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ざまぁされちゃった王子の回想録
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義父は続けて、ミミは実は平民の娘なんかではなかったと教えてくれた。
なんと彼女は、とある侯爵家の嫡子だと言うのだ。しかも本来ミミが継ぐべき侯爵家とは、あの自称「婚約者候補筆頭」の娘がいる侯爵家のことだった。
ミミの父は、現在の当主の兄。弟である現侯爵が現在の地位に納まったのは、ミミの父が事故死したためだ。しかし義父によれば、この「事故死」というのが嘘だと言う。公的にはそう記録されているが、実際には殺害されたそうだ。そのとき身重だったミミの母は、家令の手を借りて市井に逃げ延び、隠れ暮らした。
ミミの母が病死した後は、義父に引き取られ、男爵家の養女として育てられることになる。
何という因果だろう。
彼女の父は叔父に殺され、今度は彼女自身が私の弟に殺された。弟の妻は、彼女の父を殺した男の娘だ。この殺人にも無関係とは、とても思えない。
許せない。弟も、この女も、そしてもちろん侯爵も。
我が家に毒入り菓子を売りに来た行商人は、侯爵が懇意にしている商会にゆかりの者であることがわかっている。侯爵家の家令によれば、この行商人は何度か侯爵家にも出入りしていたらしい。
なぜ家令からこのような情報が得られたかというと、この家令が義父の従弟だからだ。ミミたち母娘は、義父と家令の連携によって生き延びてきた。それだけでなく、彼らはいつかミミを正当な地位に戻すために、これまで協力し合って着々と侯爵の不正の証拠を集めてきた。
彼らはずっと、ミミが成人するのを待っていたそうだ。
彼女が爵位を継承できる年齢である十八歳となったら、すぐにも申し立てをするつもりでいたと言う。しかし、その前に彼女は私と結婚してしまった。
ミミが十八歳になったとき、義父は彼女に出自の秘密を明かし、選択を迫った。私と離縁して侯爵家を取り戻すか、私との婚姻を続けるか。それに対して彼女は私を選んだのだと聞いたとき、涙があふれて止まらなくなった。
私はこれまでずっと、ミミを守っているつもりでいた。
でも実際には、守られていたのは私のほうだった。
彼女は私を見捨てることだってできたはずなのに、そうはしなかったのだ。
なんと彼女は、とある侯爵家の嫡子だと言うのだ。しかも本来ミミが継ぐべき侯爵家とは、あの自称「婚約者候補筆頭」の娘がいる侯爵家のことだった。
ミミの父は、現在の当主の兄。弟である現侯爵が現在の地位に納まったのは、ミミの父が事故死したためだ。しかし義父によれば、この「事故死」というのが嘘だと言う。公的にはそう記録されているが、実際には殺害されたそうだ。そのとき身重だったミミの母は、家令の手を借りて市井に逃げ延び、隠れ暮らした。
ミミの母が病死した後は、義父に引き取られ、男爵家の養女として育てられることになる。
何という因果だろう。
彼女の父は叔父に殺され、今度は彼女自身が私の弟に殺された。弟の妻は、彼女の父を殺した男の娘だ。この殺人にも無関係とは、とても思えない。
許せない。弟も、この女も、そしてもちろん侯爵も。
我が家に毒入り菓子を売りに来た行商人は、侯爵が懇意にしている商会にゆかりの者であることがわかっている。侯爵家の家令によれば、この行商人は何度か侯爵家にも出入りしていたらしい。
なぜ家令からこのような情報が得られたかというと、この家令が義父の従弟だからだ。ミミたち母娘は、義父と家令の連携によって生き延びてきた。それだけでなく、彼らはいつかミミを正当な地位に戻すために、これまで協力し合って着々と侯爵の不正の証拠を集めてきた。
彼らはずっと、ミミが成人するのを待っていたそうだ。
彼女が爵位を継承できる年齢である十八歳となったら、すぐにも申し立てをするつもりでいたと言う。しかし、その前に彼女は私と結婚してしまった。
ミミが十八歳になったとき、義父は彼女に出自の秘密を明かし、選択を迫った。私と離縁して侯爵家を取り戻すか、私との婚姻を続けるか。それに対して彼女は私を選んだのだと聞いたとき、涙があふれて止まらなくなった。
私はこれまでずっと、ミミを守っているつもりでいた。
でも実際には、守られていたのは私のほうだった。
彼女は私を見捨てることだってできたはずなのに、そうはしなかったのだ。
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