スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~

榊与一

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第24話 不安

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「ふぅ……」

ケトラを倒す。
一度目より遥かに楽な戦いだった。

理由は二つ。
一つはレベル20に上がって増えたスキルだ。

レベル20では、身軽と、攻撃スキルであるポイズンエンチャントを習得している。

身軽は敏捷性が10%あがるスキルで、これのお陰で突進が格段によけやすくなった。
もちろん、それ以外の攻撃も。

で、ポイズンエンチャントの方は、武器に特殊な毒を付与するスキルだ。
ぶっちゃけ、効果は今一。
レジストされやすい上に、放っておいたら10秒程で回復されてしまう位弱い毒だ。
とは言え攻撃しているだけで効果があり、一応、くっそ硬いケトラの体力を削るのには役立ってくれてはいた。

で、もう一つが、レベルが3つも上がってその分幸運を上げた事である。

今の幸運は27。
幸運の効果で15倍した際のクリティカル率は121,5%。
なので、ダブルクリティカルが21%で出る計算となっている。

流石に、この確率だと多少下振れてもしっかりダブルクリティカルが出てくれるので、時間当たりのダメージ、通称DPSが劇的に上がった訳である。

「おら!」

更に一体倒す。
ここでレベルが21に。
幸運は28へ。

レベル的にケトラは超格上なので、ガンガン上がってくれて楽しいわ。

「とりあえず、ここで20後半まで上げるつもりだけど……ガンガンレア抽選きてくれねーかな?」

ケトラのレアは、スティールもドロップもケトラの角というアイテムだ。
装備の素材になる物で、売値は100万程する。
ぶっちゃけ、今使ってる装備をそこそこの物——Cランク冒険者位の装備——に変えたいので、お金が凄く欲しい。

クリティカルで防御力を無視できるとは言え、武器自体の攻撃力が高い程ダメージは通る訳だからな。

防具もそう。
幸運ガードに至ってはまだ100%じゃないし。
仮に100%になっても、貧弱なシーフじゃ90%カット程度では全然安心できない。
なので、ある程度の防具は絶対必須である。

当たらなければどうという事はない。
なんて言葉もあるが、いくらシーフでも、敏捷を上げてない状態で完封し続けるなんて真似は出来る訳がないからな。

因みに、ケトラのレア率は0,5%程度と言われており、俺の場合は幸運効果でその5,2倍なので、2,6%程。
なので単純計算、40匹倒せば一個出る確率だ。
いや、スティールも同確率なので、全てスティールするとして、その半分の20匹に1個ぐらいが期待値となる。

ここではたぶん200匹ぐらい狩る事になるから、期待値通りなら10個手に入るはず。
売却益的に1,000万。
それくらいあれば、Cランクでもある程度通用するレベルの物が揃えられるだろう。

「まあ他のドロップもあるから、多少下振れても問題ないけど……2,6%みたいな小さな数字だと、ダイナミックに下振れる可能性があるから怖いんだよなぁ」

3%ぐらいのガチャで100連当たりなしとか、普通に起こりうるからな。
ほんと、爆死じゃないけど、超下振れるのだけは勘弁して欲しい。

「ま、なる様にしかならんか」

不安を抱いていても仕方ない。
所詮は運しだい。
それに、よくよく考えたら、レベルが上がれば上がる程ドロップ率は上がっていくのだから、まあ大丈夫だろう。

そう気楽に考える事にして、俺は狩りに戻った。

――10日後。

「はぁ、嫌な考えってなんで当たるんだろうな?」

現在、俺のレベルは27。
数的には、ちょうど200匹ぐらいな訳だが……レアが1個しか出てない。
そう、1個しか出てないのだ。

なんで【幸運】の補正無しみたいな確率になってんだよ!
まさか表記されてるだけで、実は効果なしとか言わないよな?

今回レアが全然出なかったかった事より、そっちの方が断然心配だよ。
頼むから単に運が悪かっただけであってくれ。

「運が悪いのは勘弁とか思ってたが、それが一転して単に運が悪かっただけでありますようにと願う羽目になるとは……」

取りあえず、余計な事は考えず狩りに集中してレベル28まで上げるとしよう。

俺は黙々とケトラ狩りを続ける。
3日で数十匹狩り、そしてレアが――

10個出た。

どうやら確率が収束してくれた様である。
あー、よかった。
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