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その5. 金曜の夜*

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 返事を、これからすることへの了承と捉えて、そっと口付ける。柔らかい唇の感触が心地よい。音を立てながらついばむような口付けを重ねるが、すぐに我慢しきれなくなって舌を滑り込ませた。

「んっ……ふ」

 舌先を突き合い、ぐるりと螺旋を描くように根本に向かって絡めてゆく。同時進行で健斗の手は美晴の体をまさぐり、乳房にたどり着くとゆっくりと揉みしだいた。

「ふぁ、んあっ……」


 口から漏れるその声が健斗の頭に響いて、己の分身を刺激する。美晴のバスローブの結び目を解いてくつろげると、彼女の肌に直接触れた。しっとりとして柔らかいその感触にくらくらする。唇をいったん離すと、今度は首筋にそって口付けを落としていく。吐息のような喘ぎ声が絶え間なく美晴の口からこぼれ、ビクビクと体が反応していった。

「美晴さんっ……!」

 強くなりすぎないように最大限に注意を払いながら、それでも自分の気が済むように乳房を揉む。その刺激を受け、美晴の乳首が次第に勃ってきた。自分の愛撫に美晴の体が反応している。それが健斗にはたまらなく嬉しい。美晴の乳輪を人差し指でそっとなぞると、そのまま咥えようと口を開けた。

「あ……、待って」

 その言葉とともに、するりと美晴の手が健斗の股間に伸びていく。そして状態を確かめるように陰茎を撫でられた。

「ちょっ、」
「もう大きくなっている」

 健斗を甘やかすような口調でそう言うと、美晴がベッドから降り、ひざまずいた。そして両手を陰茎に添えると、顔をその中心に近付ける。

「みっ、美晴さんっ、なに、なにするんですかっ?」

 思ってもみない美晴の行動に焦り、健斗が慌てて叫んだ。

「え? なにって、舐めようかと」
「なんで?!」
「なんでって」

 その質問に戸惑ったように首を傾げると、美晴はふいにからかうような表情になり口角を上げた。

「ご飯のお礼?」

 行為の一つ一つに深い意味など無い。ましてそれが今日初めてなろうとするふたりなら。そこに強いて理由を付けるのなら、こうして茶化すだけのことだ。美晴の態度は明らかにそう言っていたが、それが健斗には不満だった。

「駄目です」

 そう言うと美晴の脇に手を差し伸べ、ベッドの上に横たわらせた。




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