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第1章
第2話
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「やば、メロンパンうま」
彼女はたまに独り言を言う。まるで語彙力が溶け切っているかのように同じ言葉しか言わないが、ブツブツとメロンパンが美味しいという事実だけを述べている。
「ねぇ、なんかさ、メロンパンみたいな匂いしない?」
俺の前に座る女子が怪訝そうな顔をして言った。
一瞬俺に言ってきたのかと思って焦ったが、どうやら隣の女子に言ったらしい。
「えー、そうかな?言われてみれば確かにそんな匂いするかも」
突然ガタンと言う音がして叶恵の方を見ると、あからさまに焦っている叶恵がいた。
カバンを抱きしめて女子の方をじっと見ている。メロンパンを急いで閉まったのだろう、大切なメロンパン入のカバンを抱きしめながら小動物のようにプルプルと震えている。
そんな彼女の様子がおかしくって、口角が上がりそうになるのを必死に堪えながら横目で見ていた。
すると、叶恵は急に椅子から立ち上がり、こちらに忍び寄ってきた。
まさかとは思ったが、そのまさか。大切そうに抱きしめていたカバンを背負い、俺の顔とあと15センチも近付けば当たってしまうほど顔を近付け言った。
「見えてるよね?」
眉をひそめ、じっと眺めてくる叶恵の迫力に負け、出てきたのは「見えてません」という、意味のない小さい小さい声だった。
彼女はたまに独り言を言う。まるで語彙力が溶け切っているかのように同じ言葉しか言わないが、ブツブツとメロンパンが美味しいという事実だけを述べている。
「ねぇ、なんかさ、メロンパンみたいな匂いしない?」
俺の前に座る女子が怪訝そうな顔をして言った。
一瞬俺に言ってきたのかと思って焦ったが、どうやら隣の女子に言ったらしい。
「えー、そうかな?言われてみれば確かにそんな匂いするかも」
突然ガタンと言う音がして叶恵の方を見ると、あからさまに焦っている叶恵がいた。
カバンを抱きしめて女子の方をじっと見ている。メロンパンを急いで閉まったのだろう、大切なメロンパン入のカバンを抱きしめながら小動物のようにプルプルと震えている。
そんな彼女の様子がおかしくって、口角が上がりそうになるのを必死に堪えながら横目で見ていた。
すると、叶恵は急に椅子から立ち上がり、こちらに忍び寄ってきた。
まさかとは思ったが、そのまさか。大切そうに抱きしめていたカバンを背負い、俺の顔とあと15センチも近付けば当たってしまうほど顔を近付け言った。
「見えてるよね?」
眉をひそめ、じっと眺めてくる叶恵の迫力に負け、出てきたのは「見えてません」という、意味のない小さい小さい声だった。
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