騎士団長はスキル《ストーカー》を極めたい!

ミアキス

文字の大きさ
98 / 154
第十二章 トラブルは続く、何処までも……

走れ、跳べ、叫べ!

しおりを挟む
[アリスティリア視点]

「ステリナーッ!!右前方出るわよ!!」

フェリテさんの言葉に、ステリナが走り出します。
その先にパッと現れたと思ったら、フッと消えました。一瞬のことです。

「フェリテさん、後ろです!!」

トルテさんの声にフェリテさんが振り向きざまに飛びつきましたが、フワンと空高く浮かんでいきます。

「だーあ…」

わたしの腕の中で、トリスタンが声を上げます。

「トルテ、跳びつきなさいっ!ステリナ、左後方全力で走りなさいっ!!」

母親のラフィンさんは、【封印布】を広げて待ち構えてます。
追い込み漁のようですね…。追い込まれてるのわたしの子供ですけど……。

生後半年が経ちました。
二人はスキルレベルをMAXにまでしてしまいました。
追いかけられるのを楽しんでいるようです。
お昼寝前に必ずこの追いかけっこが始まるのですから。
本来でしたら、わたしも加わるのですが、困ったことにまた妊娠してしまいました。

「……え?魔導具が壊れた?若様、何したの?」

頻繁に使用していたからか、はたまたエヴァン様のスキルが強かったからか、避妊に失敗してしまいました。
カフィル様が頭を抱えてました。
毎回ご迷惑をおかけします。

子供達のスキル対策で、敷地内からは移動できないように〖結界魔導具〗の改良もして下さいました。

「ディア様、確保ーーっ!!」

ステリナが叫んでいます。

「坊っちゃま、何処です?」

この追いかけっこのせいなのでしょうか。
トルテさんもステリナも、戦闘スキルがグングン上がっていましたし、新しく増えてました。

「ラフィン!下、移動してる!!」

ラフィンさん達が上を見ていたからでしょうか、アルヴィンは地面スレスレを浮いていました。

「な…」

捕まえようと手が伸ばされると、フッと姿を消して、また空中に現れます。

「ぼ、坊っちゃま。お昼寝…お昼寝しましょう……」

トルテさんの呼吸がだいぶ乱れてきました。

「~~っ!!ここだぁっ!!」

木の上にいつの間にか登っていたフェリテさん。現れると同時にアルヴィンに飛びつきました。

空中でクルリと一回転して着地した腕には、【封印布】に包まれて、キャッキャッとはしゃぐ息子の姿がありました。

「ぼ、坊っちゃま、確保ぉ……」

フェリテさんもその場に座り込みました。

『…………』

皆さん、声も出せない状況です。

うん。確実に戦闘よりキツいですよね。申し訳ないです、ほんと………。

フィルディアは疲れたのか、ステリナの腕の中で眠ってます。
私の抱いてるトリスタンも、目を擦りながら、ウトウトし始めました。

「あー。だあっ!」

アルヴィンはまだまだ元気そうです。

「……今日も追いかけっこですか?」

遠征に行かれていたエヴァン様が、カルステッドさんを伴い戻られました。

「お帰りなさいませ、エヴァン様。カルステッドさん」

声をかけると、頬にキスをされました。
これくらいなら、人前でもすっかり慣れました。

「若奥様。カルとお呼びください…」

わたしの腕からトリスタンを受け取りながら、そう言われました。
気をつけているのですが、こちらはなかなか慣れません。

「スタン~♪兄ちゃん、帰ったぞぉ♪」

「あ………」

ウトウトしていたトリスタンに、頬擦りをしてしまいました。

「ふ、ふぎゃあーっ!ふぎゃあぁっ!!」

ぐずり出したトリスタンに、カルステッドさんが慌てます。

「ほああっ!!ほぎゃあっ!!」

泣き声でフィルディアも起きてしまい、泣き声の混声合唱が始まりました。
こうなると、当然……。

「う…。うぎゃあっ!うぎゃあぁっ!!」

アルヴィンも加わり、飛んでもない状態です。

「「カルステッドッ!!」」
「この愚兄っ!」
「カルステッド様っ!!」

『護衛メイド』四人に殺気をぶつけられたカルステッド様は、近くに来たラフィンさんにトリスタンを渡すと、

「…すみませんでした……」

見事な土下座を披露されました。

その後は双子が眠るまで、前と後ろに括り付けられたカルステッド様が、必死に寝かしつける姿が庭で見られたのでしたーーーー。










しおりを挟む
感想 26

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

オオカミ課長は、部下のウサギちゃんを溺愛したくてたまらない

若松だんご
恋愛
 ――俺には、将来を誓った相手がいるんです。  お昼休み。通りがかった一階ロビーで繰り広げられてた修羅場。あ~課長だあ~、大変だな~、女性の方、とっても美人だな~、ぐらいで通り過ぎようと思ってたのに。  ――この人です! この人と結婚を前提につき合ってるんです。  ほげええっ!?  ちょっ、ちょっと待ってください、課長!  あたしと課長って、ただの上司と部下ですよねっ!? いつから本人の了承もなく、そういう関係になったんですかっ!? あたし、おっそろしいオオカミ課長とそんな未来は予定しておりませんがっ!?  課長が、専務の令嬢とのおつき合いを断るネタにされてしまったあたし。それだけでも大変なのに、あたしの住むアパートの部屋が、上の住人の失態で水浸しになって引っ越しを余儀なくされて。  ――俺のところに来い。  オオカミ課長に、強引に同居させられた。  ――この方が、恋人らしいだろ。  うん。そうなんだけど。そうなんですけど。  気分は、オオカミの巣穴に連れ込まれたウサギ。  イケメンだけどおっかないオオカミ課長と、どんくさくって天然の部下ウサギ。  (仮)の恋人なのに、どうやらオオカミ課長は、ウサギをかまいたくてしかたないようで――???  すれ違いと勘違いと溺愛がすぎる二人の物語。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

Emerald

藍沢咲良
恋愛
教師という仕事に嫌気が差した結城美咲(ゆうき みさき)は、叔母の住む自然豊かな郊外で時々アルバイトをして生活していた。 叔母の勧めで再び教員業に戻ってみようと人材バンクに登録すると、すぐに話が来る。 自分にとっては完全に新しい場所。 しかし仕事は一度投げ出した教員業。嫌だと言っても他に出来る仕事は無い。 仕方無しに仕事復帰をする美咲。仕事帰りにカフェに寄るとそこには…。 〜main cast〜 結城美咲(Yuki Misaki) 黒瀬 悠(Kurose Haruka) ※作中の地名、団体名は架空のものです。 ※この作品はエブリスタ、小説家になろうでも連載されています。 ※素敵な表紙をポリン先生に描いて頂きました。 ポリン先生の作品はこちら↓ https://manga.line.me/indies/product/detail?id=8911 https://www.comico.jp/challenge/comic/33031

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

処理中です...