156 / 158
第155話 参上
しおりを挟む
デスナイト達の方は、タゴル達がカバーしてくれているお陰で多少の余裕が出来た。
とは言え、2体相手に手間取っていた彼らが、精霊達を守りながら3体を倒し切れるとは思えない。
だから奴を抜いて、皆の元に向かわなければならないという状況に変わりはなかった
しかし――
「くそ……」
付け込む隙が無い。
その妨害を崩す事も。
スピードでは此方が勝っている。
パワーもデスナイトを召喚した影響か、たぶん今はほぼ互角程度だと思う。
だが、けた違いなのだ。
そう、奴の防御力が。
此方の攻撃が当たっても、全く怯みもしない。
それどころか、奴はそれを生かして俺にカウンターを仕掛けてくる始末。
そのせいでこちらだけダメージが蓄積されていく。
それでも、何とかしないと……
「はぁっ!」
ボーンドラゴンに蹴りを入れる。
だがやはり小動もしない。
「がぁっ!」
奴が尻尾で反撃してきたが、俺はそれ後ろに飛んで躱す。
「——っ!?」
――そして着地に失敗した。
攻撃が当たった訳ではない。
足が、着地時の体重を支えられなかったのだ。
疲労によって。
「体力が……」
体が重い。
俺ですらこうなのだから、フェンリル側の負担はもっとだろう。
このままじゃ……
「ギャオオオオオオ!」
その姿をあざ笑うかのように、ボーンドラゴンが吠えた。
勝てない。
抜けない。
このままでは殺される。
そんなネガティブな思考から、こんな事を考えてしまう。
――今ならまだ、俺だけなら逃げられるんじゃないか。
そんな事を。
「最悪だな……」
そんな事を考えてしまう自分に嫌気がさす。
どこまで本当に最低だ。
最低過ぎて、腹が立ってきた。
「ふざっけんな!俺は大事な奴らを見捨てて生き延びるなんて……そんな無様な生き方をするために転生した訳じゃねぇ!俺は逃げねぇ!!」
俺はカッコよく生きれるタイプの人間じゃねぇ。
多少チートがあったって、漫画の主人公みたいに生きれる性格をしていない。
なんだったら、小物のモブがお似合いの性根をしてる。
けど、せっかく転生して二度目の人生を得たんだ。
死んで、生き返って。
その先でまで、そんな生き方して堪るかよ。
例えここで死ぬ事になっても、死に際くらい格好つけてやる!
「フェンリル!俺を輩出しろ!」
だが、それはあくまで俺の覚悟だ。
フェンリルまで巻き込めない。
「お前は逃げろ!その時間ぐらい、稼いでやるから」
フェンリルだけなら逃げ延びれるかもしれない。
だからこいつだけでも逃がして見せる。
この命に代えても。
「ぷぎゃぎゃぎゃぎゃ!(大丈夫だよ!パパ!だって――)」
フェンリルが上を見上げる。
その視線の先には――
「ヘタレの癖に良く言いました!」
――強烈な青い光が。
「あれは……まさか?」
「スーパー!アクア!キーック!!」
青い光が、上空から高速で降って来る。
その光はボーンドラゴンの背骨に激突し、奴の体を地面へと叩きつけた。
「あ、ああ……」
青い光の姿。
それは。
その青い光の正体は――
「真打登場!世界よ!水のプチ精霊王である私の前に平伏せよ!」
「カッパー!」
「ぷぎゃ!(ママ!)」
――死んだはずのカッパーだった。
とは言え、2体相手に手間取っていた彼らが、精霊達を守りながら3体を倒し切れるとは思えない。
だから奴を抜いて、皆の元に向かわなければならないという状況に変わりはなかった
しかし――
「くそ……」
付け込む隙が無い。
その妨害を崩す事も。
スピードでは此方が勝っている。
パワーもデスナイトを召喚した影響か、たぶん今はほぼ互角程度だと思う。
だが、けた違いなのだ。
そう、奴の防御力が。
此方の攻撃が当たっても、全く怯みもしない。
それどころか、奴はそれを生かして俺にカウンターを仕掛けてくる始末。
そのせいでこちらだけダメージが蓄積されていく。
それでも、何とかしないと……
「はぁっ!」
ボーンドラゴンに蹴りを入れる。
だがやはり小動もしない。
「がぁっ!」
奴が尻尾で反撃してきたが、俺はそれ後ろに飛んで躱す。
「——っ!?」
――そして着地に失敗した。
攻撃が当たった訳ではない。
足が、着地時の体重を支えられなかったのだ。
疲労によって。
「体力が……」
体が重い。
俺ですらこうなのだから、フェンリル側の負担はもっとだろう。
このままじゃ……
「ギャオオオオオオ!」
その姿をあざ笑うかのように、ボーンドラゴンが吠えた。
勝てない。
抜けない。
このままでは殺される。
そんなネガティブな思考から、こんな事を考えてしまう。
――今ならまだ、俺だけなら逃げられるんじゃないか。
そんな事を。
「最悪だな……」
そんな事を考えてしまう自分に嫌気がさす。
どこまで本当に最低だ。
最低過ぎて、腹が立ってきた。
「ふざっけんな!俺は大事な奴らを見捨てて生き延びるなんて……そんな無様な生き方をするために転生した訳じゃねぇ!俺は逃げねぇ!!」
俺はカッコよく生きれるタイプの人間じゃねぇ。
多少チートがあったって、漫画の主人公みたいに生きれる性格をしていない。
なんだったら、小物のモブがお似合いの性根をしてる。
けど、せっかく転生して二度目の人生を得たんだ。
死んで、生き返って。
その先でまで、そんな生き方して堪るかよ。
例えここで死ぬ事になっても、死に際くらい格好つけてやる!
「フェンリル!俺を輩出しろ!」
だが、それはあくまで俺の覚悟だ。
フェンリルまで巻き込めない。
「お前は逃げろ!その時間ぐらい、稼いでやるから」
フェンリルだけなら逃げ延びれるかもしれない。
だからこいつだけでも逃がして見せる。
この命に代えても。
「ぷぎゃぎゃぎゃぎゃ!(大丈夫だよ!パパ!だって――)」
フェンリルが上を見上げる。
その視線の先には――
「ヘタレの癖に良く言いました!」
――強烈な青い光が。
「あれは……まさか?」
「スーパー!アクア!キーック!!」
青い光が、上空から高速で降って来る。
その光はボーンドラゴンの背骨に激突し、奴の体を地面へと叩きつけた。
「あ、ああ……」
青い光の姿。
それは。
その青い光の正体は――
「真打登場!世界よ!水のプチ精霊王である私の前に平伏せよ!」
「カッパー!」
「ぷぎゃ!(ママ!)」
――死んだはずのカッパーだった。
146
あなたにおすすめの小説
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
転生者のブルーノは絶大な力を持っていたが、その力を隠してダンジョンの荷役として暮らしていた。だが、教会の力で勇者を騙る卑怯下劣な連中に、レットドラゴンから逃げるための生贄として、ボス部屋に放置された。腐敗した教会と冒険者ギルドが結託て偽の勇者パーティーを作り、ぼろ儲けしているのだ。ブルーノは誰が何をしていても気にしないし、自分で狩った美味しいドラゴンを食べて暮らせればよかったのだが、殺されたブルーノの為に教会や冒険者ギルドのマスターを敵対した受付嬢が殺されるのを見過ごせなくて・・・・・・
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る
神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】
元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。
ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、
理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。
今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。
様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。
カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。
ハーレム要素多め。
※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。
よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz
他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。
たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。
物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz
今後とも応援よろしくお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる