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あなただけしかいらない
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そうした話があったことを、アドル付きの従者が、アドルに告げると、彼は一瞬驚いて、それから破顔をした。
「彼はまた、私の想像を超えることをしてくれるな」
アドルは世継ぎの王子である。今後、王となる身であり、その身体は一族から大切に守られている。
だが、王族たる身、いつ暗殺などの危険がふりかかるかわからない。
そうした時に、やはり気になるのが、愛しいルシスのその後のことだった。
一度嫁いだ身であるから、スシャールの一族に戻されることはないだろうと思った。
そうなると、ルシスは王家の一族の中の争いの元になる。
スシャールの者が生まれると同時に、婚約者が定められる原因の一つがそれでもあった。
婚約者が定まらぬ身ならば、その身を巡って争いが起こることは明らかであったからだ。
だからこそ、すぐさま婚約者が定められる。
そして過去には、婚約者たる身を望んでの暗殺などもあったという。
それだけ、スシャールの“天人”を手に入れたいと望む者は多かったのだ。
アドルは、ルシスが複数の夫を持つことを許さなかった。
その代わり、緩やかな手からの魔力の譲渡で満足する男達を選び、それをルシスの周りに置いた。
自分に何かあった時、きっと今までそばで仕えていた護衛騎士達もルシスの力になってくれると思っていたし、ルシスが彼らを気に入っていれば、彼らを夫に迎えることもあり得るだろうとも思っていた。
だが、ルシスはこう言った。
もう、彼以外の夫は迎えない、いらないと。
それがどんなにアドルを有頂天にさせる言葉か、ルシスにはわかっているのだろうか。
彼は素で、そういう殺し文句を口にするからタチが悪いと思った。
「彼はまた、私の想像を超えることをしてくれるな」
アドルは世継ぎの王子である。今後、王となる身であり、その身体は一族から大切に守られている。
だが、王族たる身、いつ暗殺などの危険がふりかかるかわからない。
そうした時に、やはり気になるのが、愛しいルシスのその後のことだった。
一度嫁いだ身であるから、スシャールの一族に戻されることはないだろうと思った。
そうなると、ルシスは王家の一族の中の争いの元になる。
スシャールの者が生まれると同時に、婚約者が定められる原因の一つがそれでもあった。
婚約者が定まらぬ身ならば、その身を巡って争いが起こることは明らかであったからだ。
だからこそ、すぐさま婚約者が定められる。
そして過去には、婚約者たる身を望んでの暗殺などもあったという。
それだけ、スシャールの“天人”を手に入れたいと望む者は多かったのだ。
アドルは、ルシスが複数の夫を持つことを許さなかった。
その代わり、緩やかな手からの魔力の譲渡で満足する男達を選び、それをルシスの周りに置いた。
自分に何かあった時、きっと今までそばで仕えていた護衛騎士達もルシスの力になってくれると思っていたし、ルシスが彼らを気に入っていれば、彼らを夫に迎えることもあり得るだろうとも思っていた。
だが、ルシスはこう言った。
もう、彼以外の夫は迎えない、いらないと。
それがどんなにアドルを有頂天にさせる言葉か、ルシスにはわかっているのだろうか。
彼は素で、そういう殺し文句を口にするからタチが悪いと思った。
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