騎士団長が大変です

曙なつき

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第一章 騎士団長が大変です

第五話 大変な騎士団長

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 時間をかけて広げたそこは、三本の指を受け入れられるようになった。
 オイルが太ももを滴り落ちて床を濡らしている。その部分は柔らかく解され、男の長い指を悦んで受け入れるように開き始めていた。

「……もう大丈夫でしょう」

 ちゅっと男のその頬に口づけを落とした。
 自分の下で、彼は目を潤ませ、ハァハァと荒く息を吐き続けている。
 それを見ている自分の男根も痛いほど張りつめていた。早くこの、温かくもきつく締め付けるであろう、騎士団長の後孔に入れてしまいたい。






 その時、玄関の扉のドアノッカーが激しく叩かれる音がした。

「フィリップ副騎士団長!! 僕です、ミカエルです!! 神殿から封印紙もらってきましたよ」

 ドアノッカーがカンカンと叩かれる。

 フィリップはバーナードの上から離れた。
 身だしなみを急いで整え、居間の扉を閉めた上で玄関に出る。

 しばらくして、フィリップは紙袋を手に戻ってきた。

「神殿から封印紙が届きました」

「……ああ」


 助かった。
 その一言だった。なんとかギリギリ、男に抱かれることなく終われそうだった。

 今までのことは忘れよう。
 そう、今までのことは、フィリップが自分を助けるためにしたことだ。
 一線を超えなかった今では、お互いに忘れることがいい。


 バーナードが自分の中でそう折り合いを付けている中、フィリップは紙袋をテーブルの上に置いて、バーナードの方へやって来た。

「さぁ、続きをしましょう」

「…………何を言っている」

 その言葉に、呆然としたバーナード騎士団長の顔を、フィリップは微笑みながら見つめていた。
 クッションをバーナードの腰の下に入れ、双丘を上げさせる。
 自分に向けて尻を掲げているその姿は、犯してといわんばかりの淫らな姿勢だった。
 日頃から冷静沈着で知られる騎士団長が、今や顔色を無くしていた。
 
 まさか、まさかという思いだけがある。

「フィリップ、やめろ!!」

「団長、もう諦めてください」

 彼の受け入れるための準備はすでに万端であった。
 だから、フィリップはズボンの前を開け、痛いほど張り詰めた男根を、彼の中にゆっくりと突き入れたのだった。

「ひっ、ああああああああああああああ」

 身を引き裂くその感覚は、たまらなかった。
 団長の前も、さんざん刺激を与えられていた後孔を男根で貫かれた衝撃に、白い精をクッションに向けて勢いよく放った。
 フィリップは突き上げるように腰を動かしながら、子種を放つ。
 サキュバスに取り憑かれた騎士団長を満足させるために。
 そして、自分自身も、満足するために。

 長い長い一日は、始まったばかりだった。
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