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第二十章 見失った称号と“夜の君”
第五話 夜の君(上)
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高級娼館の最上階にある、貴族向けの豪華な部屋に、僕は案内される。
部屋の中央には、十人は乗れるであろう巨大な寝台が鎮座しており、すでに煽情的な薄絹をまとった女や男達が僕のことを待ち受けていた。
突然人間から淫魔に変わった僕。
家族や友人達に、玩具にされるように犯された日々のせいで、性に対する恐怖を覚えるようになったかというと、それは逆で、むしろ、僕は人肌が無くては生きていけなくなった。
結局のところ、やっぱり、僕は生まれつきの淫乱な淫魔だったということだ。
女達が僕の服を脱がす。
無数の手が僕の身体を這い回る。口づけをする者もあれば、股間のそれにむしゃぶりつく者もいる。双丘の蕾に手を触れさせ、そこを舐めて、男根を挿入しようとする若い男もいる。
気持ち良さに僕はたちまち喘いで夢中になり、何人もの男や女達と身を絡ませ合っていた。それはまるで白い蛇が絡み合うが如きの淫らな姿だった。
しばらくして、息も絶え絶えの者達と入れ替わり、この娼館の主人がもみ手をしながら現れる。
「ラーシェ様、ご所望の子らをご用意しました」
僕は裸で寝台の上で胡坐をかいている。
その膝にもたれかかっている少年が、眉間に皺を寄せて、僕に向かってポツリと言った。
「ラーシェ様、悪趣味だと思いますよ」
そう言う少年の唇に口づけた。
「いいじゃないか」
部屋の中に引き出されたのは、いずれも十代はじめの少年や少女ら三人。
泣きじゃくり、怯え切っている彼らは皆、裸だった。
嫌だ嫌だと悲鳴を上げる彼らの足を開かせ、男根の形をしたディルドで無理やり、破瓜させるのだ。
たぶん、僕はもうあの、人間達に無理やり玩具にされた過去は乗り越えていると思う。
でも、あの時、僕が経験した苦痛は、忘れられない。
その苦痛を別の誰かに同じように経験させて、僕はそれに満足しようとしているのだ。実際、美しい少年少女達が恐怖に怯えながら、犯されるその姿を見ていると、身体の奥深いところで強い熱がこもり、欲望が湧き上がる。
自分が歪んでいることはわかっている。
僕の膝にもたれかかる男娼の少年は、恐らく性根は優しいのだろう。
三人の子らが、酷い目に遭っているのを見て、顔を背けていた。
「別に、道具を使われることくらいどうってことはないだろう。娼婦や男娼なのだから」
そう言うと、彼は呟くように言った。
「初めてが、あんな大きな道具で、無理やりだなんて可哀想だ」
「可哀想? 男娼に、娼婦なのに? 僕は彼らに過分なほどの金を払うつもりだよ。それでも可哀想と言うの?」
そう言うと、少年は黙り込んでしまう。
全ては金、金、金で解決できてしまう、優しい世界だった。
「それに……」
そう、それに彼らに使われている道具はまだ優しい手加減したものだった。
僕に対して使われた道具はもっとヒドイものだった。大きくて、ゴツゴツして、中で動くように作られたソレを、彼らは好んで僕に使ったのだ。
何事にも感じやすい淫魔に対して、そうした淫具や媚薬というものは、人に対するソレよりもはるかに効果を発する。
だから、彼らは面白がってそういう道具を用意した。
その記憶が僕に刻み込まれている。
「お前は名をなんというの」
膝にもたれかかる男娼に名を聞く。
栗色の髪のかわいらしい少年だった。
「リオと申します」
「なら、リオ、僕に口づけて、僕を夢中にさせておくれ」
そう言うと、リオは優しく僕に口づけ、そしてゆっくりと僕を寝台に押し倒した。
そこにまた、他の男娼や娼婦達も混ざり、僕らは混沌とした中、互いの身をただただ、貪り続けていた。
部屋の中央には、十人は乗れるであろう巨大な寝台が鎮座しており、すでに煽情的な薄絹をまとった女や男達が僕のことを待ち受けていた。
突然人間から淫魔に変わった僕。
家族や友人達に、玩具にされるように犯された日々のせいで、性に対する恐怖を覚えるようになったかというと、それは逆で、むしろ、僕は人肌が無くては生きていけなくなった。
結局のところ、やっぱり、僕は生まれつきの淫乱な淫魔だったということだ。
女達が僕の服を脱がす。
無数の手が僕の身体を這い回る。口づけをする者もあれば、股間のそれにむしゃぶりつく者もいる。双丘の蕾に手を触れさせ、そこを舐めて、男根を挿入しようとする若い男もいる。
気持ち良さに僕はたちまち喘いで夢中になり、何人もの男や女達と身を絡ませ合っていた。それはまるで白い蛇が絡み合うが如きの淫らな姿だった。
しばらくして、息も絶え絶えの者達と入れ替わり、この娼館の主人がもみ手をしながら現れる。
「ラーシェ様、ご所望の子らをご用意しました」
僕は裸で寝台の上で胡坐をかいている。
その膝にもたれかかっている少年が、眉間に皺を寄せて、僕に向かってポツリと言った。
「ラーシェ様、悪趣味だと思いますよ」
そう言う少年の唇に口づけた。
「いいじゃないか」
部屋の中に引き出されたのは、いずれも十代はじめの少年や少女ら三人。
泣きじゃくり、怯え切っている彼らは皆、裸だった。
嫌だ嫌だと悲鳴を上げる彼らの足を開かせ、男根の形をしたディルドで無理やり、破瓜させるのだ。
たぶん、僕はもうあの、人間達に無理やり玩具にされた過去は乗り越えていると思う。
でも、あの時、僕が経験した苦痛は、忘れられない。
その苦痛を別の誰かに同じように経験させて、僕はそれに満足しようとしているのだ。実際、美しい少年少女達が恐怖に怯えながら、犯されるその姿を見ていると、身体の奥深いところで強い熱がこもり、欲望が湧き上がる。
自分が歪んでいることはわかっている。
僕の膝にもたれかかる男娼の少年は、恐らく性根は優しいのだろう。
三人の子らが、酷い目に遭っているのを見て、顔を背けていた。
「別に、道具を使われることくらいどうってことはないだろう。娼婦や男娼なのだから」
そう言うと、彼は呟くように言った。
「初めてが、あんな大きな道具で、無理やりだなんて可哀想だ」
「可哀想? 男娼に、娼婦なのに? 僕は彼らに過分なほどの金を払うつもりだよ。それでも可哀想と言うの?」
そう言うと、少年は黙り込んでしまう。
全ては金、金、金で解決できてしまう、優しい世界だった。
「それに……」
そう、それに彼らに使われている道具はまだ優しい手加減したものだった。
僕に対して使われた道具はもっとヒドイものだった。大きくて、ゴツゴツして、中で動くように作られたソレを、彼らは好んで僕に使ったのだ。
何事にも感じやすい淫魔に対して、そうした淫具や媚薬というものは、人に対するソレよりもはるかに効果を発する。
だから、彼らは面白がってそういう道具を用意した。
その記憶が僕に刻み込まれている。
「お前は名をなんというの」
膝にもたれかかる男娼に名を聞く。
栗色の髪のかわいらしい少年だった。
「リオと申します」
「なら、リオ、僕に口づけて、僕を夢中にさせておくれ」
そう言うと、リオは優しく僕に口づけ、そしてゆっくりと僕を寝台に押し倒した。
そこにまた、他の男娼や娼婦達も混ざり、僕らは混沌とした中、互いの身をただただ、貪り続けていた。
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