【R18】『供物』の姫は食べられたい!

ミアキス

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第一章 『供物』の姫は食べられない

3.

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「第六王女エリシア様をお連れ致しました!」

迎えに来た騎士様にエスコートされ、私が通されたのは大広間でした。

そこにはたくさんの貴族が、様々な表情で私を見ています。
正面にはさらに煌びやかな方々がいらっしゃいました。

「正面中央におられますのが、父君でございますよ」

騎士様はこっそりと私だけに聞こえるように、正面の皆様のことを教えてくださいました。

中央に父である国王陛下。その左側に王妃様、第一王子、第一王女、第三王女、その隣に双子の第四王女と第五王女。
右側に一位の側室。二位の側室。第二王子、第二王女、第三王子。私の下に第四王子がいたそうですが、そちらは生まれて直ぐに亡くなられたそうです。

彼らから向けられる視線は二通りありました。
汚らしい物を見るような視線と、嬉しさと悲しさの混ざった何とも言えないような視線です。

とりあえず導かれるままに、陛下の御前に跪きました。

「……顔を上げよ…」

かけられた声に顔を上げると、辛そうな顔をされた陛下と王妃様が目に入りました。

「あぁ…。こんな事って…」

王妃様は涙目になってそう呟かれると口を覆われ、倒れかけた体を隣の第一王子に支えられました。

「エリシアよ……。今日までそなたの存在は亡き者として伝えられていた。だが偽りだと知れた今、その件は詳しく調べていきたいと思う…。今まで気づかず、辛い思いをさせたな……」

陛下は玉座から私の元へ下りてこられると、私を強く抱きしめるとそう仰いました。

「…………」

ですが、私はどう答えてよいか分かりませんでした。

だって私は知っていたのです。何故、私という存在が無いものとして扱われていたのかを……。ですから、この後に陛下の仰った言葉に、どうして私の存在が知らされたのかという理由も分かりました。

「…そなたに命じねばならぬ事がある…」

苦しそうに吐き出される言葉に、心の奥で『ああ、やっぱり…』という私の声が聞こえます。

「異界から開かれる門への『』になってもらわねばならぬ……」

その瞬間、ニタリと笑みを浮かべた方々が、私と母を無きものとしていた方々なのでしょう。
あの離宮で、何度命を狙われたことか、その日々を思い浮かべます。
私の世話をしてくれた彼らとて、何度も私を庇い、共に生死の境目を漂ったのです。

…もう疲れましたし、のお役に立てるようなので、いいですよね?

「分かりました。『供物』となります…」

淡々と答えた私の言葉に、周囲は騒然となりました。
王妃様と二位の側室様は、その場に倒れ込み、一位の側室様は満足気に見下ろされていました。

そして『供物』となる日まで、私は今までとこれからの分をと言わんばかりの、思い出を王妃様達からいただいたのです。

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