5 / 8
元聖女の雑貨屋、宝物庫の盗難事件に挑む
しおりを挟む
王国場内、衛兵詰め所。
見回りの兵士らが待機するその場所で、グレイは退屈そうに窓の外を見ていた。
窓の外には夜空一面に広がる星々。
少し下に視線を落とすとポツリポツリと輝く城下町の灯りが。
繁華街の方は煌々と輝いており花街の活気が遠目からでも伝わってくる。
「やれやれ、お盛んなこって……っと、寒いな」
まだ少し肌寒いこの季節、今は良いのだが厚手の布で作られた丈夫な軍服は早い内に衣替えをした方が良い、なんて事を考えていた。
「そろそろ衣替えか……防虫剤を買い換えないとな」
独り言をボソリと呟くその流れで、彼は同期の愚痴を口にする。
「まったくリックのやつ、当日に見回りを交代してくれって急すぎるだろ」
文句はどうやらにリックという同僚に向けられているようだ。
「いきなり花街に行きたいとか言い出しやがって。何が「近衛兵長になったら気軽に行けなくなるから」だ。任務のある日に気軽に行こうとするんじゃない」
リック・アディス。
グレイの同期で悪友、父親が先代近衛兵長であり、実力も兼ね備えており次期近衛兵長と呼ばれて久しい男だ。
ただ真面目に育てられすぎたせいか、その反動で大人になってから羽目を外すようになってしまった。
特に下半身がだらしない。
その都度グレイがフォローする事があり「リックの第二のお父さん」と呼ばれる始末だ。
「詰め所にいれば良いと言われたけれども相変わらず適当な男だ……まぁその緩さが好かれる理由なんだろうけれども」
自分とは違い人間関係を潤滑に保てる人間タイプだなと少々羨ましく思うグレイ。
「適当か、それができればどれだけ楽か」
雑貨屋の魔女が元聖女だったり、ラドン商会や東方からの刺客が自国を蝕もうとしている件――
張り詰めすぎるなと言われても中々緩めることが出来ない……つくづく損な性分だとグレイは自嘲気味に笑うのだった。
「っと、仕事しないと部下に示しがつかない」
椅子から腰を浮かせグレイは詰め所を後にする。
廊下に出て少し歩いたその時だった。
「ん?」
曲がり角でぶつかりそうになり慌てて後ずさるグレイ。
そこにいたのは見知った顔、グレイのもう一人の同期、ドアルボスだった。
「ん? 久しぶりだなドアルボス」
「……あぁ。なぜここに居る?」
「リックのヤツさ。急に交代してくれって言われてな」
「なるほどな。それはそれで大変だな」
ドアルボス・ガザシー。
仕事ができる叩き上げの人間だが寡黙で取っつきにくい男……それがグレイ含めた同僚達の評価だった。「堅物と呼ばれるグレイよりも取っつきにくい人間はレアアイテムより貴重だ」とロベリアが聞いたら皮肉を口にしただろう。
脳裏に浮かぶロベリアの悪い顔を追い出しているとドアルボスが話しかけてきた。
「どうだ、最近は」
「ん? あぁ、忙しくやらせてもらっているよ」
「そうか、リックのヤツも近々出世するし、寂しくなるな。俺も早く見回りの一兵卒から脱したいものだ」
(こいつから話題を振るのは珍しいな)
普段は寡黙なのに、今日に限って饒舌に語る同期に、グレイは少し訝しげに思った。
(おっと、何かと人を疑うのは悪い癖だな)
きっと同期で出世できない自分に焦りを感じているのだろう……そう思いながらドアルボスとの会話に興じるグレイだった。
「そっちは最近どうだ、ドアルボス」
「城下町の見回りで手一杯だ、小悪党相手にしてうんざりする毎日だ」
弾むようで弾まない、まるで天気の会話をしているような雰囲気にたまらなくなったグレイは歩き出す。
「――仕事中、廊下で話し込むのもよくない、俺は一応城内の見回りに行くよ」
「そうか、そっちは俺が見て回ったから向こうの方を頼む――」
ドアルボスが指を差した、その時だった――
「え?」
素っ頓狂な声。
声を上げたのは黒い装束に身を包んだ小柄な男。
こちらの方を見て明らかに動揺しているではないか。
「……何者だお前」
詰め寄るグレイ、男は一目散に逃げ出した。
すぐさま賊だと気がついたグレイは大声を張り上げる。
「盗賊だ!!」
城内に鋭い声が響き、何事かと。
「追うぞ、ドアルボス!」
「――まかせろ! 俺が捕まえる!」
グレイを押しのけ駆け出すドアルボス。
「焦るなドアルボス!」
「テェアァァ!」
ガキィィ!
その渾身の一撃は外れてしまい、石畳に切っ先が食い込んでしまう。
そのすきに盗賊は窓から外へと飛び出て、暗闇に姿を消してしまった。
「く……すまない、手柄を焦るばかり……」
「慌てるなよ、いつか出世する機会はある。それよりも何が盗まれたかだ」
同期を慰めながらグレイは見回りの兵士に何が盗られたか確認するように命令する。
「賊は何かを手にしていた。どこかで何か盗まれていないか」
「あの、どうやら宝物庫のカギが開いているようで――」
「宝物庫だと!?」
グレイとドアルボスの二人は大急ぎで宝物庫へと向かう。
扉の鍵は開いており、もうすでに何人かの兵士が出入りして現場検証を始めようとしていた。
騎士団長が現れ全員背筋を伸ばし
「何が起きた、盗まれた物はなんだ!?」
「あの……どうやら儀式用の鏡が盗まれたみたいです」
「鏡って「フレイの鏡」か」
フレイの鏡――
豊穣の神フレイの慈愛をもたらす鏡と呼ばれ映すものには真実を示し未来へ導くとされている秘宝――
もちろん言い伝えであり、その実ただの鏡。儀式に用いる物で歴史的価値はあれど金銭的価値はあまりない代物である。
「金目の物と勘違いしたのか」とドアルボス。
「かもな、だが儀式で必要な物だ、ないと面倒だぞ……なぜ易々と宝物庫に侵入されたんだ?」
俺がいなかったら大変だったぞとグレイ。見回りの兵士が申し訳なさそうに謝罪する。
「すみません、交代の時間を狙われたようで……ほんの数分の隙を狙われました」
「交代の時間だって」
グレイは偶然にしてはと疑問に思う。
(その隙を狙われたとでも言うのか、交代時間が外部に漏れていた? なぜ金銭的価値の低い鏡だけを盗んだ?)
その不可解さに見回りの兵士達が動き回る中、宝物庫の中心で腕を組み考え出すグレイだった。
※次回は12/22 7:00頃投稿予定です
ブクマ・評価などをいただけますととっても嬉しいです。励みになります。
皆様に少しでも楽しんでいただけるよう頑張りますのでよろしくお願いいたします。
また、他の投稿作品も読んでいただけると幸いです。
この作品の他にも多数エッセイや
・元聖女の言霊使い? いいえ、ただの雑貨屋です~鑑定と称してガラクタをレアアイテムに変えて困っている人を救っていますが聖女じゃありません~
・追放されし老学園長の若返り再教育譚 ~元学園長ですが一生徒として自分が創立した魔法学園に入学します~
・売れない作家の俺がダンジョンで顔も知らない女編集長を助けた結果
・「俺ごとやれ!」魔王と共に封印された騎士ですが、1000年経つ頃にはすっかり仲良くなりまして今では最高の相棒です
という作品も投稿しております。
興味がございましたらぜひ!
見回りの兵士らが待機するその場所で、グレイは退屈そうに窓の外を見ていた。
窓の外には夜空一面に広がる星々。
少し下に視線を落とすとポツリポツリと輝く城下町の灯りが。
繁華街の方は煌々と輝いており花街の活気が遠目からでも伝わってくる。
「やれやれ、お盛んなこって……っと、寒いな」
まだ少し肌寒いこの季節、今は良いのだが厚手の布で作られた丈夫な軍服は早い内に衣替えをした方が良い、なんて事を考えていた。
「そろそろ衣替えか……防虫剤を買い換えないとな」
独り言をボソリと呟くその流れで、彼は同期の愚痴を口にする。
「まったくリックのやつ、当日に見回りを交代してくれって急すぎるだろ」
文句はどうやらにリックという同僚に向けられているようだ。
「いきなり花街に行きたいとか言い出しやがって。何が「近衛兵長になったら気軽に行けなくなるから」だ。任務のある日に気軽に行こうとするんじゃない」
リック・アディス。
グレイの同期で悪友、父親が先代近衛兵長であり、実力も兼ね備えており次期近衛兵長と呼ばれて久しい男だ。
ただ真面目に育てられすぎたせいか、その反動で大人になってから羽目を外すようになってしまった。
特に下半身がだらしない。
その都度グレイがフォローする事があり「リックの第二のお父さん」と呼ばれる始末だ。
「詰め所にいれば良いと言われたけれども相変わらず適当な男だ……まぁその緩さが好かれる理由なんだろうけれども」
自分とは違い人間関係を潤滑に保てる人間タイプだなと少々羨ましく思うグレイ。
「適当か、それができればどれだけ楽か」
雑貨屋の魔女が元聖女だったり、ラドン商会や東方からの刺客が自国を蝕もうとしている件――
張り詰めすぎるなと言われても中々緩めることが出来ない……つくづく損な性分だとグレイは自嘲気味に笑うのだった。
「っと、仕事しないと部下に示しがつかない」
椅子から腰を浮かせグレイは詰め所を後にする。
廊下に出て少し歩いたその時だった。
「ん?」
曲がり角でぶつかりそうになり慌てて後ずさるグレイ。
そこにいたのは見知った顔、グレイのもう一人の同期、ドアルボスだった。
「ん? 久しぶりだなドアルボス」
「……あぁ。なぜここに居る?」
「リックのヤツさ。急に交代してくれって言われてな」
「なるほどな。それはそれで大変だな」
ドアルボス・ガザシー。
仕事ができる叩き上げの人間だが寡黙で取っつきにくい男……それがグレイ含めた同僚達の評価だった。「堅物と呼ばれるグレイよりも取っつきにくい人間はレアアイテムより貴重だ」とロベリアが聞いたら皮肉を口にしただろう。
脳裏に浮かぶロベリアの悪い顔を追い出しているとドアルボスが話しかけてきた。
「どうだ、最近は」
「ん? あぁ、忙しくやらせてもらっているよ」
「そうか、リックのヤツも近々出世するし、寂しくなるな。俺も早く見回りの一兵卒から脱したいものだ」
(こいつから話題を振るのは珍しいな)
普段は寡黙なのに、今日に限って饒舌に語る同期に、グレイは少し訝しげに思った。
(おっと、何かと人を疑うのは悪い癖だな)
きっと同期で出世できない自分に焦りを感じているのだろう……そう思いながらドアルボスとの会話に興じるグレイだった。
「そっちは最近どうだ、ドアルボス」
「城下町の見回りで手一杯だ、小悪党相手にしてうんざりする毎日だ」
弾むようで弾まない、まるで天気の会話をしているような雰囲気にたまらなくなったグレイは歩き出す。
「――仕事中、廊下で話し込むのもよくない、俺は一応城内の見回りに行くよ」
「そうか、そっちは俺が見て回ったから向こうの方を頼む――」
ドアルボスが指を差した、その時だった――
「え?」
素っ頓狂な声。
声を上げたのは黒い装束に身を包んだ小柄な男。
こちらの方を見て明らかに動揺しているではないか。
「……何者だお前」
詰め寄るグレイ、男は一目散に逃げ出した。
すぐさま賊だと気がついたグレイは大声を張り上げる。
「盗賊だ!!」
城内に鋭い声が響き、何事かと。
「追うぞ、ドアルボス!」
「――まかせろ! 俺が捕まえる!」
グレイを押しのけ駆け出すドアルボス。
「焦るなドアルボス!」
「テェアァァ!」
ガキィィ!
その渾身の一撃は外れてしまい、石畳に切っ先が食い込んでしまう。
そのすきに盗賊は窓から外へと飛び出て、暗闇に姿を消してしまった。
「く……すまない、手柄を焦るばかり……」
「慌てるなよ、いつか出世する機会はある。それよりも何が盗まれたかだ」
同期を慰めながらグレイは見回りの兵士に何が盗られたか確認するように命令する。
「賊は何かを手にしていた。どこかで何か盗まれていないか」
「あの、どうやら宝物庫のカギが開いているようで――」
「宝物庫だと!?」
グレイとドアルボスの二人は大急ぎで宝物庫へと向かう。
扉の鍵は開いており、もうすでに何人かの兵士が出入りして現場検証を始めようとしていた。
騎士団長が現れ全員背筋を伸ばし
「何が起きた、盗まれた物はなんだ!?」
「あの……どうやら儀式用の鏡が盗まれたみたいです」
「鏡って「フレイの鏡」か」
フレイの鏡――
豊穣の神フレイの慈愛をもたらす鏡と呼ばれ映すものには真実を示し未来へ導くとされている秘宝――
もちろん言い伝えであり、その実ただの鏡。儀式に用いる物で歴史的価値はあれど金銭的価値はあまりない代物である。
「金目の物と勘違いしたのか」とドアルボス。
「かもな、だが儀式で必要な物だ、ないと面倒だぞ……なぜ易々と宝物庫に侵入されたんだ?」
俺がいなかったら大変だったぞとグレイ。見回りの兵士が申し訳なさそうに謝罪する。
「すみません、交代の時間を狙われたようで……ほんの数分の隙を狙われました」
「交代の時間だって」
グレイは偶然にしてはと疑問に思う。
(その隙を狙われたとでも言うのか、交代時間が外部に漏れていた? なぜ金銭的価値の低い鏡だけを盗んだ?)
その不可解さに見回りの兵士達が動き回る中、宝物庫の中心で腕を組み考え出すグレイだった。
※次回は12/22 7:00頃投稿予定です
ブクマ・評価などをいただけますととっても嬉しいです。励みになります。
皆様に少しでも楽しんでいただけるよう頑張りますのでよろしくお願いいたします。
また、他の投稿作品も読んでいただけると幸いです。
この作品の他にも多数エッセイや
・元聖女の言霊使い? いいえ、ただの雑貨屋です~鑑定と称してガラクタをレアアイテムに変えて困っている人を救っていますが聖女じゃありません~
・追放されし老学園長の若返り再教育譚 ~元学園長ですが一生徒として自分が創立した魔法学園に入学します~
・売れない作家の俺がダンジョンで顔も知らない女編集長を助けた結果
・「俺ごとやれ!」魔王と共に封印された騎士ですが、1000年経つ頃にはすっかり仲良くなりまして今では最高の相棒です
という作品も投稿しております。
興味がございましたらぜひ!
0
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから
渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。
朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。
「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」
「いや、理不尽!」
初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。
「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」
※※※
専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり)
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
聖女のはじめてのおつかい~ちょっとくらいなら国が滅んだりしないよね?~
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女メリルは7つ。加護の権化である聖女は、ほんとうは国を離れてはいけない。
「メリル、あんたももう7つなんだから、お使いのひとつやふたつ、できるようにならなきゃね」
と、聖女の力をあまり信じていない母親により、ひとりでお使いに出されることになってしまった。
召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。
SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない?
その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。
ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。
せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。
こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。
その聖女は身分を捨てた
喜楽直人
ファンタジー
ある日突然、この世界各地に無数のダンジョンが出来たのは今から18年前のことだった。
その日から、この世界には魔物が溢れるようになり人々は武器を揃え戦うことを覚えた。しかし年を追うごとに魔獣の種類は増え続け武器を持っている程度では倒せなくなっていく。
そんな時、神からの掲示によりひとりの少女が探し出される。
魔獣を退ける結界を作り出せるその少女は、自国のみならず各国から請われ結界を貼り廻らせる旅にでる。
こうして少女の活躍により、世界に平和が取り戻された。
これは、平和を取り戻した後のお話である。
聖女追放 ~私が去ったあとは病で国は大変なことになっているでしょう~
白横町ねる
ファンタジー
聖女エリスは民の幸福を日々祈っていたが、ある日突然、王子から解任を告げられる。
王子の説得もままならないまま、国を追い出されてしまうエリス。
彼女は亡命のため、鞄一つで遠い隣国へ向かうのだった……。
#表紙絵は、もふ様に描いていただきました。
#エブリスタにて連載しました。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる