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3話
しおりを挟むこれが...ゲームの中なのか...
視界が晴れ始め、見えてきたのは大きな門だった
「おい!そこの旅人さん!何ぼーっとしてんだ!早くこっちに来な!」
声の方向を向くと、門の前に鎧を着た頭に熊の耳がある男性がいた
これが、獣人というものか
つい、頭の耳に視線を送りながら言う
「私、ですか?」
視線に気づいたのか、耳をかきながら大声で話しかけてくる
「そうだよ!んなとこいるとモンスターに襲われっぞ!」
その言葉を聞き、少し駆け足で近寄る
「あんた、初めての人だろ?見てて危なっかしいぜ?」
その言葉に少し驚く
何故それを?
「どうしてわかったのですか?」
それを聞き、ニヤッと笑うと
「そりゃ、その格好だよ。どう見たってど素人じゃねぇか」
そう言われ、自分の格好を見てみる
チュートリアルの時は白の長袖シャツと茶色の長袖ズボン、黒のブーツだけだったのが、革のグローブとウエストポーチ、小さなショルダーバッグが追加されている。ウエストポーチの中にはお金が入っている。
ふむ、確かに初心者っぽいな
「まあ、とにかくだ。ようこそワン国へ!ここはあんたみたいな初心者、大歓迎だせ!楽しんでいけよ!」
そう言って笑いかけてくる
こちらも笑みを浮かべ、
「ありがとうございます。あの、簡単にどっちの方向に行けば何があるのか、教えていただけませんか?」
その問いに、頷きながら
「おう!いいぜ!まず、ここは、ワン国北門だ。大通りに沿ってまっすぐ南に向かえば、王城があって、城下町にゃギルドなんかがあるぜ!東に行きゃあ、商店街なんかがある。西にゃ、貴族たちが住んでたり、職人街があるよ。南の方はそっちに行ってから聞いてくれ。あとは東西南北に門があるってことぐらいか?おっ、そうだ、簡単な地図をやるからそれを見てくれ!」
地図か、いいな
「ほら、これだ!」
なるほど
「わかりました。ありがとうございます」
そう礼を言うと
「いいってことよ!ちなみに俺はダンダスだ!困った時はまた話しかけてくれ!」
そう言ってニッと笑う
こちらも笑みを浮かべ
「はい。私はキョウと言います。困った時はまたよろしくお願いいたします、ダンダス殿」
「おう!じゃあな!あんたの旅が幸多からん事を願うぜ!」
そう言って親指を立ててくる
良い人だ
こちらも頭を下げ、中に入る
これがキョウの第1歩、かな
口元に笑みを浮かべながら、門をくぐっていった
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