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システムコンソール
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「風が強い……!」
「そりゃミストラル、って言うくらいだからな。あの山から風が吹き下ろしてくるのさ。さ、あそこの岩山を抜けた先に塔がある」
そこには思っていたよりも小さな塔があった。三階建てほどだろうか。周囲を回ると、扉が一つ。扉には鍵穴はない。押しても引いても横にも開かない。ブレーカーに雫の封印スキルを使ってみたが開かない。
「無いわね。鍵穴」
ロザリオさんは扉の前でため息をつく。
「周囲も確認だ。例の七つの鍵穴全部にシルバーメッキの鍵を使ってみるんだ」
モルフェスはそう言うとそれぞれの鍵穴に差し込んでみた。
「どれも鍵が合わないな。回らない」
またしても八方塞がりか……。いや、まだ探していない場所がある。塔そのものだ。扉があるので、それしか確認していない。
「塔そのもの、扉以外になにかあるんじゃないか?」
メンバーは手分けして探索する。するとセルシスが声を上げた。
「これ!この石!」
塔のすぐ横に落ちている石をずらすと鍵穴が現れた。探索中に躓いたら石がずれて鍵穴が出てきたということだ。
モルフェスはシルバーメッキの鍵をその鍵穴に差し込む。
バチン!
大きな音が扉の方から響く。一行は塔の反対側にある扉に急いだ。扉は開いていた中にはなにがあるのだろうか。
「どうする?完全に開いてみるか?」
モルフェスは皆の同意を求めてから扉を手前に引いた。
内部は吹き抜けになっていてセンターに7台のコンソールがあった。
「さて。どうする?中にはいるか?」
「いや、シルバーキーのダンジョンのこともある。入ったら扉が閉まるかも知れない。ここは俺が一人で入ってみる」
俺は最小限の犠牲を想定して自身で名乗り出た。中にはいると扉はそのままで閉まることは無かった。
「おーい、なにがある!?」
外からモルフェスが確認してくる。コンソールを確認すると各コンソールに鍵穴がある。鍵穴の装飾はメッキと金属でそれぞれブロンズ、シルバー、ゴールドに分かれていた。恐らくエリアボスから集めた鍵はここに使うのだろう。
外に出て、確認した内容をメンバーに説明する。そして、塔の周囲にあった鍵穴はダミーでさっきの石ころに隠されていた鍵穴を見つけにくくする為だろうと付け加えた
「やはり、金属製のブロンズとゴールドもあるようだな。しかし、ゴールドがもう一つあったってどういうことだ?」
モルフェスは俺に確認するが、7つなんだから同じ色がもう一つあってもおかしくないだろう、と話した。
「そうか!そうだよな!何で今まで気がつかなかったんだ!」
うっそだろ。7つだぞ?ブロンズ、シルバー、ゴールドのメッキと金属だけじゃ6本じゃないか。気がついていなかったのか。ロザリオさんもあきれた顔をしていた。
「しかし。何色かが被るとは思っていたけど、まさかゴールドか……」
ロザリオさんの落胆は当然だった。金属のシルバーキーであの強さだったのだ。それよりも強力なはずのゴールドを2体も討伐する、それはさらなる犠牲を意味していた。
「シルバーとかゴールドとかなんの話してるんだ?」
後ろから思いもよらない声がして振り返ると、そこにはガルがいた。皆が驚くのを余所にガルは自分がここにいるのは後で話すから鍵の色について教えてくれ、と俺に向かって要請した。
「鍵の色か。色と言えば、UGWも4色に分かれているな。ブルー、イエロー、レッド、ブラック。こっちに鍵が既に4本あるなら1色多いし、関連性の無い色だが」
エリアボスか……。エリアボスはボスそのもののシステム攻略をして倒した。エリアボスは姿形がモンスターみたいなものじゃなくてシステム単体の可能性もあるな……。
そう思ったときに雫がガルに問いかける。
「ねぇ、ガル、各ドッグの攻略コンソールそのものを攻略しようとしたことあったかしら?」
「攻略コンソールそのものを攻略?ないな。思い付きもしなかった」
雫も同じ考えのようだ。やはり試してみる価値はある。
「ここにいるメンバー全員でUGWに行けないか?」
ガルはウィルに指示を出し、UGWのプレーヤーを入れ替えて俺たちはUGWに戻ってきた。シュガーはOPWの元俺の自宅にある攻略コンソールに待機、入れ替わってOPWに入ったメンバーはミストラルエリアの塔に待機、雫とセルシス、ローラインにロザリオさんモルフェスさん、それにガルのメンバーでレッドドッグに入った。
「ここがUGW……。OPWとはかなり趣が異なるわね……」
ロザリオさんは周囲を見回して慎重に後ろを歩いている。モルフェスさんは自身の魔術が使えるのかどうかを試している。
「ここがレッドドッグの攻略コンソールだ。コンソールは全部で7つある。ちょうど7人だ。一斉にやりたいところだが。全部一気には使えない。おおよそ15分毎にいくつかのコンソールが使えるようになる。コンソールの順番はランダムだ。それと、攻略コンソールは2名1組で作業が可能だ。応援を呼ぶか、分担して回るか。そもそもドッグ内にはID保有者とそのバディしか入れねぇ。ID保有者は俺、雫、セルシス、ローラインだ。」
「新規で回転するよりは攻略した1名が次の攻略にも参加する方が連続性があってよくないか?」
この俺の提案に意義はなく、その方法でシステムコンソールそのものの攻略を敢行した。
「そりゃミストラル、って言うくらいだからな。あの山から風が吹き下ろしてくるのさ。さ、あそこの岩山を抜けた先に塔がある」
そこには思っていたよりも小さな塔があった。三階建てほどだろうか。周囲を回ると、扉が一つ。扉には鍵穴はない。押しても引いても横にも開かない。ブレーカーに雫の封印スキルを使ってみたが開かない。
「無いわね。鍵穴」
ロザリオさんは扉の前でため息をつく。
「周囲も確認だ。例の七つの鍵穴全部にシルバーメッキの鍵を使ってみるんだ」
モルフェスはそう言うとそれぞれの鍵穴に差し込んでみた。
「どれも鍵が合わないな。回らない」
またしても八方塞がりか……。いや、まだ探していない場所がある。塔そのものだ。扉があるので、それしか確認していない。
「塔そのもの、扉以外になにかあるんじゃないか?」
メンバーは手分けして探索する。するとセルシスが声を上げた。
「これ!この石!」
塔のすぐ横に落ちている石をずらすと鍵穴が現れた。探索中に躓いたら石がずれて鍵穴が出てきたということだ。
モルフェスはシルバーメッキの鍵をその鍵穴に差し込む。
バチン!
大きな音が扉の方から響く。一行は塔の反対側にある扉に急いだ。扉は開いていた中にはなにがあるのだろうか。
「どうする?完全に開いてみるか?」
モルフェスは皆の同意を求めてから扉を手前に引いた。
内部は吹き抜けになっていてセンターに7台のコンソールがあった。
「さて。どうする?中にはいるか?」
「いや、シルバーキーのダンジョンのこともある。入ったら扉が閉まるかも知れない。ここは俺が一人で入ってみる」
俺は最小限の犠牲を想定して自身で名乗り出た。中にはいると扉はそのままで閉まることは無かった。
「おーい、なにがある!?」
外からモルフェスが確認してくる。コンソールを確認すると各コンソールに鍵穴がある。鍵穴の装飾はメッキと金属でそれぞれブロンズ、シルバー、ゴールドに分かれていた。恐らくエリアボスから集めた鍵はここに使うのだろう。
外に出て、確認した内容をメンバーに説明する。そして、塔の周囲にあった鍵穴はダミーでさっきの石ころに隠されていた鍵穴を見つけにくくする為だろうと付け加えた
「やはり、金属製のブロンズとゴールドもあるようだな。しかし、ゴールドがもう一つあったってどういうことだ?」
モルフェスは俺に確認するが、7つなんだから同じ色がもう一つあってもおかしくないだろう、と話した。
「そうか!そうだよな!何で今まで気がつかなかったんだ!」
うっそだろ。7つだぞ?ブロンズ、シルバー、ゴールドのメッキと金属だけじゃ6本じゃないか。気がついていなかったのか。ロザリオさんもあきれた顔をしていた。
「しかし。何色かが被るとは思っていたけど、まさかゴールドか……」
ロザリオさんの落胆は当然だった。金属のシルバーキーであの強さだったのだ。それよりも強力なはずのゴールドを2体も討伐する、それはさらなる犠牲を意味していた。
「シルバーとかゴールドとかなんの話してるんだ?」
後ろから思いもよらない声がして振り返ると、そこにはガルがいた。皆が驚くのを余所にガルは自分がここにいるのは後で話すから鍵の色について教えてくれ、と俺に向かって要請した。
「鍵の色か。色と言えば、UGWも4色に分かれているな。ブルー、イエロー、レッド、ブラック。こっちに鍵が既に4本あるなら1色多いし、関連性の無い色だが」
エリアボスか……。エリアボスはボスそのもののシステム攻略をして倒した。エリアボスは姿形がモンスターみたいなものじゃなくてシステム単体の可能性もあるな……。
そう思ったときに雫がガルに問いかける。
「ねぇ、ガル、各ドッグの攻略コンソールそのものを攻略しようとしたことあったかしら?」
「攻略コンソールそのものを攻略?ないな。思い付きもしなかった」
雫も同じ考えのようだ。やはり試してみる価値はある。
「ここにいるメンバー全員でUGWに行けないか?」
ガルはウィルに指示を出し、UGWのプレーヤーを入れ替えて俺たちはUGWに戻ってきた。シュガーはOPWの元俺の自宅にある攻略コンソールに待機、入れ替わってOPWに入ったメンバーはミストラルエリアの塔に待機、雫とセルシス、ローラインにロザリオさんモルフェスさん、それにガルのメンバーでレッドドッグに入った。
「ここがUGW……。OPWとはかなり趣が異なるわね……」
ロザリオさんは周囲を見回して慎重に後ろを歩いている。モルフェスさんは自身の魔術が使えるのかどうかを試している。
「ここがレッドドッグの攻略コンソールだ。コンソールは全部で7つある。ちょうど7人だ。一斉にやりたいところだが。全部一気には使えない。おおよそ15分毎にいくつかのコンソールが使えるようになる。コンソールの順番はランダムだ。それと、攻略コンソールは2名1組で作業が可能だ。応援を呼ぶか、分担して回るか。そもそもドッグ内にはID保有者とそのバディしか入れねぇ。ID保有者は俺、雫、セルシス、ローラインだ。」
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この俺の提案に意義はなく、その方法でシステムコンソールそのものの攻略を敢行した。
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