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「今の話、こっちも聞かせて貰ったんだがよ。そのミストラルエリアにあった塔そのものに鍵穴は無かったか?あと、各エリアに同じ様な塔はなかったか?俺の仮説が正しければ、各エリアの塔にそれぞれの鍵を差し込んでなんかやった後に、その地面にある鍵穴に鍵を突っ込むんだろうよ。その塔に差し込むところがあれば、試しにミストラルエリアで獲得した鍵を使ってみるといい。あのバカオヤジはそういうギミックが好きだからな」
ガルからの提案は試す価値がある内容だった。しかし、なぜガルはこんなにも協力的なんだろうか。
「ガル。この前を聞いたけど、なんでこんなに協力的なんだ?seven keys worldの攻略に興味があると言っていたが本当にそれだけなのか?それと。これは俺の予想なんだが、ジェシカさんとヘルエスさんは生きてるんじゃないか?」
俺は確認したかった。これまでの戦闘経験から、ある程度の手練れを一瞬で葬り去るのは不可能だ。雫の使った破壊のスキルでも使わない限りは。だが、あのスキルを使うと、そのオブジェクトが飛び散るエフェクトがあった。あの二人にはそれが無かった。
ここから推測するに、ガルは雫の言うようにオールド・マスターの指示に従ってUGWに落ちてきた強者と狩っているのではなく、保有スキルを奪って、UGW経由でオールド・マスターに挑まないようにしているのではないか?
「……。新海は俺が味方、だと言いたいのか?」
「その通りだ。今までの言動からオールド・マスターの攻略を望んでいるように思える」
「そうだなぁ。雫、おまえはどうだ?俺は味方か?」
雫はどう答えれば良いか思案している様子だった。なぜ即答しないのだろうか。
「そうね。ジェシカさんとヘルエスさんが虚無に落ちていないのなら信用する価値はあると思うわ。どうなのかしら?」
今度はガルが答える番だ。ガルが画面から消えた。代わりに見慣れた顔が現れた。
「お久しぶりね。新海くん」
ジェシカさんとヘルエスさんだ。やはり虚無に落ちていなかった。
「もうそろそろ種明かししても良いかと思ってよ。新海の予想通り、俺はオールド・マスター、クソオヤジを倒したいと思ってる。だが、放っておいたら雫が突っ走るからな。UGWでめぼしいプレーヤーを使ってパッシブスキル以外を保有しているプレーヤーを捕獲保護する事にした。この二人は元から俺側の人間だ。俺にすら敵わなければ雫がオールド・マスターへの特攻を断念すると思ったからな。まったく……、出来損ないの妹を持つと大変なんだよ」
ガルは続けて提案を申し出てきた。
「それと、一人、入れ替わりでこっちに来てくれねぇか。そいつに集めたスキルを全部渡す。んで、もう一回入れ替わってそっちに行って各々にスキルを分けて欲しい。そっちのエリアボスってやつにはパッシブスキル以外も有効みたいだからな。出来るだけレベルの高いやつがいい。たくさんのスキルを持たせることが出来そうだ」
それなら雫を向かわせれば、とロザリオさんは言い出したが、ガルの言うとおり、多くの戦力を手に入れた雫は単独で突っ込む可能性がある。俺はもっともらしい理由を付けてロザリオさんを推した。
「ちょっと……なにこれ。こんなに魔術があるの!?」
「ガルさんから預かってるスキルはこれで半分だ。残りの半分も使えそうなやつからインストールしてゆくぞ」
ロザリオはウィルから次々にインストールされる魔術に目を白黒させて驚いている。
「そういえば。雫さんが使っていた『破壊の魔術』はなんなの?」
「破壊の魔術?俺は知らんな。ガルさんは外出中だから俺が繋ぐから聞いてみてくれ」
「あいつ、そんなのまで持っていたのか。あれは禁忌だ。自分よりもレベルが低ければ消滅させることはできるが、万が一、自分より高位の存在だった場合、自分が消滅する。あいつ、レベル計測不能だっただろ。こっちの世界の各カラードッグマスターはみんな計測不能だ。俺も含めてな。自分自身でもわからねぇんだ。だからあの禁忌スキルは使わない。使えないんだ。なにしろ自分のレベルが分からないんだからな」
全て合点がいった。レベル計測不能な理由は分からないけど、雫さん特有のモノではないということは分かった。
ロザリオはOPWに戻って持ち帰った各魔術をメンバーに雫経由で受け渡した。
「なんだこのチート魔術は……。これなら残りのエリアボスも攻略出来るだろう。どうだロザリオ?」
モルフェスは受け渡された魔術を確認してロザリオさんに同意を求める。
「さて、どうかしら。恐らくブロンズはパーティーを再編すれば攻略可能だと思う。でもゴールドは分からない」
「そうか。とりあえずの戦力は手に入れたからミストラルエリアに急ごう。あそこはシルバーメッキの鍵だったはずだ」
一行は目的に向かって出発した。
ガルからの提案は試す価値がある内容だった。しかし、なぜガルはこんなにも協力的なんだろうか。
「ガル。この前を聞いたけど、なんでこんなに協力的なんだ?seven keys worldの攻略に興味があると言っていたが本当にそれだけなのか?それと。これは俺の予想なんだが、ジェシカさんとヘルエスさんは生きてるんじゃないか?」
俺は確認したかった。これまでの戦闘経験から、ある程度の手練れを一瞬で葬り去るのは不可能だ。雫の使った破壊のスキルでも使わない限りは。だが、あのスキルを使うと、そのオブジェクトが飛び散るエフェクトがあった。あの二人にはそれが無かった。
ここから推測するに、ガルは雫の言うようにオールド・マスターの指示に従ってUGWに落ちてきた強者と狩っているのではなく、保有スキルを奪って、UGW経由でオールド・マスターに挑まないようにしているのではないか?
「……。新海は俺が味方、だと言いたいのか?」
「その通りだ。今までの言動からオールド・マスターの攻略を望んでいるように思える」
「そうだなぁ。雫、おまえはどうだ?俺は味方か?」
雫はどう答えれば良いか思案している様子だった。なぜ即答しないのだろうか。
「そうね。ジェシカさんとヘルエスさんが虚無に落ちていないのなら信用する価値はあると思うわ。どうなのかしら?」
今度はガルが答える番だ。ガルが画面から消えた。代わりに見慣れた顔が現れた。
「お久しぶりね。新海くん」
ジェシカさんとヘルエスさんだ。やはり虚無に落ちていなかった。
「もうそろそろ種明かししても良いかと思ってよ。新海の予想通り、俺はオールド・マスター、クソオヤジを倒したいと思ってる。だが、放っておいたら雫が突っ走るからな。UGWでめぼしいプレーヤーを使ってパッシブスキル以外を保有しているプレーヤーを捕獲保護する事にした。この二人は元から俺側の人間だ。俺にすら敵わなければ雫がオールド・マスターへの特攻を断念すると思ったからな。まったく……、出来損ないの妹を持つと大変なんだよ」
ガルは続けて提案を申し出てきた。
「それと、一人、入れ替わりでこっちに来てくれねぇか。そいつに集めたスキルを全部渡す。んで、もう一回入れ替わってそっちに行って各々にスキルを分けて欲しい。そっちのエリアボスってやつにはパッシブスキル以外も有効みたいだからな。出来るだけレベルの高いやつがいい。たくさんのスキルを持たせることが出来そうだ」
それなら雫を向かわせれば、とロザリオさんは言い出したが、ガルの言うとおり、多くの戦力を手に入れた雫は単独で突っ込む可能性がある。俺はもっともらしい理由を付けてロザリオさんを推した。
「ちょっと……なにこれ。こんなに魔術があるの!?」
「ガルさんから預かってるスキルはこれで半分だ。残りの半分も使えそうなやつからインストールしてゆくぞ」
ロザリオはウィルから次々にインストールされる魔術に目を白黒させて驚いている。
「そういえば。雫さんが使っていた『破壊の魔術』はなんなの?」
「破壊の魔術?俺は知らんな。ガルさんは外出中だから俺が繋ぐから聞いてみてくれ」
「あいつ、そんなのまで持っていたのか。あれは禁忌だ。自分よりもレベルが低ければ消滅させることはできるが、万が一、自分より高位の存在だった場合、自分が消滅する。あいつ、レベル計測不能だっただろ。こっちの世界の各カラードッグマスターはみんな計測不能だ。俺も含めてな。自分自身でもわからねぇんだ。だからあの禁忌スキルは使わない。使えないんだ。なにしろ自分のレベルが分からないんだからな」
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「さて、どうかしら。恐らくブロンズはパーティーを再編すれば攻略可能だと思う。でもゴールドは分からない」
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一行は目的に向かって出発した。
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