神スキル『イチャつくだけで最強バフ』 - 春の貞操観念逆転種族を添えて -

ふつうのにーちゃん

文字の大きさ
39 / 69
mission 2 オーリオーンの暗闇

・泥鱗の芋将軍 - お姉さんとイイトコロ -

しおりを挟む
 昨晩、陽気な酔客と歌声で賑わう酒場でいつものように給仕をしていると、カウンター席のカチューシャさんに呼び止められた。

『そこな勤労青年、明日暇っすかー? 暇ならいいところ連れてってあげるっすよー!』

 ビールを大ジョッキを片手にした軽いノリのお誘いだった。
 あまりに軽すぎてすぐにそれとはわからなかったけど、どうやらそれはデートのお誘いらしかった。

 コギ仙人が『受け身でよい』と言っていたのは、このことなのだろうと思った。
 もちろんこちらも誘いに乗った。

『よかったす! じゃ、明日の昼前にここに集合っす! いやー、ワクワクしてきたっす!』

 俺が『いいところってどこ?』と聞いてもカチューシャさんは明かしてくれなかった。
 明かしたらつまらないと言って、茹で青豆をビールで口へとかっこんでいた。

 俺はママが切り盛りする夜のコルヌコピアが好きだ。
 喧嘩っ早かったり従業員のお尻を触るお客さんもいるけれど、そういう人はママが先割れスプーンで成敗してくれる。

 幽閉されていた頃と比べると、まるで天国のような居心地のよさだった。
 それは程度の差こそあれど、きっとカチューシャさんだって同じなはずだ。

 彼女は元気はつらつとジョッキを掲げて、ザナームを讃える歌を酒場のみんなと熱唱していた。

 たった一ヶ月でここまで溶け込むなんて、やはり彼女はただ者ではなかった。


 ・


 そんな昨日の乱痴気騒ぎはさておいて、俺はふとオルヴァールの碧色の空を見上げた。
 空の明るさからして、もうじき昼前といった時刻だった。

 俺は今、ラケシスさんと一緒に洗濯場でシーツを洗っている。
 洗濯場は住宅街を横断する用水路にあって、そこは人々の集まる社交場となっていた。

 そんな洗濯場で、ラケシスさんが空を見上げて飛び上がった。

「あっ! もうじき約束の時間じゃん!」
「え、ラケシスさんも用事……?」

「違う違う、カチュアに頼まれたのーっ!」
「カチューシャさんに? 何を……?」

「あははっ、そんなの決まってるよー!」

 鼻先に指を突き付けられた。

「お、俺……?」

 洗濯で手足が冷えたのか、ふいに背筋が震えた。

「いいなぁー、私も仕事サボって美少年とデートしたーい……!」

 ラケシスさんは明るく愚痴りながら、洗濯の手を早めた。
 彼女に面倒を見てもらうかどうかは置いといて、とにかく早く片付けて宿に帰ることには賛成だった。

「よしっ、ちょっと絞り足りないけど後は姉さんとアトロに任せちゃおー!」
「俺、一人でも準備でき――」

「ダメだよーっ、せっかくのデートなんだからっ、ここはお姉さんに任せときなさーいっ!」
「い、いいよぉ……」

「いいからいいからーっ、今日のデートもカッコよくしてあげるーっ、あはははっ♪」

 いつもより重たいシーツを抱えて宿屋コルヌコピアに戻った。
 ラケシスさんは強引だけど、それだけパワフルで働き者だ。

 宿に戻ると、あれよあれよと俺の部屋に引っ張り混まれてしまった。

「はい、そこ座って」
「俺、子供じゃないよ……」

「子供扱いなんてしてないよー。単に、私が楽しいから髪のセットとかしてー、お着替えも手伝うだけー♪」
「お、お着替えはもう止めてよぉ……っ?!」

「やーだーー♪ 絶対脱がすぅー♪」
「や……やめてよぉ……」

 ラケシスさんに髪を整えてもらった。
 すごく楽しそうにニコニコ笑いながらやってくれるものだから、嫌だとは言えなかった。

「はーい、次はお待ちかねのお着替えでーすっ♪」
「ひぃっ?!」

「やーだなぁー、なんにもしないよー♪」
「や、止めて……っ、なんでズボンから下ろそうとするの……っ?!」

 ズボンを下げようとする彼女の手と戦った。
 人に脱がされるのって死ぬほど恥ずかしい……。

「王子様なんだからこんなの慣れっこでしょー?」
「俺は人に着替えを手伝わせるほど自堕落じゃないよっ!」

「あ、シルバだー」
「えっ、助けてシル――」

「嘘ーっ、そいやーーっっ♪」
「あっあああっっ?!!」

「わーぉ♪」

 ラケシスさんにお着替えさせられた……。
 パンツまで下ろされて、ニヤニヤする彼女にオモチャみたいに扱われた……。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~

名無し
ファンタジー
 主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

処理中です...