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相談 12
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「それでビギナーの頃、現場で困った時のケースについてお話ししますね」
さらに現実的なことについて奥田が語り始めた。
「私が教わった先生は講座として開講されていますが、武道の師範でもあり、何と言うか流派的な意識が強い印象でした。ですから、その整体の名称を用いるなら道場を開くような意識で、ということをよく話されていました。となると道場破りにも対応する気持ちを持って、ということを冗談交じりで言われていましたが、私はその話を結構真剣に受け止め、道場破りということを整体術の範疇内のケースでありながら結果が出せなかった場合に置き換える、というように解釈しました。でも経験不足、勉強不足から結果に結びつかないこともあります。だから何か迷った時、分からないことがあれば先生にご相談し、解決策をお聞きしました。先生も今お話ししたように武道の流派的なことを意識されていますので、こういう時には熱心にアドバイスをされ、中には教わっていなかった新しいアプローチ法も教えてくれました。ただ、その時にはどういう症例について経験したかということを詳細に尋ねられました。今思うと、それがその時点でも私の技術力の到達度を見られていたんでしょうね。先生のお考えもあり、卒後もいろいろサポートしていただいたので今の自分があると思っていますが、現場での経験、実戦経験の大切はいつも説かれていました。そしてそういう経験が無ければ教えられない技がある、ということもおっしゃっていました。今はそういう言葉が金言であることか分かりますが、当時はそんなにもったいぶらなくても良いのでは、と思ったこともあります。まあ、これは今だからこそ言えますがね」
奥田は少し照れたような感じで言った。ある程度実績を出している段階になると、最初からそのステージにいるかのような話をする人がいるけれど、奥田のこういった言動はとても好感が持てる。だからこそ、話の内容についても信頼感が出てくるのだが、私にとっては理解できる話ばかりだ。
横にいる美津子の表情を見ても、理解している様子が伺える。その上で今度は美津子が奥田に質問した。
「先生、癒しや整体に対する考え方については分かりました。思想的には私にも分かりますが、家庭を預かるものとしては仕事としては成り立つのか、といったことにもお聞きしたいことがあります」
美津子は真顔で奥田に質問した。私はそういう話は今すべきではないのでは、と思ったが、そこは性格的な違いなのだろうし、現実的に転職を意識する場合にはあらかじめ意識しておかなくてはならないことだ。だから私は流れに任せ、そのまま奥田の話を聞くことにした。
「奥さん、そういうことも転職を考える上では必要です。だから話の流れの中で私からお話ししようと思っていたのですが、質問が出たのでちょうど良かった。ただ、この話をする場合、雨宮さんたちが生活に必要な費用がどれくらいなのかといったことが前提になります。ただこういうことはなかなかお答えにくいことでしょうから、一般的なケースでお話しします。家に帰られてこれからお話しすることを参考にしてお考え下さい」
奥田は私たちに配慮して、一般論として話し始めた。
さらに現実的なことについて奥田が語り始めた。
「私が教わった先生は講座として開講されていますが、武道の師範でもあり、何と言うか流派的な意識が強い印象でした。ですから、その整体の名称を用いるなら道場を開くような意識で、ということをよく話されていました。となると道場破りにも対応する気持ちを持って、ということを冗談交じりで言われていましたが、私はその話を結構真剣に受け止め、道場破りということを整体術の範疇内のケースでありながら結果が出せなかった場合に置き換える、というように解釈しました。でも経験不足、勉強不足から結果に結びつかないこともあります。だから何か迷った時、分からないことがあれば先生にご相談し、解決策をお聞きしました。先生も今お話ししたように武道の流派的なことを意識されていますので、こういう時には熱心にアドバイスをされ、中には教わっていなかった新しいアプローチ法も教えてくれました。ただ、その時にはどういう症例について経験したかということを詳細に尋ねられました。今思うと、それがその時点でも私の技術力の到達度を見られていたんでしょうね。先生のお考えもあり、卒後もいろいろサポートしていただいたので今の自分があると思っていますが、現場での経験、実戦経験の大切はいつも説かれていました。そしてそういう経験が無ければ教えられない技がある、ということもおっしゃっていました。今はそういう言葉が金言であることか分かりますが、当時はそんなにもったいぶらなくても良いのでは、と思ったこともあります。まあ、これは今だからこそ言えますがね」
奥田は少し照れたような感じで言った。ある程度実績を出している段階になると、最初からそのステージにいるかのような話をする人がいるけれど、奥田のこういった言動はとても好感が持てる。だからこそ、話の内容についても信頼感が出てくるのだが、私にとっては理解できる話ばかりだ。
横にいる美津子の表情を見ても、理解している様子が伺える。その上で今度は美津子が奥田に質問した。
「先生、癒しや整体に対する考え方については分かりました。思想的には私にも分かりますが、家庭を預かるものとしては仕事としては成り立つのか、といったことにもお聞きしたいことがあります」
美津子は真顔で奥田に質問した。私はそういう話は今すべきではないのでは、と思ったが、そこは性格的な違いなのだろうし、現実的に転職を意識する場合にはあらかじめ意識しておかなくてはならないことだ。だから私は流れに任せ、そのまま奥田の話を聞くことにした。
「奥さん、そういうことも転職を考える上では必要です。だから話の流れの中で私からお話ししようと思っていたのですが、質問が出たのでちょうど良かった。ただ、この話をする場合、雨宮さんたちが生活に必要な費用がどれくらいなのかといったことが前提になります。ただこういうことはなかなかお答えにくいことでしょうから、一般的なケースでお話しします。家に帰られてこれからお話しすることを参考にしてお考え下さい」
奥田は私たちに配慮して、一般論として話し始めた。
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