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33話 不死身
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骨の砕ける感触が拳に伝わって来る。
俺の鉄拳を真面に受けたリーンは吹き飛び、祭壇に突っ込んだ。
衝撃で祭壇はガラガラと音を立てて崩れ落ち。
その瓦礫の中に聖女は無様に埋まる。
完璧な手応えだ。
リーンの顎は間違いなく砕けている筈。
ひょっとしたら頸椎もへし折れて死んでいるかもしれ――
「ちっ」
そんな甘い考えを吹き飛ばすかのように、瓦礫が吹き飛んだ。
俺は思わず舌打ちする。
何故なら、奴は無傷だったからだ。
「自動回復か……」
神聖魔法を使った様子はない。
恐らく事前に掛けていたのだろう。
道理で隙だらけなわけだ。
「ふふ。貴方がここに向かって来ているのは、その気配から気づいていましたよ。何せあなたの足には、私の施した神封石が嵌っているのですから」
リーンは体に着いた誇りを手でパンパンと払いながら、愉快気に笑う。
迂闊だった。
まさか足枷の気配で行動がばれてしまうとは。
考えもしなかった。
「しかし先程の一撃。お見事でした。魔法無しでどうやってレイラさんを殺したのか気になっていたのですが、さぞや努力されたのですね」
お見事と言いつつも、リーンが憐れむ様な眼差しを俺へと向ける。
魔法が使えず、苦肉の策に縋りついた俺が、彼女の目にはさぞ滑稽に映っている事だろう。
「ですが……それも無駄な事です。先程の一撃で私を殺せなかった時点で、魔法の使えない貴方に最早勝ち目はありません。諦めて全てを受け入れ、神の身元へと向かうのがよろしいかと」
だがこの様子なら、冥界の力には気づいていなさそうだ。
油断しているリーンの隙をもう一度突いて、次こそは確実に殺して見せる。
「介錯は私が致します。この神の炎で」
彼女は右掌から黄金の炎を生み出し、腕を振って俺へと放つ。
勿論こんな物を正面から受けるつもりはない。
俺は横に飛んで炎を躱した。
「何故受け入れないのです?抗えば抗うほど罪は深くなり、余計な苦しみを味わう事になりますよ」
「簡単に諦められるなら、始めっからこんな所には来ちゃいないさ。悪いが、お前の下らん説法に付き合うつもりはない」
「哀れですね……」
リーンが再び神炎を放つ。
今度は単発ではなく、此方の動きに合わせて連続で。
「喰らうかよ!」
俺はその連続攻撃を危なげなく躱し続ける。
リーンの能力は防御に特化したものだ。
神炎という強力な力を手にれたとはいえ、攻撃が苦手な事には変わりない。
そんな彼女の遠距離攻撃など、恐るるに足らずだ。
「やれやれ、本当に困った人ですね」
リーンは一歩一歩足を踏み出し、距離を詰めて来る。
攻撃が全く当たらない事に業を煮やしたのだろう。
俺も攻撃を躱しつつ、前に出る。
飛び道具を持ち合わせていない身としては、拳の届く範囲まで近づかざる得ないからだ。だから態々相手の方から間合いを詰めてくれるのは、有難かった。
「俺の間合いだ」
何を思ったか、リーンは途中で攻撃を止める。
俺は遠慮なく間合いを詰めさせてもらった。
「それが何だと言うのです?」
一歩踏み込めば手が届く位置。
そんな距離にも拘らず、彼女は不敵に微笑んだ。
俺の攻撃を軽んじ、炎をカウンターで叩き込む腹積もりなのだろう。
「死ね!」
俺は地面を強く蹴り。
その命を刈り取るべく彼女へと突っ込んだ。
「無駄です!」
その動きに合わせ、リーンは神の炎を自らの前に壁として出現させる。
そのまま何もせず突っ込めば、俺も大司教と同じ末路を辿った事だろう。
だが俺には冥界の力がある!
俺は冥界の力を発動させ。
迷わずその中に手刀を突っ込んだ。
「ぐっ……」
邪悪なオーラの前に黄金の炎は掻き消え。
俺の手がリーンの胸元に吸い込まれる。
彼女の胸に血の花が咲き、純白のローブを赤く染めあげた。
俺はその付き込んだ手で聖女の心臓を掴み、迷わず握り潰す。
「俺の勝ちだ」
「それは……早計ですよ」
「なにっ!」
リーンの言葉に、俺は我が目と耳を疑う。
確かに心臓を握りつぶし殺したはずだ。
にも拘らず、リーンは不敵に笑い俺を見つめる。
「ちぃっ!」
リーンの体から黄金の炎が吹き上がる。
俺は咄嗟に手を引き抜き、後ろに飛んで間合いを離した。
「あら、また逃げられてしまったわ。困った人ですね」
リーンの胸元に開いた大きな穴が、みるみる内に閉じていく。
これではまるで――
「不死身だとでもいうのか……」
自動回復の効果では決してない。
確かにその回復力は、骨折すらも瞬時に回復させる。
だがそれはあくまでも怪我レベルの話だ。
心臓や脳の様な重要器官が潰されれば、その命は潰え。
回復する事など叶わない。
「ふふふ、私は神の炎と一つになったのですよ。神の力を宿した私が、貴方の攻撃如きで死ぬなど有り得ません」
「くっ」
厄介な力だ。
殺しても死なないのでは勝負にならない。
「その力、魔王が扱っていた物と同質の様ですね。やはり罪人は何処まで行っても罪人」
リーンは小さく溜息を吐くとかぶりを振り、両手を大きく広げる。
「死は罰であり救済。今貴方の全てを許し、神の身元へ送って差し上げましょう」
俺を裏切り、罪を着せた女が好きかって言ってくれるぜ。
ガリッと口の中で音がする。
怒りに噛み締めた奥歯が砕けた音だ。
「さあ、旅立ちなさい」
リーンの全身から黄金の炎が噴き出した。
神炎は爆発的に膨れ上がり、空間を瞬く間に飲み込んでいく。
「糞が!」
膨張する炎が俺を飲み込み。
俺の視界は金色に塗り潰された。
俺の鉄拳を真面に受けたリーンは吹き飛び、祭壇に突っ込んだ。
衝撃で祭壇はガラガラと音を立てて崩れ落ち。
その瓦礫の中に聖女は無様に埋まる。
完璧な手応えだ。
リーンの顎は間違いなく砕けている筈。
ひょっとしたら頸椎もへし折れて死んでいるかもしれ――
「ちっ」
そんな甘い考えを吹き飛ばすかのように、瓦礫が吹き飛んだ。
俺は思わず舌打ちする。
何故なら、奴は無傷だったからだ。
「自動回復か……」
神聖魔法を使った様子はない。
恐らく事前に掛けていたのだろう。
道理で隙だらけなわけだ。
「ふふ。貴方がここに向かって来ているのは、その気配から気づいていましたよ。何せあなたの足には、私の施した神封石が嵌っているのですから」
リーンは体に着いた誇りを手でパンパンと払いながら、愉快気に笑う。
迂闊だった。
まさか足枷の気配で行動がばれてしまうとは。
考えもしなかった。
「しかし先程の一撃。お見事でした。魔法無しでどうやってレイラさんを殺したのか気になっていたのですが、さぞや努力されたのですね」
お見事と言いつつも、リーンが憐れむ様な眼差しを俺へと向ける。
魔法が使えず、苦肉の策に縋りついた俺が、彼女の目にはさぞ滑稽に映っている事だろう。
「ですが……それも無駄な事です。先程の一撃で私を殺せなかった時点で、魔法の使えない貴方に最早勝ち目はありません。諦めて全てを受け入れ、神の身元へと向かうのがよろしいかと」
だがこの様子なら、冥界の力には気づいていなさそうだ。
油断しているリーンの隙をもう一度突いて、次こそは確実に殺して見せる。
「介錯は私が致します。この神の炎で」
彼女は右掌から黄金の炎を生み出し、腕を振って俺へと放つ。
勿論こんな物を正面から受けるつもりはない。
俺は横に飛んで炎を躱した。
「何故受け入れないのです?抗えば抗うほど罪は深くなり、余計な苦しみを味わう事になりますよ」
「簡単に諦められるなら、始めっからこんな所には来ちゃいないさ。悪いが、お前の下らん説法に付き合うつもりはない」
「哀れですね……」
リーンが再び神炎を放つ。
今度は単発ではなく、此方の動きに合わせて連続で。
「喰らうかよ!」
俺はその連続攻撃を危なげなく躱し続ける。
リーンの能力は防御に特化したものだ。
神炎という強力な力を手にれたとはいえ、攻撃が苦手な事には変わりない。
そんな彼女の遠距離攻撃など、恐るるに足らずだ。
「やれやれ、本当に困った人ですね」
リーンは一歩一歩足を踏み出し、距離を詰めて来る。
攻撃が全く当たらない事に業を煮やしたのだろう。
俺も攻撃を躱しつつ、前に出る。
飛び道具を持ち合わせていない身としては、拳の届く範囲まで近づかざる得ないからだ。だから態々相手の方から間合いを詰めてくれるのは、有難かった。
「俺の間合いだ」
何を思ったか、リーンは途中で攻撃を止める。
俺は遠慮なく間合いを詰めさせてもらった。
「それが何だと言うのです?」
一歩踏み込めば手が届く位置。
そんな距離にも拘らず、彼女は不敵に微笑んだ。
俺の攻撃を軽んじ、炎をカウンターで叩き込む腹積もりなのだろう。
「死ね!」
俺は地面を強く蹴り。
その命を刈り取るべく彼女へと突っ込んだ。
「無駄です!」
その動きに合わせ、リーンは神の炎を自らの前に壁として出現させる。
そのまま何もせず突っ込めば、俺も大司教と同じ末路を辿った事だろう。
だが俺には冥界の力がある!
俺は冥界の力を発動させ。
迷わずその中に手刀を突っ込んだ。
「ぐっ……」
邪悪なオーラの前に黄金の炎は掻き消え。
俺の手がリーンの胸元に吸い込まれる。
彼女の胸に血の花が咲き、純白のローブを赤く染めあげた。
俺はその付き込んだ手で聖女の心臓を掴み、迷わず握り潰す。
「俺の勝ちだ」
「それは……早計ですよ」
「なにっ!」
リーンの言葉に、俺は我が目と耳を疑う。
確かに心臓を握りつぶし殺したはずだ。
にも拘らず、リーンは不敵に笑い俺を見つめる。
「ちぃっ!」
リーンの体から黄金の炎が吹き上がる。
俺は咄嗟に手を引き抜き、後ろに飛んで間合いを離した。
「あら、また逃げられてしまったわ。困った人ですね」
リーンの胸元に開いた大きな穴が、みるみる内に閉じていく。
これではまるで――
「不死身だとでもいうのか……」
自動回復の効果では決してない。
確かにその回復力は、骨折すらも瞬時に回復させる。
だがそれはあくまでも怪我レベルの話だ。
心臓や脳の様な重要器官が潰されれば、その命は潰え。
回復する事など叶わない。
「ふふふ、私は神の炎と一つになったのですよ。神の力を宿した私が、貴方の攻撃如きで死ぬなど有り得ません」
「くっ」
厄介な力だ。
殺しても死なないのでは勝負にならない。
「その力、魔王が扱っていた物と同質の様ですね。やはり罪人は何処まで行っても罪人」
リーンは小さく溜息を吐くとかぶりを振り、両手を大きく広げる。
「死は罰であり救済。今貴方の全てを許し、神の身元へ送って差し上げましょう」
俺を裏切り、罪を着せた女が好きかって言ってくれるぜ。
ガリッと口の中で音がする。
怒りに噛み締めた奥歯が砕けた音だ。
「さあ、旅立ちなさい」
リーンの全身から黄金の炎が噴き出した。
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俺の視界は金色に塗り潰された。
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