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第2章 王都へ
93 盗賊団⑥
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アランさんたちが首領をロープでぐるぐる巻きにする。
口を塞いだのを確認したところで、私は安堵でへたり込む。
「良かったーっ!」
『姐さん、最後はファインプレーだったなっ!』
「にゃん♪」
リードたちは誉めてくれるけど、落ち着いてくるとああすれば良かったとか、こうすれば良かったとか色々と考えてしまう。
「私なんて全然ダメダメだよっ。首領がシーラさんを蹴ったとき、私は何もできなかったし、土の壁作った以外は回復魔法を護衛の人たちに使っただけで、あとは何にもできなかったもん」
『戦闘に関してずぶの素人が戦闘中に何ができる。姐さんはよくやったよ』
「リード…」
いつもとは違う優しい声に、ビックリしてリードを見る。
リードは初めてみる優しい表情でこちらを見ていた。
『よく頑張ったな』
「う、うん。ありがとう」
リードでもあんな表情をするんだな。
思わず、素直にお礼を言ってしまう。
でも、そっか。少しは自分を褒めても良いのかな?
「おーいっ!サラちゃーんっ」
『アランが呼んでるぞ』
「何だろう?」
リードと話し込んで、すっかり下の様子を見るのを忘れてた。
下を覗き込むと、アランさんたちがこちらに両手を上げて振っていた。
「どうしましたーっ?」
「悪いけど、土の壁を解除してもらえないかなっ?」
「あっ!わかりましたっ!」
アランさんに言われて、壁を放置したままだったことに気づく。
魔法を解除すると、土の壁は跡形もなく消えた。
「ありがとうっ!」
壁が消えたことで、護衛の人たちにアランさんたちの姿が見えるようになる。
護衛の人たちは剣を構えたままだった。
「首領も拘束しました。もう大丈夫です」
アランさんの言葉と首領の拘束姿を見て、ほっとしたように剣を下ろすと、護衛の一人がアランさんたちの前に進み出る。
「この護衛のリーダーを任されておりますハンクと申します」
「俺はアランです。あっちにいるのが、シーラとマーヴェイです」
二人は挨拶をしながら握手をしあう。
「助けていただき、ありがとうございます。私たちだけでは、主を守ることができませんでした」
「最後にこちらの不手際で危険にさらすようなことになって、申し訳ない」
「何を言いますかっ!土魔法で救ってくれたではありませんかっ」
アランさんの言葉にハンクさんはすごい勢いで反論する。
「お恥ずかしい話ですが、我々は敵の威圧に怯んで全く動けませんでした。それにその前に回復魔法もかけてくださいましたよね?剣の腕前と言い、貴殿方は非常に優秀な冒険者のようだ」
「あー。魔法に関しては俺たちではないんですがね」
「なんと。では、どなたが?」
「俺たちの護衛対象の子が、助けてくれたみたいです。あの竜に乗ってるんですけどね」
ハンクさんの言葉にアランさんはそう言うとこちらを見上げる。
「あんな空の上からですか?」
ハンクさんは信じられないと言った表情でアランさんとこちらを交互に見ている。
私はどうすれば良いのかわからなくって、とりあえず手を振る。
ハンクさんは私が子供なのに驚いていた。
ギィ
馬車の扉が開き、銀色の髪に灰青色の瞳のほっそりとした男性が中から出て来る。お父さんと同じくらいの年齢かな?
「クラウジア様っ!外は危険でございます!中にいてください」
ハンクさんが慌てて駆け寄るけれど、クラウジアさんはそれを手で制してアランさんに歩み寄る。
「貴殿方のお陰で護衛共々、命拾いをしました。改めて私からもお礼が言いたい。ありがとう」
クラウジアさんはアランさんたちにそう言うと、深々と頭を下げる。
「どうか頭をお挙げください。此方は偶然居合わせただけですから」
「居合わせたのは偶然だが、助けてくれたのは君たちの意思だろう?本当にありがとう。君たちの依頼者にも是非お礼が言いたいが、どちらにいるのかね?」
クラウジアさんはそう言うと、キョロキョロと辺りを見回す。
「クラウジア様、彼らの依頼人は竜の上です」
「そうか。では、わざわざお礼を言うために降りてもらうのは申し訳ないな」
クラウジアさんは残念そうに言うと、アランさんたちの方を再び見る。
「あの。俺たちはお話しした通り護衛中でして、依頼人の許可を得てここにいるんです。盗賊団を倒すことができたので、護衛の仕事に戻りたいのですが、盗賊団の後始末はお任せしても良いでしょうか?ここから、数キロ先にも捕縛した盗賊団の一味がいるんですが」
「生きたまま捕まえたのですかっ?」
まさか生きて捕縛したとは思っていなかったみたいで、ハンクさんが驚いている。
「ええ。ここにいる盗賊たちと合わせたたら三十人ほどになるかと」
「三十人…」
あっ!でも、私が土魔法で囲んじゃってるから、解除しないといけないんじゃ。
私は下にいるアランさんに声をかける。
「アランさーんっ!向こうの盗賊の人たちも私が土魔法で拘束してるので、解除しないと外に出れませーんっ!」」
「あっ!そうか、あれも君だったんだね?」
「はいっ!」
「そうか。じゃあ、一度あそこまで戻る必要があるのか」
私とアランさんが会話している間、ハンクさんとクラウジアさんが何やら話し込んでいた。
クラウジアさんがひとつ頷くと、ハンクさんがアランさんに声をかける。
「あの、ご相談があるのですが」
一体、何の相談かな?
口を塞いだのを確認したところで、私は安堵でへたり込む。
「良かったーっ!」
『姐さん、最後はファインプレーだったなっ!』
「にゃん♪」
リードたちは誉めてくれるけど、落ち着いてくるとああすれば良かったとか、こうすれば良かったとか色々と考えてしまう。
「私なんて全然ダメダメだよっ。首領がシーラさんを蹴ったとき、私は何もできなかったし、土の壁作った以外は回復魔法を護衛の人たちに使っただけで、あとは何にもできなかったもん」
『戦闘に関してずぶの素人が戦闘中に何ができる。姐さんはよくやったよ』
「リード…」
いつもとは違う優しい声に、ビックリしてリードを見る。
リードは初めてみる優しい表情でこちらを見ていた。
『よく頑張ったな』
「う、うん。ありがとう」
リードでもあんな表情をするんだな。
思わず、素直にお礼を言ってしまう。
でも、そっか。少しは自分を褒めても良いのかな?
「おーいっ!サラちゃーんっ」
『アランが呼んでるぞ』
「何だろう?」
リードと話し込んで、すっかり下の様子を見るのを忘れてた。
下を覗き込むと、アランさんたちがこちらに両手を上げて振っていた。
「どうしましたーっ?」
「悪いけど、土の壁を解除してもらえないかなっ?」
「あっ!わかりましたっ!」
アランさんに言われて、壁を放置したままだったことに気づく。
魔法を解除すると、土の壁は跡形もなく消えた。
「ありがとうっ!」
壁が消えたことで、護衛の人たちにアランさんたちの姿が見えるようになる。
護衛の人たちは剣を構えたままだった。
「首領も拘束しました。もう大丈夫です」
アランさんの言葉と首領の拘束姿を見て、ほっとしたように剣を下ろすと、護衛の一人がアランさんたちの前に進み出る。
「この護衛のリーダーを任されておりますハンクと申します」
「俺はアランです。あっちにいるのが、シーラとマーヴェイです」
二人は挨拶をしながら握手をしあう。
「助けていただき、ありがとうございます。私たちだけでは、主を守ることができませんでした」
「最後にこちらの不手際で危険にさらすようなことになって、申し訳ない」
「何を言いますかっ!土魔法で救ってくれたではありませんかっ」
アランさんの言葉にハンクさんはすごい勢いで反論する。
「お恥ずかしい話ですが、我々は敵の威圧に怯んで全く動けませんでした。それにその前に回復魔法もかけてくださいましたよね?剣の腕前と言い、貴殿方は非常に優秀な冒険者のようだ」
「あー。魔法に関しては俺たちではないんですがね」
「なんと。では、どなたが?」
「俺たちの護衛対象の子が、助けてくれたみたいです。あの竜に乗ってるんですけどね」
ハンクさんの言葉にアランさんはそう言うとこちらを見上げる。
「あんな空の上からですか?」
ハンクさんは信じられないと言った表情でアランさんとこちらを交互に見ている。
私はどうすれば良いのかわからなくって、とりあえず手を振る。
ハンクさんは私が子供なのに驚いていた。
ギィ
馬車の扉が開き、銀色の髪に灰青色の瞳のほっそりとした男性が中から出て来る。お父さんと同じくらいの年齢かな?
「クラウジア様っ!外は危険でございます!中にいてください」
ハンクさんが慌てて駆け寄るけれど、クラウジアさんはそれを手で制してアランさんに歩み寄る。
「貴殿方のお陰で護衛共々、命拾いをしました。改めて私からもお礼が言いたい。ありがとう」
クラウジアさんはアランさんたちにそう言うと、深々と頭を下げる。
「どうか頭をお挙げください。此方は偶然居合わせただけですから」
「居合わせたのは偶然だが、助けてくれたのは君たちの意思だろう?本当にありがとう。君たちの依頼者にも是非お礼が言いたいが、どちらにいるのかね?」
クラウジアさんはそう言うと、キョロキョロと辺りを見回す。
「クラウジア様、彼らの依頼人は竜の上です」
「そうか。では、わざわざお礼を言うために降りてもらうのは申し訳ないな」
クラウジアさんは残念そうに言うと、アランさんたちの方を再び見る。
「あの。俺たちはお話しした通り護衛中でして、依頼人の許可を得てここにいるんです。盗賊団を倒すことができたので、護衛の仕事に戻りたいのですが、盗賊団の後始末はお任せしても良いでしょうか?ここから、数キロ先にも捕縛した盗賊団の一味がいるんですが」
「生きたまま捕まえたのですかっ?」
まさか生きて捕縛したとは思っていなかったみたいで、ハンクさんが驚いている。
「ええ。ここにいる盗賊たちと合わせたたら三十人ほどになるかと」
「三十人…」
あっ!でも、私が土魔法で囲んじゃってるから、解除しないといけないんじゃ。
私は下にいるアランさんに声をかける。
「アランさーんっ!向こうの盗賊の人たちも私が土魔法で拘束してるので、解除しないと外に出れませーんっ!」」
「あっ!そうか、あれも君だったんだね?」
「はいっ!」
「そうか。じゃあ、一度あそこまで戻る必要があるのか」
私とアランさんが会話している間、ハンクさんとクラウジアさんが何やら話し込んでいた。
クラウジアさんがひとつ頷くと、ハンクさんがアランさんに声をかける。
「あの、ご相談があるのですが」
一体、何の相談かな?
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