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相談 11
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「私も受ける立場として同じようなことを感じていました。それが分かったからこそ、ずっとお世話になっていますし、今日ご相談に伺いました。改めて本物の整体の世界のことが理解できたような感じがしますが、やっぱりどういう教わり方をしたかが大切なのですね」
私が分かったような感じで言ったが、奥田は首を横に振った。
「雨宮さん、そういう訳ではないんですよ。一部はその通りですが、教わった通りやっているようでは現場に立てません。もちろん、どんな人にもビギナーの時代がありますので、最初からベテランのような施術はできません。でも、学びの課程ではそういう場でも対応できるような基礎力と、その応用の仕方・考え方をいかに学べるか、ということが大切です。私の先生も授業の際によくおっしゃっていましたが、いくらいろいろなパターンで教えても、今そのクライアントの方が目の前にいらっしゃるわけではないし、同じ方でもその日の状態によって細かな条件は異なる。だからそういったことを毎回読み取り、その条件の下で施術することが大切、ということでした。そしてそれは現場でしか学ぶことはできないし、そこでは謙虚でいること、ということをいつもおっしゃっていました」
私は衝撃を受けた。もっと簡単にできると思っていた自分の心を見透かされたような感じになり、少々気恥ずかしさを感じていた。そのため、私は固まった感じになっていた。
奥田はそういう私の思いと状態を見抜いたかのように続けて言った。
「そんなに緊張しないでください。さっきの施術の効果が台無しですよ」
この時の奥田の言葉はいつも通りの雰囲気であり、表情も柔らかく、笑みも浮かんでいた。癒し家としての顔だった。
「ちょっとハードルを上げるような話をしてしまいましたが、最初にお話ししたように私はこの仕事に生涯を賭けていますので、こういう話にはつい力が入ってしまいます。もう少し肩の力を抜いて話せれば良いのですが、私もまだまだ途上ですので、ご了承ください。それでさっきビギナーという話をしましたが、そこでも私の先生から教わったことがあります。整体院を開いているとクライアントの方いろいろなご相談を承ることがありますが、中には整体術の範疇を明らかにオーバーしているだろうと思われることがあります。でも、そういう時はきちんと説明し、お断りさせていただきます。中には何でも良くなるという先生もいらっしゃるようですが、私の先生からはきちんと整体術としての限界について教わりました。その上で限界を超えると思われるケースについてはちゃんとお断りする勇気を持つことの大切さを学んだわけですが、これは大切な意識だと現場に立って感じています。開業した頃は仕事だからと思い、とりあえずお引き受けすることもありましたが、逆に相談する立場であれば無責任な対応されることが心配なのではと思うようになり、その後は教わった通りの対応をしています。一例を挙げれば、新型感染症の問題です。そのことを整体院にご相談される方はいらっしゃいませんが、分かり易い例で言えばそういった感染症に絡むご相談があります。ですから、雨宮さんがギックリ腰になる前に経験された新型感染症の疑いによる体調不良の改善を求めていらしてもお断りさせていただきます。もっとも、それは分かり易い例として挙げましたし、現実にそういう方は一人もいらしたことはありませんが・・・」
奥田の心構えについて聞いたことで、これまで私が持っていた整体についてのイメージがだんだん現実的なものになっていった。正直、これまではもう少し軽く考えていたけれど、奥田の考え方を聞き、そういうことがベースになっているからこそ信頼できるようになったのだ、ということが分かったような気がしていた。
私が分かったような感じで言ったが、奥田は首を横に振った。
「雨宮さん、そういう訳ではないんですよ。一部はその通りですが、教わった通りやっているようでは現場に立てません。もちろん、どんな人にもビギナーの時代がありますので、最初からベテランのような施術はできません。でも、学びの課程ではそういう場でも対応できるような基礎力と、その応用の仕方・考え方をいかに学べるか、ということが大切です。私の先生も授業の際によくおっしゃっていましたが、いくらいろいろなパターンで教えても、今そのクライアントの方が目の前にいらっしゃるわけではないし、同じ方でもその日の状態によって細かな条件は異なる。だからそういったことを毎回読み取り、その条件の下で施術することが大切、ということでした。そしてそれは現場でしか学ぶことはできないし、そこでは謙虚でいること、ということをいつもおっしゃっていました」
私は衝撃を受けた。もっと簡単にできると思っていた自分の心を見透かされたような感じになり、少々気恥ずかしさを感じていた。そのため、私は固まった感じになっていた。
奥田はそういう私の思いと状態を見抜いたかのように続けて言った。
「そんなに緊張しないでください。さっきの施術の効果が台無しですよ」
この時の奥田の言葉はいつも通りの雰囲気であり、表情も柔らかく、笑みも浮かんでいた。癒し家としての顔だった。
「ちょっとハードルを上げるような話をしてしまいましたが、最初にお話ししたように私はこの仕事に生涯を賭けていますので、こういう話にはつい力が入ってしまいます。もう少し肩の力を抜いて話せれば良いのですが、私もまだまだ途上ですので、ご了承ください。それでさっきビギナーという話をしましたが、そこでも私の先生から教わったことがあります。整体院を開いているとクライアントの方いろいろなご相談を承ることがありますが、中には整体術の範疇を明らかにオーバーしているだろうと思われることがあります。でも、そういう時はきちんと説明し、お断りさせていただきます。中には何でも良くなるという先生もいらっしゃるようですが、私の先生からはきちんと整体術としての限界について教わりました。その上で限界を超えると思われるケースについてはちゃんとお断りする勇気を持つことの大切さを学んだわけですが、これは大切な意識だと現場に立って感じています。開業した頃は仕事だからと思い、とりあえずお引き受けすることもありましたが、逆に相談する立場であれば無責任な対応されることが心配なのではと思うようになり、その後は教わった通りの対応をしています。一例を挙げれば、新型感染症の問題です。そのことを整体院にご相談される方はいらっしゃいませんが、分かり易い例で言えばそういった感染症に絡むご相談があります。ですから、雨宮さんがギックリ腰になる前に経験された新型感染症の疑いによる体調不良の改善を求めていらしてもお断りさせていただきます。もっとも、それは分かり易い例として挙げましたし、現実にそういう方は一人もいらしたことはありませんが・・・」
奥田の心構えについて聞いたことで、これまで私が持っていた整体についてのイメージがだんだん現実的なものになっていった。正直、これまではもう少し軽く考えていたけれど、奥田の考え方を聞き、そういうことがベースになっているからこそ信頼できるようになったのだ、ということが分かったような気がしていた。
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