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第109話 クリティカルブレイク
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「そろそろきそうですね……恵さん!第二状態になったら此方の事は気にせずとにかく耐えてください!短期決戦で終わらせますんで!」
ルーンリッチを危なげなく、安定する形で40分ほど攻撃した所で勇気が聖達に指示を出した。
「——っ!?これは……」
その直後、異変が発生する。
周囲から黒い霧の様な物が発生し出したのだ。
「くっ、これがエリアダメージか」
全身にビリビリとした痛みが走った。
クリティカルガードが発動していないので、どうやらエリアダメージにはバリア系の軽減が利かない様だ。
「結構きついぞ」
思ったよりずっとダメージが大きい。
この状況じゃ、確かに勇気の言う通り長期戦は無理だな。
回復魔法があるなら話は変わって来るんだろうが……
「こっちに回復を回してもらわなくていいのか?」
「本来、広域エリアヒールを複数のヒーラーで回して倒すボスですからね。取り巻きまで強化される中、消費の激しいエリアヒールを使うMP的余裕はあっちのパーティーにはありませんよ。聖さん達を見捨てるってんなら、話は変わってきますけど」
「そんな選択肢はない!」
「だったら!一気に決めてやりましょう!!」
「おう!幸運ブースト!」
俺達は同時に幸運ブーストを発動させる。
コイントスは当然表!
効果2倍だ!
「一回死んでも安心なので死ぬ気で行きましょう!」
そういや、効果中は一回死んでも大丈夫だっけか。
ほんと、有難い効果だ。
「おおおおおおお!!!」
「はぁぁぁぁぁ!」
ルーンリッチの振るう髑髏のついたワンドを素早く躱し、俺は狂った様に攻撃を叩き込む。
敏捷性が100も上がったせいか、奴は完全に此方の動きについて来れていない。
カウンター攻撃にさえ気を付ければ殴り放題だ。
「回復は全然間に合わねぇな」
カウンターの短距離範囲攻撃を躱したタイミングで一瞬手すきになるので、そこで穴から回復アイテムを素早く取り出し服用する。
だが全く回復量は足りない。
焼け石に水程度だ。
まあこれで間に合う程度なら、短期決戦を挑む必要はないから当たり前ではあるが。
―—ルーンリッチが取り巻きを追加で召喚する。
魔法陣から出てきたのは、デスウォーリアより一回り大きく、ごつい鎧に盾と槍を身に着けたデスナイトだ。
見るからに硬そうな見た目。
きっと聖のパーティーだけでは処理しきれないはず。
エリアダメージに加え、より強い取り巻きを大量に受け持つのは聖でも相当きついだろう。
そういう意味でも、さっさとケリを付ける必要がある。
「はぁっ!!」
とにかく俺は攻撃に集中する。
地形ダメージのせいで全身が痛んでしょうがないが、それを無視して。
「ぐうぅぅぅぅ!」
きつい。
我慢するにも限界って物がある。
どうしても痛みに動きが鈍り、どんどん火力が出せなくなってきた。
このまま削り切るのは難しい。
蘇生が無かったら絶対アウトだったな。
蘇生があって本当に良かったぜ。
「——っ!?これは!?」
肉体が限界に近付いたその時、背後から強烈な光が。
それを浴びた瞬間、俺の全身から痛みが引いていく。
「どうやら隠し玉があったみたいですね」
聖達の方で何かした様だ。
痛みが完全に消えたどころか、エリアダメージの痛みもなくなっていた。
「一定時間、ダメージを完全に無効化する効果もあるみたいですね。これはチャンスですよマスター。折角無敵なんで、攻撃を受けまくりましょう。ゲージ溜めもかねて」
「分かった!」
現在、幸運ゲージは4割ほどだ。
ゲージは、攻撃を受けた方が溜まりは早いからな。
なので素早く溜めたいなら、敢えて攻撃は回避せず敵の攻撃を受けて戦った方が効率は良い。
「無敵が切れます!」
大城恵が叫ぶ。
どうやらさっきのは彼女が使った様だ。
たぶんスキルではないだろうから、何らかのアイテムの効果だったんだろうと思う。
彼女の言葉通り無敵が切れ、体に痛みが戻ってきた。
ので、ノーガード戦法だったのを止めて敵の攻撃を回避するスタンスに戻す。
「ちぃっ!さっさと死ね!」
敵の攻撃力が激烈だったためか、クリティカル攻撃の100倍ぐらい、クリティカルガードはゲージの溜まりが良かった。
お陰で既にゲージは7割ほど溜まっている状態だ。
なのでいつでも使える。
が、まだだ。
こいつは一度死ぬと、HPが3割ほどで復活するそうだ――勇気談。
しかもそうなるとエリアダメージが更に増すそうなので、そこでゲージを使って一気に削る。
「おおおおおおおおおおおお!!」
ブーストの残り時間が後1分ほどの所で――勇気の方はもう切れているが――ルーンリッチの骨の体がバラバラになる。
「くっ!?」
ボスエリア中心付近に、赤い巨大な心臓が現れ黒い衝撃波を放つ。
俺はそれに吹き飛ばされ、少し後退させられる。
あれがリッチの根源。
ライフベッセルだろう。
バラバラになったルーンリッチの体が、その心臓を中心に集まって再びリッチの姿へと戻っていく。
そして周囲から漂う黒い気が強まり、体にかかる負荷がグンと大きくなった。
「勇気!一気に決めるぞ!!」
「ブッパしてやりましょう!!」
「「【クリティカルブレイク】」」
幸運ゲージを消費しての大技。
【クリティカルブレイク】。
発動と同時に俺達の体が光に包まれ、全身に凄まじい力が湧き上がってくる。
「砕け散れ!」
一気に間合いを詰める。
そして俺は全身にみなぎる力を右手に握った武器に込め、渾身の一撃をルーンリッチの胸部にあるライフベッセルへと叩き込んだ。
そしてそれとほぼ同時に、対角線上から勇気が一撃を加えた。
―—閃光。
俺と勇気の武器がライフベッセルに深々と突き刺さり、そして強烈な光を放った。
視界を真っ白に染める程の光だ。
「お、おおおぉぉぉぉ……」
光が収まると、崩壊していくリッチの姿が。
どうやらあの一撃だけで3割削りきれた様である。
ゲージ8割でこれなら、フルゲージならもっとって事だよな?
まあ何はともあれ、ルーンリッチ討伐完了だ。
「……にしても、結構ギリギリだったな」
ギリギリとは言え、ブーストの効果時間内だったし蘇生も使っていない。
そう考えるとかなり余裕があったと言えるだろう。
だが、それは大城恵の使った切り札があったからだ。
無ければ蘇生は確実に使っていたし、無敵中の敵の攻撃を無視した攻撃は出来なかったので効果時間内に終わったかは結構怪しい。
更に言うなら、無敵によるゲージ加速もだ。
ゲージが少なければ一撃で倒し切れず、しかもブーストの切れた状態で残りHPを強力な持続ダメージを受けながら削り切る必要があっただろう。
途中楽勝ムードだったが、そう考えると、かなりギリギリな戦いだった。
そういや、勇気は戦う前に勝率5割ぐらいって言ってたっけな。
まあラッキースケベで勝率はもう少し上がるって言ってはいたけど……バフ込みで5割がいい所な気がするんだが?
「あんまり低い見込みを言うと、マスターがしり込みしてしまうかと思っての気遣いです」
俺が勇気を見ると、俺の考えを察知してかそう言ってくる。
「ああ、まあそうだな……ありがとう」
確率なんて関係なしに聖の事を助けに行くつもりだったけど、あまりにも厳しい確率だったら、無駄に緊張して力を出し切れなかった可能性があった。
なので、勇気の気づかいは的を射たものだ。
ほんと、優秀だよこいつは。
「まあ、なんにせよ……聖達を救えてよかったよ」
「まだ安心するには早いですけどね」
「早い?どういう事だ?」
「やれやれ、もう忘れたんですか?私達のラッキースケベ祭りに、協力してくれてたろくでなし共の事を」
「あ……」
勇気の視線は入り口の方に向いていた。
俺はそれを追うと、ボス討伐した事で解除されたボスエリアへと入りこんでくる集団の姿が。
そう、聖達を罠に嵌めて殺そうとしていた糞野郎どもだ。
「不味いな」
相手はSランクが3パーティー。
それに対して、俺も聖のパーティーもボス戦で消耗しきっている。
せめて幸運ブーストが使えれば……
当然だが、クールタイムが長いため再使用は不可能だ。
「くそ……」
俺はまだ危機が去っていなかった事に顏を顰める。
ルーンリッチを危なげなく、安定する形で40分ほど攻撃した所で勇気が聖達に指示を出した。
「——っ!?これは……」
その直後、異変が発生する。
周囲から黒い霧の様な物が発生し出したのだ。
「くっ、これがエリアダメージか」
全身にビリビリとした痛みが走った。
クリティカルガードが発動していないので、どうやらエリアダメージにはバリア系の軽減が利かない様だ。
「結構きついぞ」
思ったよりずっとダメージが大きい。
この状況じゃ、確かに勇気の言う通り長期戦は無理だな。
回復魔法があるなら話は変わって来るんだろうが……
「こっちに回復を回してもらわなくていいのか?」
「本来、広域エリアヒールを複数のヒーラーで回して倒すボスですからね。取り巻きまで強化される中、消費の激しいエリアヒールを使うMP的余裕はあっちのパーティーにはありませんよ。聖さん達を見捨てるってんなら、話は変わってきますけど」
「そんな選択肢はない!」
「だったら!一気に決めてやりましょう!!」
「おう!幸運ブースト!」
俺達は同時に幸運ブーストを発動させる。
コイントスは当然表!
効果2倍だ!
「一回死んでも安心なので死ぬ気で行きましょう!」
そういや、効果中は一回死んでも大丈夫だっけか。
ほんと、有難い効果だ。
「おおおおおおお!!!」
「はぁぁぁぁぁ!」
ルーンリッチの振るう髑髏のついたワンドを素早く躱し、俺は狂った様に攻撃を叩き込む。
敏捷性が100も上がったせいか、奴は完全に此方の動きについて来れていない。
カウンター攻撃にさえ気を付ければ殴り放題だ。
「回復は全然間に合わねぇな」
カウンターの短距離範囲攻撃を躱したタイミングで一瞬手すきになるので、そこで穴から回復アイテムを素早く取り出し服用する。
だが全く回復量は足りない。
焼け石に水程度だ。
まあこれで間に合う程度なら、短期決戦を挑む必要はないから当たり前ではあるが。
―—ルーンリッチが取り巻きを追加で召喚する。
魔法陣から出てきたのは、デスウォーリアより一回り大きく、ごつい鎧に盾と槍を身に着けたデスナイトだ。
見るからに硬そうな見た目。
きっと聖のパーティーだけでは処理しきれないはず。
エリアダメージに加え、より強い取り巻きを大量に受け持つのは聖でも相当きついだろう。
そういう意味でも、さっさとケリを付ける必要がある。
「はぁっ!!」
とにかく俺は攻撃に集中する。
地形ダメージのせいで全身が痛んでしょうがないが、それを無視して。
「ぐうぅぅぅぅ!」
きつい。
我慢するにも限界って物がある。
どうしても痛みに動きが鈍り、どんどん火力が出せなくなってきた。
このまま削り切るのは難しい。
蘇生が無かったら絶対アウトだったな。
蘇生があって本当に良かったぜ。
「——っ!?これは!?」
肉体が限界に近付いたその時、背後から強烈な光が。
それを浴びた瞬間、俺の全身から痛みが引いていく。
「どうやら隠し玉があったみたいですね」
聖達の方で何かした様だ。
痛みが完全に消えたどころか、エリアダメージの痛みもなくなっていた。
「一定時間、ダメージを完全に無効化する効果もあるみたいですね。これはチャンスですよマスター。折角無敵なんで、攻撃を受けまくりましょう。ゲージ溜めもかねて」
「分かった!」
現在、幸運ゲージは4割ほどだ。
ゲージは、攻撃を受けた方が溜まりは早いからな。
なので素早く溜めたいなら、敢えて攻撃は回避せず敵の攻撃を受けて戦った方が効率は良い。
「無敵が切れます!」
大城恵が叫ぶ。
どうやらさっきのは彼女が使った様だ。
たぶんスキルではないだろうから、何らかのアイテムの効果だったんだろうと思う。
彼女の言葉通り無敵が切れ、体に痛みが戻ってきた。
ので、ノーガード戦法だったのを止めて敵の攻撃を回避するスタンスに戻す。
「ちぃっ!さっさと死ね!」
敵の攻撃力が激烈だったためか、クリティカル攻撃の100倍ぐらい、クリティカルガードはゲージの溜まりが良かった。
お陰で既にゲージは7割ほど溜まっている状態だ。
なのでいつでも使える。
が、まだだ。
こいつは一度死ぬと、HPが3割ほどで復活するそうだ――勇気談。
しかもそうなるとエリアダメージが更に増すそうなので、そこでゲージを使って一気に削る。
「おおおおおおおおおおおお!!」
ブーストの残り時間が後1分ほどの所で――勇気の方はもう切れているが――ルーンリッチの骨の体がバラバラになる。
「くっ!?」
ボスエリア中心付近に、赤い巨大な心臓が現れ黒い衝撃波を放つ。
俺はそれに吹き飛ばされ、少し後退させられる。
あれがリッチの根源。
ライフベッセルだろう。
バラバラになったルーンリッチの体が、その心臓を中心に集まって再びリッチの姿へと戻っていく。
そして周囲から漂う黒い気が強まり、体にかかる負荷がグンと大きくなった。
「勇気!一気に決めるぞ!!」
「ブッパしてやりましょう!!」
「「【クリティカルブレイク】」」
幸運ゲージを消費しての大技。
【クリティカルブレイク】。
発動と同時に俺達の体が光に包まれ、全身に凄まじい力が湧き上がってくる。
「砕け散れ!」
一気に間合いを詰める。
そして俺は全身にみなぎる力を右手に握った武器に込め、渾身の一撃をルーンリッチの胸部にあるライフベッセルへと叩き込んだ。
そしてそれとほぼ同時に、対角線上から勇気が一撃を加えた。
―—閃光。
俺と勇気の武器がライフベッセルに深々と突き刺さり、そして強烈な光を放った。
視界を真っ白に染める程の光だ。
「お、おおおぉぉぉぉ……」
光が収まると、崩壊していくリッチの姿が。
どうやらあの一撃だけで3割削りきれた様である。
ゲージ8割でこれなら、フルゲージならもっとって事だよな?
まあ何はともあれ、ルーンリッチ討伐完了だ。
「……にしても、結構ギリギリだったな」
ギリギリとは言え、ブーストの効果時間内だったし蘇生も使っていない。
そう考えるとかなり余裕があったと言えるだろう。
だが、それは大城恵の使った切り札があったからだ。
無ければ蘇生は確実に使っていたし、無敵中の敵の攻撃を無視した攻撃は出来なかったので効果時間内に終わったかは結構怪しい。
更に言うなら、無敵によるゲージ加速もだ。
ゲージが少なければ一撃で倒し切れず、しかもブーストの切れた状態で残りHPを強力な持続ダメージを受けながら削り切る必要があっただろう。
途中楽勝ムードだったが、そう考えると、かなりギリギリな戦いだった。
そういや、勇気は戦う前に勝率5割ぐらいって言ってたっけな。
まあラッキースケベで勝率はもう少し上がるって言ってはいたけど……バフ込みで5割がいい所な気がするんだが?
「あんまり低い見込みを言うと、マスターがしり込みしてしまうかと思っての気遣いです」
俺が勇気を見ると、俺の考えを察知してかそう言ってくる。
「ああ、まあそうだな……ありがとう」
確率なんて関係なしに聖の事を助けに行くつもりだったけど、あまりにも厳しい確率だったら、無駄に緊張して力を出し切れなかった可能性があった。
なので、勇気の気づかいは的を射たものだ。
ほんと、優秀だよこいつは。
「まあ、なんにせよ……聖達を救えてよかったよ」
「まだ安心するには早いですけどね」
「早い?どういう事だ?」
「やれやれ、もう忘れたんですか?私達のラッキースケベ祭りに、協力してくれてたろくでなし共の事を」
「あ……」
勇気の視線は入り口の方に向いていた。
俺はそれを追うと、ボス討伐した事で解除されたボスエリアへと入りこんでくる集団の姿が。
そう、聖達を罠に嵌めて殺そうとしていた糞野郎どもだ。
「不味いな」
相手はSランクが3パーティー。
それに対して、俺も聖のパーティーもボス戦で消耗しきっている。
せめて幸運ブーストが使えれば……
当然だが、クールタイムが長いため再使用は不可能だ。
「くそ……」
俺はまだ危機が去っていなかった事に顏を顰める。
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