2 / 39
2話
しおりを挟む
「遅せーぞ」
地球が神殿の奥にある部屋に入るなりキツいことを言ってくるのは、地球とよく似た金髪に青い目の少年、金星である。地球の兄のくせに地球に意地悪な金星は、どこか勝ち誇っているようにも見える表情で高みの見物を決め込んでいたようだったが、それはあまり長くは続かなかった。
「いつも遅い人が何を言ってるの?」
ジト目で金星を睨みながら言ったのは、月と同じ色合いの銀髪銀目の少女、ルミナスだ。巫女の肩書きを持つこの少女は、金星とは馬が合わない人の代表とも言える性格で、顔を合わせる度にケンカしている。
「今日は遅くねーよ」
「少なく見積もっても10分は遅れてたけど?」
あー始まっちゃたー。他の人達の心の声はこれでだいたい表現できるだろう。金星とルミナスのケンカは止めたところで意味がない。この場に月が居れば話は別かもしれないが、基本的に衛星は神殿のこんなに奥まで来ることは出来ないので、災いと言うべきか幸いと言うべきか、月は居ない。
「君たちの仲が悪いことは十分知っているけど、あんまり続けると時間なくなるからその辺で辞めにしてくれない?ねぇ、おーいねぇったら!」
勇者登場!だが金星も、ルミナスも聞く耳を持たず、辞めさせようとした太陽の言葉は聞き入られず、あったのは水星の少し同情するかのような眼差しだけだった。
幸いなことに金星もルミナスも、時間に限りあることを理解しているためか、15分程度でルミナスに言い負かされた金星が折れた。
「じゃあ、一段落付いたところで、毎年恒例の退屈な会議を始めようか」
糸目が特徴的な、少なくとも外見は青年である太陽が切り出した。
愚痴の言い合いの間違いじゃあないの…?等々とつぶやく人がいるなか、全員それぞれの席に着き、少なくとも表面上は会議と見えるものを始めた。
地球が神殿の奥にある部屋に入るなりキツいことを言ってくるのは、地球とよく似た金髪に青い目の少年、金星である。地球の兄のくせに地球に意地悪な金星は、どこか勝ち誇っているようにも見える表情で高みの見物を決め込んでいたようだったが、それはあまり長くは続かなかった。
「いつも遅い人が何を言ってるの?」
ジト目で金星を睨みながら言ったのは、月と同じ色合いの銀髪銀目の少女、ルミナスだ。巫女の肩書きを持つこの少女は、金星とは馬が合わない人の代表とも言える性格で、顔を合わせる度にケンカしている。
「今日は遅くねーよ」
「少なく見積もっても10分は遅れてたけど?」
あー始まっちゃたー。他の人達の心の声はこれでだいたい表現できるだろう。金星とルミナスのケンカは止めたところで意味がない。この場に月が居れば話は別かもしれないが、基本的に衛星は神殿のこんなに奥まで来ることは出来ないので、災いと言うべきか幸いと言うべきか、月は居ない。
「君たちの仲が悪いことは十分知っているけど、あんまり続けると時間なくなるからその辺で辞めにしてくれない?ねぇ、おーいねぇったら!」
勇者登場!だが金星も、ルミナスも聞く耳を持たず、辞めさせようとした太陽の言葉は聞き入られず、あったのは水星の少し同情するかのような眼差しだけだった。
幸いなことに金星もルミナスも、時間に限りあることを理解しているためか、15分程度でルミナスに言い負かされた金星が折れた。
「じゃあ、一段落付いたところで、毎年恒例の退屈な会議を始めようか」
糸目が特徴的な、少なくとも外見は青年である太陽が切り出した。
愚痴の言い合いの間違いじゃあないの…?等々とつぶやく人がいるなか、全員それぞれの席に着き、少なくとも表面上は会議と見えるものを始めた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる