騎士団長はスキル《ストーカー》を極めたい!

ミアキス

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第四章 騎士団長、ストーカーになる!

メイド、ドン引きする…

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「……若様。絵師呼びませんか……?」

エヴァンの私室にて、ラフィンは溜息をつきながら、そう提案した。
床に散らばる大量の人物画にドン引きしつつも、である。

「絵師を呼んでどうするの?リアの可愛さが言葉で伝わりきるわけないじゃないかっ!!」

ーーとりあえず若様がどんだけご令嬢をお好きなのかは理解して貰えます…。

「……いや、これもう絵師呼ばなくてもいいのでは?」

落ちた一枚を手にしながら、フェリテもドン引きながら呟く。
絵師も筆を投げ出しそうなまでに、生きてるかのように描かれたアリスティリアの姿がそこにあった。

「……若様、騎士なのに……」

「ご令嬢見つけてから、またとんでもない速さでスキル増えてるんだけど…」

とうとう《絵画》と《彫刻》スキルまで手に入れてしまった彼に、何とも言葉が出ない。


ーーその内、《裁縫》スキル生えて、ドレスとかも作りそうな気が……。



そんなラフィンの予感は、翌月には大当たりして、

「「「どーして、こーなった…」」」

と、メイド二人と侯爵夫人は頭を抱えていた。

「ねぇ、ラフィン。あの子はいったい、どうやってご令嬢の体のサイズを調べたのかしら?原則的にエべリウム家関係の情報は、故意でない限り回らないはずでしょう?」

休日に私室でチクチクと想い人に着せたいと、ドレスを縫う息子の姿に、エマリーは倒れかけた。

付き合ってもないのに、どうやってドレスそれを渡す気なのか……。

現在は屋敷内のサロンで、護衛メイド二人と共に今後を憂えていた。

「……距離や量などを見ただけで把握できるスキルがございまして……」

バサッと、エマリーの手から愛用の扇が転がり落ちた。

「……まさか……」

「そのまさかです。《測量》スキルMAXです、奥様……」

「若様、どこまで…」

「ちなみに、職業スキル《芸術家》、《料理人》も取得されました……」

ーー何だそれ、騎士とは関係なさすぎる……。

三人の想いが重なった瞬間である。

それからもエヴァンは、手が空くとアリスティリアを思い出しては、絵や彫刻で表し、寝る前には必ずその日彼女と話したことや、彼女の様子を記していた。

「これ、日記は日記でも、『アリスティリア様観察日記』って言わない?」

鍵付本棚にビッシリと並べられている日記の冊数に、ラフィンは突っ込まないようにしているというのに、フェリテはついつい口にしてしまうのだ。

「ああ。そういえば、これ以上は置き場がないって、若様に伝えたんだけど。旦那様に許可貰って、若様専用別館作るって聞いた?」

「聞いたわよ……。若様が封印具外して生活できるようにするらしくて、カフィル様が二人で話してたわ…」

小耳に物騒な単語が聞こえたような気がして、ラフィンは席を外していたのだが、後にこの事を後悔することになる。

「そー言えば、ラフィンとこの娘のステリナ、例のご令嬢付きのメイドになったんだって?」

「…そーらしいわね。若様には、内緒だけど…」

カフィルとの間に生まれた子供は二人。
長男はエヴァンより一つ下で、エヴァンの補佐官として騎士団に所属している。
三つ下の長女はエイベルでメイドとして技能を身につけ、マリアステラに呼ばれて、アリスティリア付きのメイドとなっていた。

「……マリアステラ様に呼ばれた?」

ポソッと小さな声が聞こえた。

「フェリテも?じゃあ、やっぱりアリスティリア様も若様だって気づいてんのね……」

両片想いって、どうなんだろう。と、考えつつも、伯爵家の息子達を思い出す。

「マリアステラ様が情報規制かけて、ご子息達には若様のこと隠しとくのかしらね?」

「話を聞くかぎり、本能的に気づいてるみたいだけどねぇ…」

「「はあ……」」

シーツにアイロンを掛けながら、二人は大きな溜息をついていたーーーー。


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