素行不良で僻地に追いやられた第4王子、自分が転生者だった事を思い出す~神様から貰ったランクアップで楽々領地経営~

榊与一

文字の大きさ
146 / 158

第145話 生き方

しおりを挟む
「マイロード。ランクアップを行われたのですか?」

ジャガリックが尋ねて来る。
俺の独り言から、何をしたの察したのだろう。

「ああ。けど……どういう訳だか痛みが発生しなかったんだ」

「恐らくですが……私達の加護により、能力が上がっていた影響ではないかと。肉体が時間をかけてAランクに適応する事で、マイロードの肉体のランクアップの際の影響が最小で済んのだと思われます」

「なるほど」

純粋な自分の力ではないとは言え、精霊達の影響で俺の能力はA相当になっていたからな。
体がその状態に慣れてたって事なんだろう。

ついてるな。
痛みなくランクアップ出来るのなら、思う存分強化できるという物だ。

「エドワード殿……まさか自信を強化して、デスロードと戦うつもりではないでしょうな?」

「ああ、そのつもりだ」

どの程度上げられるかにもよるが、精霊の加護を受けている状態ならきっとSランク以上にだって上げられるはずだ。
SSランク位にまで上がれば、倒さなくても時間稼ぎ位なら……

「いけませんぞ!そんな事をして万一エドワード殿の身に何かあったらどうするのです!」

普段は穏やかなタニヤンが声を荒げる。
正直、ビックリした。
反対されそうな気はしていたが、ここまで激しくされるとは思っていなかったから。

「その通りです。マスター、どうかお考え直し下さい」

「マイロード。カッパーを守ろうという、そのお気持ちだけで十分です。どうか御身をお大事になさってください」

他二人も、俺を止めようとする。

「俺だって命は惜しいさ。けど……俺はカッパー達の世話になりっぱなしだ。その借りを踏みたおして、安全のために一人逃げだす様な真似はしたくない。それに何より……皆は俺にとってかけがえのない仲間だ。大事な仲間のために戦えない。そんな無様な生き方はしたくないんだよ」

死ぬのは怖い。
痛いのも嫌だ。
でも……恩人である仲間達を、当たり前の様に見捨てる生き方はしたくなかった。

だから、僅かでも可能性があるのなら……

ああでも、可能性が無いってなったらその時はすっぱり諦めるけどね。
何もできないのに一緒に死ぬのは、ただの心中と一緒だ。
流石にそれは違うって思うし、カッパーだってそんな事は絶対望まないだろうから。

「マイロード」

「マスター」

「エドワード殿」

三人の顔に、深い苦悩の色が浮かぶ。
だが、その口からはもう諫めの言葉は出てこない。
俺の意思を汲んでくれたのだろう。

「安心してくれ、もうダメだって思ったら……その時は迷わず逃げるさ。なんだかんだ言って、自分の命が一番大事だからな」

俺は辛そうにするジャガリック達に笑顔で告げる。
無茶はしないから安心してくれ、と。

「分かりました。マイロードが万全を尽くせるよう、このジャガリック……マイロードの覚悟の成就に身命をかけましょう」

「このポッポゥはマスターの騎士。命に代えても、マスターをお守りしてみせます」

「やれやれ……絶対に、自分の命を一番に考えてくだされよ」

「ああ、約束する」

一応、三人は納得してくれた様だ。
まあ彼らだって、カッパーを見捨てたくはなかったはずだろうからな。

「さて、問題は……」

能力がどこまで上がってくれるか、だ。
俺には戦闘技術もスキルもない。
なので、相手の強さを考えるとSSランクくらいまで上がって貰わないと話にならない訳だが……

俺はランクアップを発動させ、自身を強化する。
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

【鑑定不能】と捨てられた俺、実は《概念創造》スキルで万物創成!辺境で最強領主に成り上がる。

夏見ナイ
ファンタジー
伯爵家の三男リアムは【鑑定不能】スキル故に「無能」と追放され、辺境に捨てられた。だが、彼が覚醒させたのは神すら解析不能なユニークスキル《概念創造》! 認識した「概念」を現実に創造できる規格外の力で、リアムは快適な拠点、豊かな食料、忠実なゴーレムを生み出す。傷ついたエルフの少女ルナを救い、彼女と共に未開の地を開拓。やがて獣人ミリア、元貴族令嬢セレスなど訳ありの仲間が集い、小さな村は驚異的に発展していく。一方、リアムを捨てた王国や実家は衰退し、彼の力を奪おうと画策するが…? 無能と蔑まれた少年が最強スキルで理想郷を築き、自分を陥れた者たちに鉄槌を下す、爽快成り上がりファンタジー!

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。 『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。 魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。 しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も… そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。 しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。 …はたして主人公の運命やいかに…

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

処理中です...