「っ…ま、まさかエリシア教官が『紫電』と呼ばれる所以となった『あの魔法』を教えていただけるんですか…!?
今まではどれだけお願いしても教えてくれませんでしたのに…!」
エリシア「はは…未だに紫電と呼ばれてはいるが、大戦の時の後遺症というかトラウマで、自身を対象にした魔法を今は使用できないんだがな…脳や身体が過敏に反応してしまうから…。
まあそれは置いておいてだ。あの魔法は、単なる補助魔法とは違う…半分魔法と一体化するんだ。武器だけにならまだしも、自分に魔法を放つのだから危険だ…さらには会得するには難易度が高くて、その方法も危険が伴うから、それが教えなかった『理由のひとつ』だ。」
自身の二つ名を出され、エリシア教官は苦笑いをしてみせ。
エリシア「だが、身体や技術に心が教えれる域に達した…だから頃合いだと思ったんだ。
ふふ…お前と出会ってからずいぶんと経つが、あの頃と比べ、お前は本当に立派に、そして真っ直ぐに成長した…他の誰が何を言っても、私はお前を一人前の騎士と認めるよ。」
セイバー「エリシア教官……その言葉、心から嬉しいです…ありがとうございます。
私がここまで成長できたのは、エリシア教官がいてくれたからです…教官がいてくれなかったら、今の私はいません…だから教官には、すごく感謝しています。」
エリシア教官との出会いを思い出す…
私は由緒ある貴族で、代々騎士の家に生まれた…なのに剣の才能がなく、剣の腕が全然上達しなく、前の家庭教師にも見捨てられ…他の貴族から、私のせいで家族まで陰で笑われることになった…
そんなところにエリシア教官が新しい家庭教師としてやってきて、私に別の戦い方を勧めてくれた…最初は剣ではない戦い方に反発もしたが、最後にはその熱意と教官を信頼して、私はそれを受け入れたのだった。
ちなみになぜ教官が、私の家庭教師をすることになったのかというと…私の家族とエリシア教官の家族には騎士の家としての繋がりがあり、お父さんたちが教官に家庭教師を頼み…
フランさんとマリスミゼル学園長に引き受けなさいと勧められたからだそうだ…エリシア教官にとっては大戦でのリバビリがてらだったのかもしれないが、教官との出会いが私にとってなくてはならない騎士としての一歩目だった。
エリシア「なあセイバー…魔法を教える前に、お前にひとつ確認したいことがある…今のお前が強くなりたい理由はなんだ?」
セイバー「えっ…? ……。」
エリシア教官の問い掛けに、私は考え込む…どうやらこれが、今まで私にあの魔法を教えてくれなかった最後の理由らしい…だから私は答える、今の理由を…。
セイバー「……強くなりたい理由は、自分の『価値』を他人に認めさせるため1番になりたかったからです。
これ以上自分の出来損ないさで、お父さんやお母さんたちに迷惑をかけたくない…だから誰よりも強くなって、コトリさんにも勝って1番を取って、周りに私は強いんだと力を示したかったからです。
でも…家族のことは別にしても、今はもう1番になりたいとか、そんなことはもう『どうでも』いいんです。」
エリシア教官の目をちゃんと見て、私は自分の想いを紡いでいく。
セイバー「リュネメイア事件の時…コトリさんがあの怪物と戦っているのをただ眺めているのが、私すごく悔しくて、自分に対して激しい怒りを覚えたんです…なんで戦いに加われなかったんだろうって…
私はあの場にいたはずなのに…私は手の届く『目の前』にいたのに…私は見ているだけしかできず、戦いに加われなかった…その自分の力の無さに心から怒りしか湧かなかった…
私は何もできず、リュネメイアがなんとかしなかったら、私はモニカさんとした『コトリさんを連れ帰る約束』を守れず、友達2人を失ったり悲しませたりしたと思うと…余計にです…
だから今度こそ私は『約束を守れる』だけの強さを身につけて、そしてコトリさんの隣に並んで、背中を任せ合って共に戦いたい…
モニカさんやコトリさん…そして家族を…大切なものを『この拳』で守りたい…それが今の私の強くなりたい理由です。
……それに…多くではなく、少なくても私を認めてくれる人がいれば、それで私はいい…そのことにモニカさんのおかげで気づけたから、私はもう1番にこだわらなくなりました…
あっ…でも、コトリさんに勝ちたいという気持ちは今でもありますよ? でもそれは彼女と私が、友達でありライバルだからです…
モニカさんには、私たち2人していつも明るく勇気づけられてる。そんな彼女をこの手で、この拳で守りたい…その想いは誰にも負けてなく、コトリさんにだってその役目は譲れませんわ…それに負けっぱなしも悔しいですし…!」
ただ突っかかっていた頃とは違い、私はコトリさんのことを誰よりも認めている…
そんな彼女よりモニカさんを想う気持ちだけは負けたくなくて、それは私がモニカさんを想う気持ちが『あの感情』だからで…
だからコトリさんとは友達で、そして色んな意味でライバルであり戦友という関係なのだ。
エリシア教官は、最後まで黙って私の想いを聞いてくれ…そして、口を開く。
エリシア「ふっ…自分だけの挫けぬ意思と想いは見つけれたようだな。
だがな、ひとつだけ言わせてもらうことがあるとすれば…お前のご両親は迷惑だなんて言ったのか?」
セイバー「えっ…そ、そんなこと…言われてはいません…が…。」
エリシア「セイバー、お前は周りの言葉の影響を受けて、自分を否定していたからそう思ってしまっていただけだ…はっきり言ってそれは、自分の思い込みで、事実ではないぞ。
周りの声に惑わされるな。お前の家族は、ただお前の『幸せを1番に願って』いる…その事はちゃんと理解し、そして忘れてやるな…
それじゃないと、そんな言葉を彼女らに言ったら『苦しませるためにお前を産んだのではない…でも自分たちのせいでお前を辛い目に合わせてしまった』と、彼女らは自身を責めることになる。」
セイバー「あっ……はい…わかりました…!」
あまり自己否定をし過ぎると、自分だけではなく家族まで苦しませてしまう原因になる…教官の言葉で、その事に私は今更気づけた……。
エリシア(ふむ…セイバーもこの学園に入ってだいぶ成長したな…身体や技術もそうだが、特に精神力が見違えた。
今のセイバーなら…あの技を教えても正しく使えるだろう。)
個別の授業で私は、エリシア教官と実技の組手をし…その後、学科の授業へと移った。
エリシア「……さて、例外はあるが、魔法にはわかりやすく大まかに分けると2種類ある…それはなんだと思う?」
セイバー「魔法ですか? うーん…私はコトリさんほど魔法の知識はないですから…正直わからないですわ…。」
エリシア「ヒントは対象がどこかだ。」
セイバー「対象…あっ…自分と相手ですか?」
エリシア「ああ、そうだ。」
そのままエリシア教官は話を続けていく。
エリシア「大体の場合は相手に…外側に向けて魔法を放つ。
だが、これからお前に教える魔法は内側に…自身の肉体や武器に魔法を放ち、属性付与や身体強化をするものだ。」
セイバー「っ…ま、まさかエリシア教官が『紫電』と呼ばれる所以となった『あの魔法』を教えていただけるんですか…!?
今まではどれだけお願いしても教えてくれませんでしたのに…!」
エリシア「はは…未だに紫電と呼ばれてはいるが、大戦の時の後遺症というかトラウマで、自身を対象にした魔法を今は使用できないんだがな…脳や身体が過敏に反応してしまうから…。
まあそれは置いておいてだ。あの魔法は、単なる補助魔法とは違う…半分魔法と一体化するんだ。武器だけにならまだしも、自分に魔法を放つのだから危険だ…さらには会得するには難易度が高くて、その方法も危険が伴うから、それが教えなかった『理由のひとつ』だ。」
自身の二つ名を出され、エリシア教官は苦笑いをしてみせ。
エリシア「だが、身体や技術に心が教えれる域に達した…だから頃合いだと思ったんだ。
ふふ…お前と出会ってからずいぶんと経つが、あの頃と比べ、お前は本当に立派に、そして真っ直ぐに成長した…他の誰が何を言っても、私はお前を一人前の騎士と認めるよ。」
セイバー「エリシア教官……その言葉、心から嬉しいです…ありがとうございます。
私がここまで成長できたのは、エリシア教官がいてくれたからです…教官がいてくれなかったら、今の私はいません…だから教官には、すごく感謝しています。」
エリシア教官との出会いを思い出す…
私は由緒ある貴族で、代々騎士の家に生まれた…なのに剣の才能がなく、剣の腕が全然上達しなく、前の家庭教師にも見捨てられ…他の貴族から、私のせいで家族まで陰で笑われることになった…
そんなところにエリシア教官が新しい家庭教師としてやってきて、私に別の戦い方を勧めてくれた…最初は剣ではない戦い方に反発もしたが、最後にはその熱意と教官を信頼して、私はそれを受け入れたのだった。
ちなみになぜ教官が、私の家庭教師をすることになったのかというと…私の家族とエリシア教官の家族には騎士の家としての繋がりがあり、お父さんたちが教官に家庭教師を頼み…
フランさんとマリスミゼル学園長に引き受けなさいと勧められたからだそうだ…エリシア教官にとっては大戦でのリバビリがてらだったのかもしれないが、教官との出会いが私にとってなくてはならない騎士としての一歩目だった。
エリシア「なあセイバー…魔法を教える前に、お前にひとつ確認したいことがある…今のお前が強くなりたい理由はなんだ?」
セイバー「えっ…? ……。」
エリシア教官の問い掛けに、私は考え込む…どうやらこれが、今まで私にあの魔法を教えてくれなかった最後の理由らしい…だから私は答える、今の理由を…。
セイバー「……強くなりたい理由は、自分の『価値』を他人に認めさせるため1番になりたかったからです。
これ以上自分の出来損ないさで、お父さんやお母さんたちに迷惑をかけたくない…だから誰よりも強くなって、コトリさんにも勝って1番を取って、周りに私は強いんだと力を示したかったからです。
でも…家族のことは別にしても、今はもう1番になりたいとか、そんなことはもう『どうでも』いいんです。」
エリシア教官の目をちゃんと見て、私は自分の想いを紡いでいく。
セイバー「リュネメイア事件の時…コトリさんがあの怪物と戦っているのをただ眺めているのが、私すごく悔しくて、自分に対して激しい怒りを覚えたんです…なんで戦いに加われなかったんだろうって…
私はあの場にいたはずなのに…私は手の届く『目の前』にいたのに…私は見ているだけしかできず、戦いに加われなかった…その自分の力の無さに心から怒りしか湧かなかった…
私は何もできず、リュネメイアがなんとかしなかったら、私はモニカさんとした『コトリさんを連れ帰る約束』を守れず、友達2人を失ったり悲しませたりしたと思うと…余計にです…
だから今度こそ私は『約束を守れる』だけの強さを身につけて、そしてコトリさんの隣に並んで、背中を任せ合って共に戦いたい…
モニカさんやコトリさん…そして家族を…大切なものを『この拳』で守りたい…それが今の私の強くなりたい理由です。
……それに…多くではなく、少なくても私を認めてくれる人がいれば、それで私はいい…そのことにモニカさんのおかげで気づけたから、私はもう1番にこだわらなくなりました…
あっ…でも、コトリさんに勝ちたいという気持ちは今でもありますよ? でもそれは彼女と私が、友達でありライバルだからです…
モニカさんには、私たち2人していつも明るく勇気づけられてる。そんな彼女をこの手で、この拳で守りたい…その想いは誰にも負けてなく、コトリさんにだってその役目は譲れませんわ…それに負けっぱなしも悔しいですし…!」
ただ突っかかっていた頃とは違い、私はコトリさんのことを誰よりも認めている…
そんな彼女よりモニカさんを想う気持ちだけは負けたくなくて、それは私がモニカさんを想う気持ちが『あの感情』だからで…
だからコトリさんとは友達で、そして色んな意味でライバルであり戦友という関係なのだ。
エリシア教官は、最後まで黙って私の想いを聞いてくれ…そして、口を開く。
エリシア「ふっ…自分だけの挫けぬ意思と想いは見つけれたようだな。
だがな、ひとつだけ言わせてもらうことがあるとすれば…お前のご両親は迷惑だなんて言ったのか?」
セイバー「えっ…そ、そんなこと…言われてはいません…が…。」
エリシア「セイバー、お前は周りの言葉の影響を受けて、自分を否定していたからそう思ってしまっていただけだ…はっきり言ってそれは、自分の思い込みで、事実ではないぞ。
周りの声に惑わされるな。お前の家族は、ただお前の『幸せを1番に願って』いる…その事はちゃんと理解し、そして忘れてやるな…
それじゃないと、そんな言葉を彼女らに言ったら『苦しませるためにお前を産んだのではない…でも自分たちのせいでお前を辛い目に合わせてしまった』と、彼女らは自身を責めることになる。」
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