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第24話 風の結界
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街道を外れた道を俺は歩く。
態々こんな道を通っているのは、フードで顔を隠しているとはいえ、自身がエヴァン・ゲリュオンである事を周囲に察知される可能性を少しでも抑える為である。
強くなって主人公の壁になると決めた俺ではあったが、居場所は知られていない方が都合がいい。
自分主導で何かをするとき以外、余計なトラブルはノーサンキューだ。
「しっかし、原因は絶対これだよなぁ」
俺は袋から卵を取り出した。
邪獣の卵だ。
メゲズの街で、突然下がったカルマ値。
それも300も。
どう考えてもその原因は、デブラーの屋敷で手に入れたこの邪獣の卵としか思えない。
「迂闊だったなぁ……」
注意一瞬怪我一生じゃないが、卵を触っただけで強制契約からのマイナス300は流石にえぐすぎである。
どんな嫌がらせだよ。
契約解除方法も分からないし、仮に解除出来としても減ったカルマ値が戻って来るのかすらも不明。
次からは、見つけても迂闊に触らない様に気を付けないと。
もうそれ捨てたら?
この卵。
捨てても光の速さで勝手に戻って来るとだけ言っておこう。
完全に呪いのアイテムです。
本当にありがとうございました。
「ま、しゃーない」
何事も切り替えが重要である。
因みに、手に入れた卵から召喚できる邪獣は小さな蛇だった。
名前はウロボロス。
レベルは1。
ゲームで邪教の幹部が使役している奴はレベルが70程あり、更に沼地の巨蛇よりも大きいサイズをしていた。
どうも邪獣は、自分の手で1から育てないといけないみたいである。
「育成は……まあ余裕があったらやるとしよう。今は自分の強化優先だ」
現在俺は、旧世界樹のあった場所から南西へと向かっていた。
目的地はエアウォールと言う山だ。
山の見た目は、富士山の様な独立峰――と言うか、まんま富士山である。
――風の壁。
およそ山に付けられるのに相応しくなさそうなその名前の由来は、富士山で言う所の、万年雪の白い部分が強力な風の結界によって立ち入れない所から来ている。
その頂上には火口部がなく、代わりに風の神殿と呼ばれる謎の建物が建っていた。
そしてその神殿こそ、俺の目指す隠しダンジョンへの入り口だ。
神殿にはゲートが設置されており、そのゲートを飛んだ先が隠しダンジョンである天空城プッチョンとなっている。
本来、山に張られている風の結界はゲームクリア後にしか解除されない。
そうなって初めて、その神殿に入る事が出来る様になる。
――もちろん俺は、そこへはバグを使って侵入する予定だ。
エアーウォールに到着した俺は、早速山を登りはじめた。
「ふぅ……」
山の8合目ほど。
山肌の、白と茶色の境界線付近。
そこを隔てる風の結界が目前に迫る。
三千メートル程も登ると、流石に強靭なゲリュオンの体でも多少は疲れる。
俺は水を飲み、少し一休みしてから――
「さて……」
――とある岩を探す。
「見つけた」
結界のきわにある、山から突き出た角ばった大きな岩。
それこそが、隠しダンジョンへズルして入る目印となっている。
俺は地面に落ちている石ころを拾い、試しに結界に放り投げてみた。
風の結界は、乱気流となって外部からの侵入を全てを弾き飛ばす仕様だ。
だがただ一か所だけ、乱気流の壁を形成せず、真っすぐに伸びる上昇気流だけの場所が存在していた。
結界の目の様な物で。
そこの風に乗れば、結界の解除を待たず内部まで入り込む事が出来た。
それが隠しダンジョンへの侵入バグである。
「よし」
投げたい石が弾かれる事無く風に飲み込まれ、真っすぐ上昇して行くのを確認する。
バグが発生しない可能性も少し危惧していたが、どうやら大丈夫そうだ。
「エアクッション!」
シャボン玉の様な透明な空気の幕が、俺を包み込む。
これは風の防護魔法で、落下や暴風なんかの地形ダメージを軽減する魔法となっている。
……このバグを利用すると、強風で結構なダメージを喰らう事になってしまうからな。
まあゲリュオンのHPならまず大丈夫だが、かけた方が痛くなくて済むのでかけておくに越した事はない。
「よし、行くか」
防護魔法を纏った俺は、そのまま結界へと飛び込んだ。
結界の強風に巻き込まれた俺の体は、大きく上昇し、その後あっちこっちへと結界内を乱暴に振り回されてしまう。
「うぇ……気持ちわる……」
グルグルと風に振り回される事、約3分。
やっと結界の内側に吐き出された俺は、気持ち悪さにその場にしゃがみ込む。
魔法のお陰で痛みは全くないが、この魔法は三半規管まではカバーしてくれないのが難点だ。
いくら優秀なゲリュオンとは言え、流石にぶんぶん無軌道に振り回されれば気分も悪くなるというもの。
「ふぅ……」
何度か深呼吸して気分を落ちつかせてから、俺は風の神殿へと足を踏み入れた。
神殿の造りは、ギリシャとかにある様な感じの物だ。
色は基本真っ白。
神殿にはゲート以外ないので、俺は真っすぐに最奥にある祭壇へと進む。
辿りついた祭壇の上には、圧縮された空気の塊の様なものが浮かんでいた。
これが天空城へと繋がるゲートである。
俺がそれに触れると、ゲートが輝き――
「ねんのため、ハイパーステルスも発動させとくか」
――俺は天空城・プッチョンへとたどり着く。
態々こんな道を通っているのは、フードで顔を隠しているとはいえ、自身がエヴァン・ゲリュオンである事を周囲に察知される可能性を少しでも抑える為である。
強くなって主人公の壁になると決めた俺ではあったが、居場所は知られていない方が都合がいい。
自分主導で何かをするとき以外、余計なトラブルはノーサンキューだ。
「しっかし、原因は絶対これだよなぁ」
俺は袋から卵を取り出した。
邪獣の卵だ。
メゲズの街で、突然下がったカルマ値。
それも300も。
どう考えてもその原因は、デブラーの屋敷で手に入れたこの邪獣の卵としか思えない。
「迂闊だったなぁ……」
注意一瞬怪我一生じゃないが、卵を触っただけで強制契約からのマイナス300は流石にえぐすぎである。
どんな嫌がらせだよ。
契約解除方法も分からないし、仮に解除出来としても減ったカルマ値が戻って来るのかすらも不明。
次からは、見つけても迂闊に触らない様に気を付けないと。
もうそれ捨てたら?
この卵。
捨てても光の速さで勝手に戻って来るとだけ言っておこう。
完全に呪いのアイテムです。
本当にありがとうございました。
「ま、しゃーない」
何事も切り替えが重要である。
因みに、手に入れた卵から召喚できる邪獣は小さな蛇だった。
名前はウロボロス。
レベルは1。
ゲームで邪教の幹部が使役している奴はレベルが70程あり、更に沼地の巨蛇よりも大きいサイズをしていた。
どうも邪獣は、自分の手で1から育てないといけないみたいである。
「育成は……まあ余裕があったらやるとしよう。今は自分の強化優先だ」
現在俺は、旧世界樹のあった場所から南西へと向かっていた。
目的地はエアウォールと言う山だ。
山の見た目は、富士山の様な独立峰――と言うか、まんま富士山である。
――風の壁。
およそ山に付けられるのに相応しくなさそうなその名前の由来は、富士山で言う所の、万年雪の白い部分が強力な風の結界によって立ち入れない所から来ている。
その頂上には火口部がなく、代わりに風の神殿と呼ばれる謎の建物が建っていた。
そしてその神殿こそ、俺の目指す隠しダンジョンへの入り口だ。
神殿にはゲートが設置されており、そのゲートを飛んだ先が隠しダンジョンである天空城プッチョンとなっている。
本来、山に張られている風の結界はゲームクリア後にしか解除されない。
そうなって初めて、その神殿に入る事が出来る様になる。
――もちろん俺は、そこへはバグを使って侵入する予定だ。
エアーウォールに到着した俺は、早速山を登りはじめた。
「ふぅ……」
山の8合目ほど。
山肌の、白と茶色の境界線付近。
そこを隔てる風の結界が目前に迫る。
三千メートル程も登ると、流石に強靭なゲリュオンの体でも多少は疲れる。
俺は水を飲み、少し一休みしてから――
「さて……」
――とある岩を探す。
「見つけた」
結界のきわにある、山から突き出た角ばった大きな岩。
それこそが、隠しダンジョンへズルして入る目印となっている。
俺は地面に落ちている石ころを拾い、試しに結界に放り投げてみた。
風の結界は、乱気流となって外部からの侵入を全てを弾き飛ばす仕様だ。
だがただ一か所だけ、乱気流の壁を形成せず、真っすぐに伸びる上昇気流だけの場所が存在していた。
結界の目の様な物で。
そこの風に乗れば、結界の解除を待たず内部まで入り込む事が出来た。
それが隠しダンジョンへの侵入バグである。
「よし」
投げたい石が弾かれる事無く風に飲み込まれ、真っすぐ上昇して行くのを確認する。
バグが発生しない可能性も少し危惧していたが、どうやら大丈夫そうだ。
「エアクッション!」
シャボン玉の様な透明な空気の幕が、俺を包み込む。
これは風の防護魔法で、落下や暴風なんかの地形ダメージを軽減する魔法となっている。
……このバグを利用すると、強風で結構なダメージを喰らう事になってしまうからな。
まあゲリュオンのHPならまず大丈夫だが、かけた方が痛くなくて済むのでかけておくに越した事はない。
「よし、行くか」
防護魔法を纏った俺は、そのまま結界へと飛び込んだ。
結界の強風に巻き込まれた俺の体は、大きく上昇し、その後あっちこっちへと結界内を乱暴に振り回されてしまう。
「うぇ……気持ちわる……」
グルグルと風に振り回される事、約3分。
やっと結界の内側に吐き出された俺は、気持ち悪さにその場にしゃがみ込む。
魔法のお陰で痛みは全くないが、この魔法は三半規管まではカバーしてくれないのが難点だ。
いくら優秀なゲリュオンとは言え、流石にぶんぶん無軌道に振り回されれば気分も悪くなるというもの。
「ふぅ……」
何度か深呼吸して気分を落ちつかせてから、俺は風の神殿へと足を踏み入れた。
神殿の造りは、ギリシャとかにある様な感じの物だ。
色は基本真っ白。
神殿にはゲート以外ないので、俺は真っすぐに最奥にある祭壇へと進む。
辿りついた祭壇の上には、圧縮された空気の塊の様なものが浮かんでいた。
これが天空城へと繋がるゲートである。
俺がそれに触れると、ゲートが輝き――
「ねんのため、ハイパーステルスも発動させとくか」
――俺は天空城・プッチョンへとたどり着く。
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