スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~

榊与一

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第42話 大勝利!

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翌日、さっそくダンジョンに飛んで俺は隠し通路に入った。
そして宝箱を開けると同時に本型の中身アイテムを手にとって、ミスティックホールことインベントリさんにアイテムを光の速さで収納しつつ振り返る。

そこにいたのは――

「これは……」

―—壁だった。

正確には、通路を完全にふさぐ形で立ちはだかる壁型の魔物。
だ。

「こいつを倒さないと、普通はこの場所から出られない訳だな」

通路は完全にそいつに塞がれている。
隙間が全く見当たらないので、こいつをスルーしていくのは無理だ。
まあ俺じゃなければ、ではあるが。

「うわっと!」

壁には大きな目玉二つと口がついている。
その目玉が光ったかと思ったら、そこからビームが飛んで来た。

……とんでもないスピードだ。

咄嗟にクイックステップを使って躱したが、普通の回避だったら喰らっていたはず。
怪盗化の補正に身軽まであってこれだ。
今まで戦ってきた魔物の中で、間違いなく最速の攻撃と言っていいだろう。

「まずは鑑定を――うお!?いって!」

再びビームが飛んで来た。
それも連続で。
一発目はクイックステップで躱せたが、2発目は躱し切れずに腕に掠ってしまう。

おいおい、かなり痛いぞ。

99%カットの上、掠っただけでこれって、相当な攻撃力だ。
普通にやばい。
さっさと鑑定からの確変スティールを決めておさらばせんと。

「ミステリアス!」

次の攻撃はミステリアスで無効化した。
どうせ短期決戦なのだ。
消耗を抑える必要もない。

―—鑑定。

「レベル80!?なんでCランクダンジョンに当たり前の様にAランクモンスターが出るんだよ!殺意高すぎだろ!!」

いやこれマジで、俺が怪盗じゃなかったら普通にお陀仏コースだったんじゃね?
前の隠し通路と比べて、いくら何でも難易度上がり過ぎだろうに。
いやまあ、前は最低ランクのFだったから、そう考えるとこの上がり幅もおかしくはないのか?

なんにせよ……

「こいつスキルブック持ちかよ」

魔物―—キルウォールのドロップとスティール、レア枠両方ともスキルブックだった。
昨日一日我慢したのは大正解だ。
やったぜ!

俺はミステリアスで無敵状態のまま近付き――

この状態だとスティールも出来ないので、攻撃の隙間を見つけてスティールを……

ん?ちょっと待てよ。
こいつ、こっちに顔があるよな?
じゃあ裏側はどうなってるんだ?

ふと、そんな考えが頭を過る。
そしてそれを確認する術が、俺にはあった。

「あ、ちょっと失礼しますね」

ミステリアスは壁などの物質も通り抜ける事が出来る。
その要領で、俺は手でちょっと失礼しますよのジェスチャーをしながらキラーウォールをすり抜け、奴の背後へと回った。

「背面は完全にただの壁だな」

魔物が振り返る事はない。
通路にピッタリはまり込む形をしているので、物理的に無理だから。

「とりあえず……スティール」

当然確変込みなので、レア枠のスキルブックをゲット。
ブツは手に入ったので、後はトンズラするだけだが……

「これって攻撃したら、目玉こっちに出たりするのかな?」

そうじゃないのなら……

「とりあえず、一発攻撃してみるか」

目玉がこっちに出たら、飛んで逃げればいいだけの話である。
なので短剣でブスリと一突きしてみた。

クアドラプルクリティカル!

「……目玉、出ないな」

ダメージは確実に入ったはずである。
壁の一部、思いっきりえぐれてるし。

つまり――

「ひゃっはー!殴り放題だ!」

―—そういう事!

「オラオラオラオラ!」

短剣で突きまくる。

「お客様痒い所は御座いませんか!片っ端から突いて差し上げます!」

ザクザクザクと、俺は笑顔で狂った様に短剣で突きまくる。

「NDK!(ねぇどんな気持ち!)NDK!(ねぇどんな気持ち!)」

最高にハイって奴である。

「ふっ、振り返れるようになってから出直して来な!」

キルウォールが消滅した。

結構な手数を擁した当たり、流石レベル80の魔物である。
だが、いつでも最後に勝つのは賢き者ずるいやつだ。
それが証明された歴史的瞬間と言えよう。

「お!レアドロップだ!」

キルウォールが消滅した後には、一冊の本が残されていた。
これは紛れもなくスキルブックである。

「俺の……………勝ちだ!!」

大勝利!
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